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こちらは、アンダーセン(Andersen)社のスライディング・パティオドア。いわゆる片引きの掃出しサッシですね。今回は、このサッシの下枠のコーナー部分がフワフワしてきているし、側枠の下の方も同様に柔らかな感じがしているという相談でした。当初このサッシの下端にはウッドデッキの床が同じ高さで接していたということでしたから、恐らくデッキの床の水が台風のような強い雨の時にサッシの方に押し寄せてきて、この枠の上がプールのような状態になったのではないかと推測しました。それが大きな原因であったことは確かですが、実はここ以外にデッキがない場所の掃出しサッシや2階のベランダの掃出しサッシもここ程ではないにしろ同様のトラブルを抱えているそうです。こういう場合、四方のドア枠を組み上げた時に、コーナー部分を防水処理するシーリング剤を入れておくのですが、施工した住宅メーカーが入れ忘れたかも知れません。メーカー出荷時にドア枠が組みあがっていて、ドアも装着された状態で搬入される掃出しサッシであれば、そういった処理は既に行われていますが、現場で組み上げるような場合は、適宜防水処理の作業を行っておかなければなりません。勿論、そういった施工マニュアルは、製品と一緒に送られてきているはずですが、英語であるが故にちゃんと読まないで施工を行う工務店も多くいます。乾燥させてある程度固さが戻ってくるような場合であれば、防水処理をして様子を見ればいいのですが、フカフカして戻らないようなら下地の構造材を含めてドア枠を交換する必要があります。ただ、ドア枠は外壁の下地に装着されていますから、これを外して交換するとなると、周囲の内外壁をある程度剥がしてやり直す必要が生じますし、構造もどのくらいダメージがあるかで、補修内容も変わってきます。ですから、こういう状態をあまり放置しておかず、梅雨や台風シーズンの前には修理・復旧をしておきたいものです。手間・暇や費用は掛かりますが、酷くなる前に早めの治療を行うことこそ、不具合の程度を小さく出来る秘訣です。でも、アンダーセンの掃出しサッシは、ドア枠だけの交換も出来るという点で不幸中の幸いかも知れませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年06月17日
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こちらの輸入住宅では、アンダーセン(Andersen)社のダブルハングを浴室の窓として長年使っていらっしゃいました。お風呂を使った後、ちゃんと換気をして頂いていたのか、建具(障子)の木枠が腐ってしまうというトラブルはありませんが、ご覧のように塗装は剥げてカビや染みが全体的に見受けられます。温かく湿気った空気や水分が多い浴室に木製サッシを使うということがよくないことは、誰の目からしても明らかなはずですが、古い輸入住宅ではこうした施工はよくあったようです。木部の塗装も内装用のニスを塗ったり、シッケンズのような防腐塗料を塗ったりしたようですが、基本的にどれも防水性が長く持つものではありませんから、すぐに悪くなってしまいます。今回は、劣化したバランサーを交換すると共に、建具の木枠の表面をサンドペーパーである程度きれいにしてから、パラペイントの白いティンバーケアで防水塗装をしてあげようと考えています。ティンバーケアは、ナチュラルクリアのものもありますが、ここまで黒くなった木を元通りにするということは出来ませんから、敢えて白く塗装することで、清潔で爽やかな雰囲気を出そうと思います。網戸も新しいものに交換する予定ですから、メンテナンス後は相当気持ちよくなるはずですよ。家づくりは、新築時の計画や施工も大切ですが、その後のケアはもっと大切です。それを担うのはお客様自身であり、それをサポートしてくれる専門業者との二人三脚がなければ、長く快適に暮らしていくことが難しいですから、その覚悟と将来計画が必要とされます。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年04月14日
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輸入住宅の床材として、ブルース(Bruce)やロビンス(Robbins)のフローリングは定番と言っても過言ではありませんでした。今では国産でも輸入でもウレタン仕上げの床材しか見掛けなくなりましたが、今でも自然素材に拘る人は無垢のパイン材のフローリングに自然オイルを塗る仕上げをしますよね。ウレタン仕上げは、床材の表面を樹脂でコーティングしますから、コーヒーをこぼしても跡が付くことはありませんし、表面が傷付くことを抑えてくらますが、自然と木が呼吸することを妨げます。まあ、国産の合板フローリングは、木と言っても既に木としての機能は失われていますから、オイル仕上げにする意味はありません。ブルースのような床材は、オークの一枚板で出来ていましたから、WAX仕上げにすれば室内の温度や湿度を調節して、人間の生活に少なからずいい影響を与えてくれました。ただ、自然そのもののような素材ですから、長く家具を置いておくと置いていない日焼けした場所と色に違いが生じます。また、何かをこぼしたり汚れをそのままにすれば、そこだけワックスが浮いて白化したり色が染み付いたりしてしまうという問題も起こるのです。