側わん症の手術



側わん症とは、脊椎の椎体(背骨を形成しているブロック)が回旋し、
背骨が「らせん階段」のようにねじれる(=回旋する)状態をいいます。
ねじれ(=回旋)の原因は、ほとんどの患者さんの場合、不明です。   


手術は通常、側わんがさらに重くなり、以下に掲げた問題のうちの1つ、
あるいはそれ以上の問題が起こるのを防ぐために行われます。  
(1)肺機能の低下 
(2)背中の痛み 
(3)外見上の問題 

一般的に手術は、もっとも安全だと思われる時期
つまりこれらの問題が発生する前に行われます。

したがって医師が手術を勧めるのは、
将来上に書いたような問題が発生する可能性があると感じた患者に対してです。  

手術そのものは2つの段階に分かれます。 
(1) 頑丈な金属棒(ロッド、rod)で、脊椎を伸ばす。 
(2) 金属棒によって脊椎を正しい位置に戻した後、脊椎の曲がった部分を固定するために、ボーン・グラフトを移植する。

固定することによって、背骨がさらにカーブすることが防げます。
(ステンレスの金属棒で、カーブを伸ばす。)   
手術後、患者の背骨は以前より目に見えてまっすぐになりますが、
完全にまっすぐになるわけではありません。

同様に、レントゲン写真も以前よりまっすぐになりますが、
完全にまっすぐになるわけではありません。
しかし、多少カーブが残っていても、
通常問題になることはありません。


手術のリスク

側わん症の手術はいくつかのリスクを伴い、
こうしたリスクについて患者や親は知っておくべきです。
ただ、あなたの執刀医が手術を勧めたのは、
手術のリスクよりも、
手術によるメリットのほうが大きいと思ったからだということてら忘れないでいてください。  

(1)ロッドのずれ

手術を受けた患者のうちのごく一部(約5%)では、
脊椎を伸ばすために使用された1つ、
または複数のホックがあるべき場所からずれてしまうことがあります。

これは通常、患者にとって不快なものになります。
この問題が起きても、何の治療も必要でない場合もありますが、
場合によっては、さらに手術をして問題を正すことが最適な場合もあります。  

(2)感染症

ごく一部の患者さん(手術を受けた人の1~2%)は、感染症にかかります。
これは手術直後の数週間の間に起こります。
通常、感染部分の処置と抗生物質の使用が必要になります。  

(3)「偽関節(Psuedarthrosis)」

これは、ボーングラフトが完全に固定化しないということで、
手術をした患者さんの1~5%に起こります。
不快感や、矯正がいくらか失われる、といった問題に至る場合もあります。
この問題が明らかになるのには何年かかかり、
最善の解決方法は固定化しなかった箇所にさらにボーングラフトを追加することです。  

(4)神経の損傷

手術を受けた患者さんのうちの0.1~0.2%に見られる、まれな合併症です。
これは手術中、
カーブ矯正しているときに脊椎に加えられる力によって起こります。
この合併症の患者さんでは、
一方、あるいは両方の足の力が弱かったり、あるいは感覚が麻痺したりします。
排尿・排便障害がある場合もあります。
こうした神経への損傷を防ぐため、
手術中は神経医による特別チームが、神経の状態を常時モニターしています。  

(5)金属棒による不快感

手術から1~5年後に、いくらか不快感を覚えることがあります。
これは手術をした患者さんの10%未満が経験し、
原因は金属棒が体内の敏感な部分とこすれるためです。
大抵の場合、金属棒はそのままにされます。
なぜなら金属棒は、
しっかり矯正するために移植された骨片によって一部覆われてしまっているからです。  

(6)その他のリスク

その他の珍しいリスクには、
輸血による疾患、尿道感染症、薬物に対するアレルギーなどがあります。
こうした問題が起きないよう、さまざまな対策がとられます。

一般的なガイドライン

手術前

事前に自分の血液を貯血しておきたい場合には、
手術の6週間前以上前までに、血液バンクに連絡を入れてください。
貯血当日は医師の署名の入った紙を持参してください。
親や親戚から血液をもらうのは、お勧めしません。  

手術日

側わん症手術についてのビデオは、手術前の検査から術後の回復まで、
これから起きる事柄に対して患者と親御さんに心の準備を与える上で役に立つでしょう。  

手術後

通常、手術後2~3日は胃が働きませんが、その後急速に回復します。  

退院

通常、手術後5~7日後に退院します。 

学校や職場への復帰

学校やその他の活動については、体力が回復したら、復帰することができます。
これは多くの患者の場合、手術後2~4週間後となります。
車の運転は、体力が回復すれば行うことができます。

制限事項  

(1)重さ5ポンド(=約2.5キロ)以上のものを持ち上げてはいけない。  
(2)ウェストから上の部分を曲げないこと。腰から曲げ、背中を常にまっすぐにしておくことが大切。  
(3)手術後1ヶ月は、自転車に乗らないこと。 
(4)手術後7日が経過したら、シャワーを浴びてもよい。 
(5)手術後3ヶ月間は、スポーツをしたり、走ったり、飛び跳ねてはいけない。  
(6)手術後6ヶ月たったら、「一生涯やってはいけない」という制限事項はなくなる。  

退院時に渡される薬  

(1)鉄分の錠剤――1日3回、各1錠を1ヶ月間。 
(2)ビタミン剤――もし通常も服用しているなら。 
(3)鎮痛剤――痛みをコントロールするために、4週間の間、1回につきタイレノール(訳者注:鎮痛剤の名前)を1~2錠。医師の処方通りに服用すること。  

退院から6週間後に、再び病院に行って、検査を受けることが大切です。




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