☆心の中には宝物がいっぱい☆

逃げ込める場所


 【逃げ込める場所】

子ども二人と家を逃げ出して公園で夜あかししながら、色々なことを
精一杯考えました。

まず、なんでこんなことになったんだろう・・・・って。
彼が暴れるのはお酒を飲んでるからというわけではありませんでした。
お酒を飲んでいようがいまいが、突然始まりましたから。
もちろん、彼にとってはなにかの理由やきっかけになるものが
あったはずなんですが、私や子どもにとってはそれがわかりませんでした。
何が気に入らなかったのか、どうして怒り出したのか
それが分からない上に、暴れ出すともう手がつけられず話しもできない。
かと言って、落ち着いているときに話しをしようとしても
彼は「覚えてない」とか「分からない」とかしか言いません。
うまく気持ちを説明できないだけだったのかもしれませんが
私には何をどう改善したら彼が落ち着いてくれるのか、
なにか解決の糸口になるものがあるのかもわかりませんでした。

彼が暴れると私や子どもが怯える
その態度に対して彼がまた怒り出す・・・・
そんな悪循環の繰り返しでしたから。
私の中には「自己否定」の気持ちばかりが積もっていきました。
自分が「彼が暴れる何かのきっかけを作ってしまった」
それだけが事実として感じられたから。
もともとは優しい人だった、楽しく仲良く過ごせた時間があった。
だから子どもができ家庭を持とうと決心したはずなのに。
私が彼を壊してしまったようで、自分を消してしまいたいほど
自分の存在価値を感じられなくなっていました。
自分が壊れかけていることには気付かずに・・・

それでも私の側で暖かいぬくもりを感じさせてくれる子ども達。
子ども達への申し訳なさと愛しさと、これから先への不安がいっぱいで
途方にくれてしまいました。

彼の実家とは次男が口唇裂という身体で産まれたときに
「見てみあの口!あんなんうちの家系にはいてへん」
と姑に言われてから付き合いを避けていました。
産まれたばかりの次男を見て「ミルクがちゃんと飲めるだろうか」
「ちゃんとしゃべれるようになるだろうか」と
心配することがたくさんあるときに受けた心無い言葉の数々は
いつまでたっても許せるものではなかったから。
生後4ヶ月で口唇裂の手術を受けるまで、普通の哺乳瓶も使えず
母乳も吸えず、ストローが付いたような哺乳瓶でミルクを流し込み
うまく飲み込めなくてはむせ返り・・・・
一日中、長男に手伝ってもらいながらやっと育ってくれた次男。
その次男を一度も抱いてはくれなかった人達でした。

暴力が始まった頃には相談もしてみたけれど
「あぁあの子は小さいときから気に入らんと暴れる子やねん」
と平然と言ってのける人達だったので、もう関わりたくなかったのです。
恨むとか憎しみとかそういう感情を通り越して
ただもう他人になりたかったというのが本音でした。
向こうの両親とは感情も言葉も分かり合えるとは思えなかったから。

問題なのは実家の両親でした。私は自分の両親が大好きなのに、
さんざん心配をかけてきてかばってくれてきて、
それ以上悲しませたくはなかった。
「頼るわけにはいかない」と思ったけれど、
暴れて包丁を突きつけられたこともある彼と同じ家にいる
ことにも耐えられず、逃げ込むところは他にありませんでした。
子どもを連れて実家で事情を話し、幼稚園児のように
おいおい泣き崩れる私に、母は
「もう充分や、これからは子どもの幸せだけを考えたらいい。今の
 子ども達を見てみ、この子らを救っていけるのはあんただけやで」
と、小さい子にするみたいに頭を撫で続けてくれました。



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