議会報告

（1）議案第2号市川市一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する条例の制定について
この条例は、平成14年7月1日施行された「地方公共団体の一般職の任期付職員の採用に関する法律」等に基づき制定されるものです。この法律は、多様化した住民ニーズや高度で専門的な事務に行政庁が迅速に対応するため、最長5年間という短い期限を定めて専門的知識を有する者（弁護士・公認会計士など）を公務員として任用することを可能にした制度です。（例えば耐震偽装で問題点が顕著になった建築審査確認事務などが含まれます）
この法律に基づく条例の制定に当たり、制度の適正活用を図るため、任期付採用職員の給与、人員の適正配置、採用の公平性などの観点を中心に質疑を行いました。
質疑の一部
特定任期付職員の給与の特例について
特定任期付職員は、市の職員よりも相当高額な給与が支給されます。この給与は国家公務員の任期付職員の給与に準じているのが通例です。しかし、本市条例の給与表は、国家公務員の任期付職員を上回るものでした。これは、国家公務員の給与を定める法律が平成17年11月に改正されて減額されたにもかかわらず本市は、改正前の高い給与基準で条例を提案したためです。このことについて集中的に質疑致しました。
答弁では、この条例制定後、他の一般職員の給与と合わせて改正を行う必要があるとのことでしたが、高額な給与が根拠のないまま規定されることは甚だ疑問が残りました。私の質疑が時間切れになったことから、審議を常任委員会に委任致しました。

（2）報告第9号　市川市外郭団体の平成17年度決算報告（財団法人文化振興財団）
外郭団体につきましては、積極的な運営改善、事業の見直し、民間譲渡等を含む抜本的な対応が求められております。そこで、私は従前より市に対して、外部監査法人による経営評価の実施と公表、市の職員との人事交流の見直し、OB役員の退職金の廃止などを提案・要望しております。
市の外郭団体の経営状況や外郭団体によるサービスの提供は市民サービス、市民負担に直結していることから、本市外郭団体の経営状況について、赤字体質の改善とサービスの維持向上について質疑致しました。
答弁では、委託経費削減のため入札を活用するなど、経費の削減を図っていくとのことでした。

2　一般質問
（1）地域住環境の改善について、市内渋滞道路の整備及び市内狭隘道路の交通整理について提案・要望を行いました。
　住民の方が住んでいて良かった、住んで良かったと思える始めの一歩が住環境だと思います。
例えば市内各所では、平日の朝夕など渋滞が慢性的に起こっている箇所がいくつかあります。なかでも特徴的な渋滞は、京成線踏切から国道14号に突き当たるT字路交差点の渋滞です。
また、平成16年度の市川市内の交通事故による死傷事故件数は、2,376件でした。その内、幹線接続道路の裏通りや居住地内の生活道路での事故発生件数は、1,425件で全体の約60%に及んでいます。
別の調査では、市川市内の生活道路の事故発生率は、1 kmあたり2.0件、市川松戸線に並行する市道では14.4件に上り、千葉県平均の24倍の事故発生率になっております。
このような主要幹線道路に平行して走っている住居内の道路や、生活道路で多発している事故原因の一つは、道路が交通量に比べて狭く、見通しが効かない点にあると考えます。
このような渋滞や生活道路の事故を減少させる根本的な改善は、京成線の立体化や外環道路などの検討に委ねられる部分ですが、これらの大きな課題を解決するまでには莫大な時間と予算が必要となります。
しかしこの間、問題を放置しておくことは、市内住環境の悪化を促す恐れがあります。従いまして、国、県、警察などと協力して、限られた予算の中で、迅速に渋滞の緩和や歩行者等の安全を確保していく方法を探る必要があります。
　今回、市内渋滞道路について、国道14号線オリンピック前Ｔ字路を基点とした渋滞緩和に対する交差点整備（信号機の改善など）の提案を行い、市内狭隘道路の事故減少措置については、カーブミラーの適切な設置管理による交通整理を要望しました。市は警察など関係機関と協力し緩和に向け具体的な検討を行っていくとのことでした。
（2）教育環境の整備、環境教育・学習の推進について提案を行いました。
今私たちが取り組むべき教育及び学校教育環境は、非常に大きな課題に直面しております。都市化や少子高齢化の進展などによって、教育を取り巻く環境が大きく変わりました。近年では、子どものモラルや学ぶ意欲の低下、家庭や地域の教育力の低下などが指摘されており、若者の雇用問題なども深刻化しています。
　教育は、国家の基本であります。故に取り組むべき課題は容易なものではありません。また教育は、親や家庭だけの問題ではなく、国、地方公共団体、学校、地域社会等すべてが共同して取り組むものであると言えます。現在は更に、学校を取り巻く治安の悪化、学校施設の問題などハード面における課題も緊急性を帯びてます。
　今回の質問は、このような課題の中から、市町村単位で行うことができ、かつ、発達過程における子どもたちにとって重要な要素である「豊かな心」を育む教育・環境教育を取り上げました。
　環境教育は、子ども達に豊かな心を育むという教育目的のほかに、子ども達に自然環境問題に対する意識を喚起させるという側面があります。地球温暖化の防止や廃棄物・リサイクル対策など自然環境の保全について、発達段階に応じて子ども達の理解と関心を深めることは、私たちの子孫に自然の恵みを引き継ぐための重要な一歩になります。このような社会状況等を踏まえ、環境教育の推進（教育委員会と市長部局の連携）、社会体験活動の実践、水辺を利用した自然環境施設等の整備について提案致しました。

（3）公的資金の運用・調達方法について
市川市の公金は、平成17年7月31日現在で約286億円あります。公金は、すなわち市民の方々からお預かりしている税金です。従いまして公金の運用（預金など）については、最も確実かつ有効な方法による保管が要求されます。つまり、公金を預金した銀行等が破綻し、ペイオフが適用されてもリスク回避できる仕組みや、そもそも破綻が懸念される金融機関からの融資や預金を避けるようにしなければなりません。また、公金をより有利な条件で借り入れたり、預金したりする工夫も必要です。例えば同種の預金商品であっても、より利回りの高い金融機関と契約することや、逆に借り入れる場合には、利子の低い金融機関から調達する必要があります。
今回は、市民の方々からお預かりしている公金（税金）を最も確実にそして有利に運用する必要があることから、
（1）公金管理運用方針の充実（2）公金保護体制整備について質問致しました。

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