一般質問


 まず、住友金属鉱山市川研究所における核燃料物質の管理等についてお尋ねをいたします。
 先順位者のご質問のとおり、住友金属鉱山市川研究所から平成17年4月に、核燃料であるトリウム等が発見されました。核燃料物質であるトリウムは、保管、管理状況によっては甚大な環境・健康被害をもたらすおそれがあります。しかしながら、この事実は中国分の近隣住民の方に報告、説明がされておりませんでした。住民の方々は大きな不安を抱え、同社及び市川市に対して大変な不信感を抱いております。さらに、同じ住友グループである住友商事株式会社とは、当該研究所の隣地に予定されている大型マンションの建設に関し、中国分自治会は不信感を募らせております。
 マンション建設については、中国分自治会からの要望書を市長あてに出しましたが、市は当該要望書に対して、市としての見解を一切示すことなく右から左に受け流し、要望書に対する回答を住友商事株式会社に任せております。このことは松葉議員も質問されていましたが、本市の行政能力を非常に疑うものであります。遺憾のきわみであります。このような不信続きの状況において、新たに持ち上がった住友金属鉱山市川研究所における核燃料物質トリウムの管理等についても、市としての責任が問われるところであります。
 この核燃料物質の質問について、先順位者のご質問と重複するところは割愛いたしますが、先順位者へのご答弁の中で、責任は相手方事業者にあり、市としては事業者の対応を促していくという傍観者のような感じのご答弁もありました。しかし、市は環境汚染から市民を守り、市民の健康を維持する責任があります。相手方事業者の説明を聞くだけではなく、みずから調査する必要があると思います。そこで、市川研究所周辺地区の住民に対する責任を、市としてあらゆる手段を用いて果たしてきたと言えるのかお答えください。
 続きまして、市川駅南口再開発ビルA街区の販売状況についてお尋ねいたします。
 市川駅南口再開発ビルA街区の分譲部分については、5月末日までに解約ができることになっておりましたが、この解約件数についてお答えください。
 次に、解約された物件に係る今後の販売等の方針について、どのような報告を受けているのかお答えください。
 続きまして、市民、高齢者・障害を持つ皆さんの雇用拡大についてお尋ねいたします。
 私は、平成18年2月議会及び平成18年12月議会において、入札を利用して福祉政策等の実現を目指す新たな手法、政策入札について提案いたしました。市民雇用、高齢者雇用、障害者雇用等の促進に係る政策をアウトソーシングを利用して積極的に実施するという提案であります。政策入札は、入札参加者の技術に関する提案に加え、入札参加業者における高齢者、障害を持つ皆さんの雇用の状況や次世代育成支援の状況等を評価に加え、落札者を決めるものであります。企業の雇用努力等を入札において評価することにより、雇用者である民間企業にインセンティブが与えられ、このことによって社会的な目標を達成していこうとする手法であります。極端な言い方をすると、市民、高齢者、障害を持つ皆さんの雇用を積極的に行っている企業を一定の条件のもとに評価し、落札者としていく方法であります。高齢者、障害を持つ皆さんの雇用の促進、次世代育成支援の促進は、法律により企業に努力義務が課せられておりますが、達成が難しい状況にあるのは周知のことであります。
 このような状況を踏まえ、大阪府では、庁舎等の清掃業務の入札において、価格、技術評価に加え公共性評価である福祉、環境に視点を置いた政策入札への転換を図り、14人の知的障害者の雇用が決まった案件があります。また、私が調べた限りでは、さまざまな地方公共団体において、入札基準等の改正を行い政策入札、もしくは政策入札に準じた手法を採用し始めております。
 高齢者、障害を持つ皆さんの雇用、次世代育成支援の促進には民間の協力が必要となりますが、法律の規定は、努力目標という低いハードルばかりで、政策の実現が厳しい状況にあります。しかし、各地方公共団体が今あるアウトソーシングを利用して民間企業にインセンティブを与えることができれば、民間企業における経営方針を変化させるきっかけになります。また、この手法の大きなメリットとしては、市において別途予算を組む必要がないということであります。本市では、平成20年度当初予算の委託料だけで181億円を超える規模があります。この予算を数%でも利用して政策入札に位置づければ、今行っている委託契約で高齢者、障害を持つ皆さんの雇用、次世代育成支援、環境政策の充実が図れるのであります。高齢者、障害を持つ皆さんの雇用の促進、次世代育成支援、環境政策は、法律上も地方公共団体の責務であることは明らかであります。このような課題に対し、予算の積極的な投入が厳しい状況であれば、今ある予算を利用して高齢者、障害を持つ皆さんの雇用、次世代育成支援に取り組むべきではないでしょうか。
 そこで、平成18年2月議会及び平成18年12月議会の一般質問以降、政策入札について、本市ではどのような取り組みを行ってきたのかお答えください。
 続きまして、浦安市川市民病院の後継法人の募集についてをお尋ねいたします。
