車から白銀の世界が見えて来るたびに、胸が高鳴ったことを昨日のことのようによく覚えている。夜の空の下ほわ~っと あたたか色の家の灯りが 白い雪の中に浮かぶ景色は、サクッサクッと歩く靴の音とともに心に じ~~~~~んっ ときたものだ。
幼い頃のスキーの思い出は 心の中にストーブの火が灯ったような 温かいぬくもりがいっぱいある。
そもそも あまりによく転ぶので友人に付けられたあだ名が「ヒュ~ストンッ!」 そのまんまじゃないかい(苦笑)
上級者コースにスス~ッと進み「すごいね~!」と周りの人に拍手喝采された。 ただ、曲がれなかっただけなんですけど(笑)そのあと1人でどんなに苦労したことか・・・
スキーを担いで階段を登っていたら、「ボク、えらいね~」と大人の人に褒められた。ボクじゃないんだけどなぁ~っ(怒)と苦虫つぶしてると、やっと女の子だと気付いて「おお~っ女の子かぁ~っ」「すごいなぁ~っ!」とたいそう褒められた。 そんなに驚かなくてもいいだろ~に。気付くの遅いよぉ~。(ブツブツ)
でも一番スゴイのは「リフト事件」。ある日 地元の人の道案内で、お兄さん、お姉さん達と一緒にワイワイ ガヤガヤ 楽しく 始めてのコースを滑りに出掛けた。
笑顔はすぐ消えた・・・ あまりの難関コースにまっ青。キョーフに顔は引きつり体はガタガタ。着いていくのが精一杯。「帰りたいっ」と思ったけど、帰る道も分からないし、今来たあの恐ろしい道を帰る自信もない・・・
帰るのも嫌だし、行くのも嫌状態の瀬戸際に。
皆との実力が違い過ぎる。帰りたいっ、絶対無理・・・と心の中で叫んでたけど言えなかった。「迷惑掛けたくナイッ」気持ちが頑固にも言葉を呑み込ませた。
行くしかない。 進むしかないっ。 やってやるしかないっ!
が、世の中そんな~~~~~に甘くは・・・ないっ。コースはどんどん過酷なものに。
リフトに乗ってこれから滑って降りる斜面は、あまりに急過ぎて泣きたくなった。「どうしょう どうしょう」で頭の中はグルグル クラクラ・・・
次の瞬間
スキーが急斜面の雪の中に突き刺さって、リフトから転落したのだ。
?????と思ったらリフトから落ちていたというわけ。(あまり~にブサイクで、今思い出してもマンガみたいで笑ってしまう)
「うえぇ~~~~~~~~~~んっ!」今まで我慢に我慢していたものが全部声になって絞り出た。
すると、滑っていた男の人が すんご~いっ速さでスキーを外して飛んで来てくれた。
頭???の中、無事救出され、命の恩人はまた背中に翼が生えているがごとき素早さでスイ スイ スィ~ッと見惚れる華麗なフォームで滑り去って行かれました。(行動も素敵だが1つ1つが何ともカッコイイのだ。尚且つ、お姿も素晴らしくステキ!だった)
パニック状態でお礼もちゃんと言えたかどうか覚えていないけれど、今でもそのお方は私の中の白馬の王子様・・・
その後どのようにして滑って帰ったかは、白馬の王子様事件でスッカリ忘れてしまいました(爆)けど、ワンワン泣いて頭の中スッキリして?何とか帰ってこれたのは確か。(何だやれば出来るじゃ~あないかい!)
白銀の世界にはあったかい優しい人達がたくさんいる。本当はまだまだ話足りないのだが、(エッ?もう充分?)とりあえず、白馬の王子様ありがと~~~~~~~~~~う!!