☆心の中には宝物がいっぱい☆

つきよのかっせん(絵本)



書籍名:つきよのかっせん
著者名:富安陽子作 二俣英五郎絵
出版社:福音館書店(こどものとも)


★いつもにぎやかな低学年の教室。宿題のプリントを提出しに前に
出てくる子、隣の席に身をのり出しておしゃべりしている子、ラン
ドセルの中身を机の上に全部並べている子、まだ眠そうにあくびば
かりしている子もいる。
 一日の始まり、朝の学活時間に絵本を聞いてもらうのはなかなか
難しい。「今日はなぞなぞの本やでぇ~!」その一言が効果抜群だ
った。おしゃべりの声はなくなりみんな揃って前を向いてくれた。

「つきよのかっせん」は、ノラネコのブータンがまなぶとペアにな
り、ネコのふりをして、たぬき軍団となぞなぞ合戦をするお話。
 途中、4問なぞなぞが出てくる。例えば、「上は工場、下はゴミ
箱さてな~んだ?」子どもたちの顔を見回すとみんな真剣に悩んで
いる様子。しばらく待っても答えが出ないので「ヒントはこの教室
にもあるものやで」と言うと、今度は一斉に目をキョロキョロ。一
人二人と手が挙がる。
 答えはえんぴつけずり。正解率は80%ぐらいかな。子どもの答
えで笑っちゃったのは「工場のゴミ捨て場」やて。そのままやん。

「かえるの兄弟が3匹います。1匹目は女の子、2匹目は男の子。
3匹目は大人でしょうか子どもでしょうか?」の問題ではみんな悩
みぬいて下を向いてしまった。「正解は大人でーす」と言ったあと
も半分以上の子が「なんで?」という反応だった。「だってかえる
の子どもはかえるじゃなくておたまじゃくしやんかー」と言うと・・
「えー、そんなんずるい!」「ひっかけやんかー」とブーイングの
嵐。なだめるのに時間はかかったが「一緒に楽しんだ」と実感でき
る本だった。おまけとして、なぞなぞの問題を用意して時間調整に
使うと喜んでくれると思うけど大騒ぎになるかも。



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