 まず、本市における医療体制の維持を考える上で、浦安市川市民病院と同等以上の医療機関を確保する必要があります。このようなことから、単に病院の廃止ではなく、病院の維持という側面から、民設民営を選択したものと思います。しかし、医療機関を民営化するに当たっては、同じ民営化でも、民設民営よりも公的関与が強いPFIや指定管理者制度もあります。資金調達の面でも、補助金の97億円を考えれば、PFIの選択も可能であったと思われます。なぜ民設民営としたのかお答えください。
 次に、引き継ぎ病院の政策的医療の維持・向上についてをお尋ねいたします。
 ご承知のとおり、市川市には3次救急医療機関はありません。また、市川市の属する東葛南部地域の2次救急医療も、医療法施行規則に定める基準病床数を1,000病床下回るという現状であります。また、小児医療、周産期医療についても深刻な状況にあります。このような状況において、この地域が必要とする地域医療、救急医療が今後永年にわたって民間において維持できる担保はどこにあるのかお答えください。
 次に、補助金等についてお尋ねいたします。
 病院建設費用相当分の金額を補助金とした理由についてお答えください。
 また、補助金は10年間にわたって分割支払いを行う予定ですが、この予算的措置の方法についてお答えください。
 次に、募集の内容についてお尋ねいたします。
 募集要項は応募者の提案を募り、評価し、契約後は、先ほど質問した引き継ぎ後の医療の質、サービスを担保する重要な規範となります。しかし、医療機関としての質を維持させるための提案事項の記載があいまいであり、公正に、厳格に定められるべき評価事項についての記載が広く公表されておりません。さらには、病院建設の設計、見積もり、運営について、応募者が提案書を作成する期間が、たった1カ月と1週間しかありません。今回の募集に関しては、大規模な建物の建設、医療機器等の備品の調達、大がかりな病院運営を含めた膨大な提案を募るものであり、PFIと同規模以上の募集であると言えます。PFIは1年以上かけて行うものであります。それが、1カ月半の期間で本市の重要な医療体制を担う提案をさせ、相手方を決めるという極めて乱暴な内容と言えます。PFIはもとより、指定管理、または普通の総合評価競争入札よりも安易な募集内容で行うことについては、どのような検討がなされたのかお答えいただきたいと思います。
 続きまして、環境行政について、本市の一般廃棄物処理施設の運営状況についてお尋ねいたします。
 まず、本市の一般廃棄物処理施設であるクリーンセンターで条例に処分を認める規定がないにもかかわらず、廃棄物の処理及び清掃に関する法律第11条第2項を適用して産業廃棄物の処理を行っているとのご答弁を前議会でいただきました。クリーンセンターは、本来は一般廃棄物の処理に使用するための施設であることから、どんな産廃でも引き受けるということではなく、産廃の排出状況や処理の実態を把握した上で、必要とされる部分について可能な範囲で行うというのが本来の目的だと思います。例えば分別が非常に困難なものであるとか、中小企業の費用増大を防ぐという目的があって、その上で処分料金や処分できる種類を条例できっちり定めて行うべきものであります。ほとんどの自治体は条例でそのように規定しております。一般廃棄物処理計画に記載しているところもあります。なぜ本市は今まで条例に規定することなく、産業廃棄物を一般廃棄物処理施設で受け入れてこられたのかお答えください。
 次に、本市の一般廃棄物処理施設であるクリーンセンターにあるテニスコートが8月1日から利用開始になります。このテニスコートは、住民の福祉を増進する目的を持って、その利用に供するための施設であると思います。したがって、8月1日からの利用であれば、今議会に条例案が提出されなければならないと思います。このテニスコートの供用に係る法的根拠についてお答えください。
 以上、1回目の質問とさせていただきまして、ご答弁によりまして再質問をさせていただきます。



それぞれご答弁をいただきました。ありがとうございました。再質問させていただきます。
 まず、住友関係ですけれども、中国分自治会からの指摘等々ありまして、初期対応については、それに沿って行っていただいたのかなと思います。今回のご答弁は、初期対応と有事の協定でありまして、平常時の積極的な点検、調査という観点、ここら辺もしっかりと結んでいただきたいなと思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。これは要望しておきます。
 それから、先順位のご答弁にあった消防局、危機管理部以外の理事者の方、この案件に関して、ほかにかかわりのある所管の方がいらっしゃるんじゃないですか。法律、条例、そういうものを見てしっかりやっていただきたいと思います。その1つに挙げさせていただくのが市川市環境保全条例、これを適用できませんか。できるでしょう。市川市環境保全条例に適用できそうなものを述べますよ。第106条、第108条、第11条などです。106条では、事業者が汚染物質を発生させたことにより、「人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれがあると認めるときは、その事態を発生させた事業者に対し、その事態を除去するために必要な措置を講ずることを求めることができる」とありますよ。11条でもありますよ。それについてお答えいただきたいと思います。
