味玉好き  BASEBALL  MAGAZINE

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究極の打撃 天才・・・そうかもしれない

イチロー すべてを語る


(2)究極の打撃 天才…そうかもしれない

打つ直前 勝負は決まっている

 ――目指す理想の打撃は?

 「自分が全く予想していない球が来たときに、どう対応するか。それが、大事です。試合では、打ちたい球は来ない。好きな球を待っていては(打席は)終わってしまう。10回に1回、そんな球が来ても、何の役にも立たない。あまりにも確率が低すぎます」

 ――どんなコースのどんな球種でもヒットにすること?

 「それも僕の打撃の一部。バットが届く範囲、打てると思った範囲の球は、すべてヒットにしたい。ここは苦手だから捨てるということはしません」

 ――一番のポイントは

 「右足をステップしたときに手が(トップの位置で)しっかりと残っていることが、僕の最大の特徴。前に少しでも動くと、緩急に対応できない。詰まりたくないため、手を早く出そうとする選手や、そう指導する方も多い。それは僕にとって非常に危ないことです」

 ――詰まることはないのか

 「いや、詰まりますよ。詰まらせることもある。それは技術の一つ。詰まらせないとヒットにできないこともありますから」

 ――凡打を避けるため、打ちに行っても空振りに逃げたことがあると聞く

 「ボールに当てる習性が身についているから、難しい。理想の一つですが、あきらめてます。数えるほどしか、できたことはありません」

 ――打撃の天才と言われることについて。苦労してもシーズンに130本ほどしか安打を打てない選手が多い中、200本を軽々と打っているように見える

 「僕のバッティングは、ヒットが出るようにしているわけですから……。ほかの人よりヒットを打てるゾーンが広いので、人が打てないボールをヒットできるというのが天才の定義だとすれば、そうかもしれない」

 ――オリックス時代の1998年までは、打撃で悩んだと聞く

 「形がなかったんです。打ってはいても、どうしてヒットが生まれたのかという説明ができない。だからあの時期(94―98年)すごいフォームが変わっています。自分の形を探すことで精いっぱいの時期。(毎年首位打者を獲得したが)あれで、数字が出ていないと、つぶれている可能性もありました」

 ――99年4月、西崎投手(西武)から二塁ゴロを打った時に形をつかんだ

 「百パーセントで待っていた真っすぐ。いい打球がいかないとおかしいのに、セカンドが右へ動くゴロというのは、最悪の結果なんです。はっきり見えましたね、まずい点が。足が(ステップに)入っていく角度であったり、両ひじが(インパクトへ向けて)入っていく角度とか」

 ――打つ瞬間に自分の打球がイメージできる?

 「(イメージできるのは)ボールが近づいてくる瞬間。勝負はここで決まっている。(イメージすることは)もちろん重要。そうでないと必然的なヒットは生まれない。偶然のヒットが多いようでは、ダメなんです」




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