そういう時の対処方法について、お客様から質問を頂いたのですが、日焼けについてはそのまま放置しても長い時間を掛ければ馴染んでくると考えていいのですが、1年で元に戻るという程度ではありません。もしそんなに待てないというなら、油性のステインで着色して色合わせした上で、私たちが販売しているWAXの Dura Seal を塗って仕上げる方がお手軽かも知れません。白化や汚れの場合は、240番くらいの細かな紙ヤスリでその部分を剥がしてから、上記同様の手順でそこだけ仕上げるという方法を試して下さい。ただ、色合わせにはそれ相応の技術が必要ですから、木部塗装の専門家にやってもらう方が安心かも知れませんね。普通の塗装屋さんでやってもらえるかも知れませんが、木製品のオイル塗装に知識がある人は少ないですから、経験があるかをちゃんと聞いてからお願いして下さい。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年04月08日
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こちらは、アンダーセン(Andersen)社の4枚引き分けサッシの1枚を塗装しているところです。通常は掃出しサッシであれば2枚なんですが、中央の2枚が引き分けで両サイドの2枚がFIX(ハメ殺し)となった幅3mを超える大きな窓です。現在、その1枚のドアの室内側をパラペイントの木部防水塗料 ティンバーケアで二度塗りしている様子です。ローラー(戸車)が付いているドア下も当然防水塗装を行いますし、屋外側のガラスの防水処理も行いますよ。新築時にこうした輸入の掃出しサッシは、窓枠に装着された状態でおうちにそのまま取り付けてしまいますから、ドア下のような場所は防水塗装されません。今回は、不具合のあったサッシの交換用のドアということで、現場で交換作業を行う前に会社の倉庫でこうした塗装や防水処理を行えます。普通の輸入住宅ビルダーや修理業者さんであれば、交換部材を取り付けてから塗装をするだけですから、ここまで念入りに防水作業を行うことは出来ません。(尚、その分納品に時間が掛かりますよ)交換してしまえば全く同じに見えるでしょうが、木製サッシの将来の修理やトラブルを考えると、実は全然違ってくる仕事なんですね。だって、サッシやドアの下側が雨で腐ってくるなんてことは、よくあることなんですから・・・輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年03月31日
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こちらの部屋は、ペットの猫ちゃん用に後付けで造られたサンルーム。ガラス屋根からたくさんの光が入って冬でも温かな空間になっていますが、その分夏は暑いかも知れません。そんな部屋ですが、屋根と接している壁にはいくつもの雨垂れの跡が流れています。元々屋外となっていた場所に新たに屋根やドアを設置して部屋にした空間ですが、建物には何も触らずにそのままトン付けで屋根を載せているようです。ですから、外壁や屋根に付いた雨水が、そのまま伝って部屋の中へと入ってきているという感じです。こういう場合、応急処置としてコーキングなどで防水処理するということはありますが、物理的に雨の侵入を防ぐことは不可能です。屋根の上にある外壁を少しめくって、そこに鈑金などを入れ込んでそれを屋根の際の部分に被せることをしないと、雨仕舞をよくすることは出来ません。外壁も触ることになりますから、外装の塗り直しをする時にでもこうした一連の補修をした方がいいかも知れません。また、その際の足場を利用して、輸入サッシのペアガラスの防水処理も一緒にやりたいですよね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、家全般のチェックやアドバイスを受けたいので、現地調査を希望するという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年03月30日
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こちらは、高級輸入サッシ コルビー アンド コルビー(Kolbe & Kolbe)のステンドグラス入りケースメント(縦辷り窓)です。ペアガラスの中に金モールのステンドグラスが入れられていますから、20年前の当時は相当凝った造りの輸入住宅だったろうと思います。ただ、当時新築したビルダーは既になく、窓もずっと閉めっ放しという状態だったのか、メンテナンスらしいメンテナンスは全くされていない感じがします。そういう状況ですから、屋外側のアルミ枠とペアガラスとの間から雨水が入り込んで、室内側の建具木枠を腐らせてしまいました。また、木枠を伝ってペアガラスの内部にも水や湿気が入ってしまい、ステンドグラスを曇らせてしまっています。コルビー アンド コルビーというサッシ・メーカーは、名前を変えて今でもサッシを作っているようですが、古いサッシの交換建具を製作してくれるかどうかは直接聞いてみないと分かりません。また、お願い出来るにしても、納期や金額はそれなりになってしまいます。ですから、今回私たちは、ガラスはそのまま使わせて頂いて、木枠の一部のみを加工・製作して元の姿に戻す形を取るようにします。当然、木部の防水塗装やガラスの周囲などの防水処理も取り換える前に作業を実施するつもりです。(既存の塗料は、内装用のニスで全く防水効果はありませんし、外回りも新築以来そのままの状態でした)ただ、ペアガラスについては、そのうち交換するタイミングが来るでしょうから、その時は改めて建具をメーカーに再製作してもらうか、全く新しいアルミクラッド・サッシを窓枠ごと施工するか、どちらかやらざるを得ません。その時期を少しでも遅らせる為に、不具合のない他のサッシについても防水塗装や防水処理をすべきだと思います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年02月28日