 それで、この案件に関しては、市民の方が思い余って市や市長にお願いしているのですから、さまざまな条例や法律をしっかりととらえていただきたいんですよ。それは要望しておきます。
 それから、市川駅南口再開発ビルのA街区の販売状況についてですが、解約件数について、いろいろありました。これは相手方の事情もあろうかと思いますが、今回は通常のケースとは異なっているわけでして、工事ミスという相手方の甚大な、社会的な不祥事から生じた問題で、市川市の名誉を著しく損ねたものであります。したがって、信義誠実の原則に返って、市川市に対して、やはり特建者が真摯に対応を行うものだ、それが当然だと私は思います。甚だ不誠実な対応だと思うわけでありますが、解約状況や今後の解約物件の扱いによっては地権者の方々にも影響するわけであります。そこの部分、これは市川市が介入できる部分ではないかなと思います。したがって、市川市は地権者、契約者の方の立場に立って毅然とした対応をとっていただきたいと思います。そして、これはわかりましたら、今後、その旨、ご報告を求めることを要望いたします。
 次、政策入札についてでありますが、政策入札は、ご答弁の中にありましたように総合評価方式の1つであります。しかし、市が市民の雇用、高齢者の雇用、障害を持つ皆さんの雇用、次世代育成支援などの施策にどれだけ重点を置くかが問題となるわけであります。私が平成18年から提案している政策入札は、積極的なものなんですね。つまり、市川市としてどれだけ本気に市民の雇用、高齢者の雇用、障害を持つ皆さんの雇用、そして次世代育成支援などを政策として考えていますかということを質問しております。ですから、アウトソーシングの基準をつくっている企画部に質問をしてきたわけであります。これらの政策を予算化して行おうとすれば多額の予算が必要になるわけであります。さきの質問のときにも申し上げましたように、既にある委託費、約182億円、これを使って行うことができるのが、この提案している政策入札なんですね。繰り返しになりますが、本来、多額の予算を要する政策について、予算の心配をすることなく、今すぐにでも市民の雇用、高齢者の雇用、障害を持つ皆さんの雇用、そして次世代育成支援などを実現できるのが政策入札であります。これらの政策が全庁的に行われるものでなければならないと思いますし、市の政策決定が大きくかかわることから、何度も企画部にお尋ねをしていたところであります。市川市のアウトソーシング基準の作成は企画部でありますよね。管財部では、先ほども若干ご答弁ありましたように、総合評価の評価項目として政策入札の要素を入れて試行しているということでありました。しかし、重要なのは、先ほど申し上げたように、どのぐらい政策的に市民の雇用、高齢者の雇用、障害を持つ皆さんの雇用、次世代育成支援などの実現が行えるかというところなんですね。市として明確にその政策を打ち出さないと、結果が出ないということであります。
 例えば総合評価の除算方式で、わずかな技術点として政策的要素の評価があっても、ほとんど入札結果に反映されません。また、加算方式でも、価格点との割合が低かったり、政策的な評価が少なければ、同じく結果としてあらわれにくいものとなるわけであります。そうすると、つまり、政策入札をやっている、総合評価入札をやっていると言っても、それだけだと、ただやっているだけになっちゃう。しかし、これはあくまでも入札ですから、政策的な色を強めるには、管財部の独断では限界があると思います。ですから、話は戻していきますが、市が積極的に政策として行うという明確な意思表示を行っていただいて基準をつくらなければ、先ほど来申し上げていますように、市民の雇用、高齢者の雇用、障害を持つ皆さんの雇用、そして次世代育成支援などの政策目標が実現できないわけであります。全庁的にオーソライズして、企画部で方向を示してくださいと申し上げているわけでございます。
 この議論は、もう2年以上前から行っているので、ぜひ直接担当している部長さん方、ご存じであると思います。かかわってくるのはこども部、そして福祉部等となってくるかと思います。それぞれの部長さんが、せめて自分の部の調達だけでも政策を打ち出していただければな、そういうことを……。


地方自治法施行令が改正され、随意契約が可能なものになってきたものもありますが、しかし、随意契約ができる障害者施設等は物すごく限定的なものであります。障害を持つ皆さんのニーズに広くこたえられません。今ある予算をすぐに政策ができる、この政策入札の積極的な取り組み、積極的な評価の方法について、各部真剣に考えていただきたい。これは要望とさせていただきまして、次回にやらせていただきます。
 浦安市川市民病院についてですが、もう既に公募が始まっているわけでありますが、場合によっては公募を中止してでもしっかりとしたものにしていただきたいなと、これも要望しておきます。
 いずれにしても、この市民病院に関して、これからの大事な市民の生命を守るものとなりますので、ぜひその点を踏まえて保健スポーツ部として、そして市川市として取り組んでいただきたいと思います。
 これで質問を終わります。


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