雪香楼箚記

春(2)_はかなくて






                                      式子内親王
       はかなくて過ぎにしかたをかぞふれば花にもの思ふ春ぞ経にける










 説明も訳もいらないでしょう。花盛りにわきあがる、切々たる懐旧の情。「もの思ふ」はただの春愁ではないはず。過ぎ去った年を数えることができるのは、悲しいもの思いを知る人の特権です。


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