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神奈川のお客様からハード(Hurd、現シエラパシフィック)社のダブルハング・サッシについて、修理のお問い合わせを頂きました。一見何事も問題ないように見えますが、上窓と下窓とが重なり合う「召し合わせ」と呼ばれる部分が黒く腐ってきているようです。お客様は、息子さんが窓を閉め忘れた時があって、それが原因で上窓建具の下枠部分の木が腐ってきたのではないかと後悔されていましたが、そういう状態では雨が木枠に当たることはありません。いつも言いますが、ガラスとアルミ枠とが接する部分やアルミ枠同士のつなぎ目部分の防水が切れて、雨水が中に侵入します。中に入った水が、徐々に木枠を内部から腐らせていきますから、すぐに表に現れない分、発見が遅れてしまいます。また、お客様はペアガラスの中が曇ってきているサッシが、2~3枚あるともおっしゃっていますから、同様の原因でペアガラスの中に水や湿気が入り込んでしまっているのは明らかです。この建具の不具合は、新しい建具を既存の窓枠に適合させる必要がありますから、窓の両サイドの樹脂製ジャムライナーを交換すると共に上下の新しい建具を挿入してやれば、元通りに戻ります。勿論、新しい建具は、木部を防水塗装して、ガラス周りも念入りに防水処理をしてから、交換を行わなければいけません。ペアガラスが曇ってしまったという窓は、ガラスだけを交換することが出来ませんから、同様に建具毎交換する必要があります。ただ、現状特に問題がないサッシがあるなら、将来問題が発生しないように、外側からガラス周囲を含めた防水処理を実施することをお勧めします。出来ればそれは、外部足場を設置する外壁塗装工事の際にやって頂きたいものです。(10年おきに定期的に行うのが理想です)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年02月11日
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グラスウールの断熱材は、水分や湿気が繊維の中に入り込むと断熱性能が極端に落ちてしまいます。それを防ぐ為に、ビニールの袋に入れて密封しなければならないということを以前記事に書かせて頂きました。私たちは、自然素材の羊毛やセルロースを断熱材として使いますから、ある程度の水分や湿気があっても吸放出することが可能です。ただ、ガラスの細かな繊維で出来たグラスウールは、そういう訳にはいきません。一度付いたらいつまでもジクジク留まってしまうのです。そういう特性を知っていればいいのですが、そういう勉強をしていない大工や工務店・住宅メーカーも多く、袋を破ってしまったり、場所の大きさに合わせてカットした状態で断熱材を入れる家も後を絶ちません。屋根裏は仕上げをしていないので、どういう施工をしているのかがよく分かりますが、ご覧のようにこの現場は中のグラスウールが露出してしまっています。つまり、外壁用に張られた断熱材も同じような施工をされていますから、壁体内結露や雨漏れなどを起こしているケースでは、せっかくの断熱材も意味がなくなってしまう恐れが生じるのです。そりゃ、いちいち袋をテープで密封していれば、それだけ時間も手間も掛かりますから、安い契約や賃金でそこまでやろうとは考えない訳です。価格を比較して安い方と契約をするというのは、一時の満足にはなりますが、実際には見えない部分で損をしている、手を抜かれているということを忘れてはいけません。資本主義という世界では、安くていいものというのは幻想でしかありません。いいもの、いい施工を家づくりで期待するなら、見積で判断するのではなく人や企業の理念や信用で判断すべきです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年02月10日
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昨年、家の妻壁の高い処に付けられている飾りの換気ガラリについて記事を書かせて頂きましたが、その時は家の外から見た状況で雨漏れのリスクのお話をさせて頂きました。その時は、もしかしたらという想像の域で書かせて頂いていたのですが、その確信を得る為に先日外から写真を撮ったおうちの屋根裏に潜入してきました。狭くて入りづらい点検口からどうにか体を入れて、広い屋根裏空間に入った瞬間、遠くから光が来るのが分かりました。その方向を見ると、換気ガラリの大きさに合わせて、構造用合板が丸くくり抜かれていました。やはり、単なる飾りのガラリではなく、通気を目的にした換気ガラリであることがはっきりしました。換気ガラリの裏には、虫除けの細かな金属メッシュが張ってありますが、台風のような強い雨風が吹けば、必ずここから雨が入り込んでいたはずです。幸い構造材の木や敷き詰められたグラスウールの断熱材は、乾いている状態でしたが、何ら雨仕舞がなされてはいませんから、たくさんの雨水が下の階の天井や壁に落ちてくるのも無理はありません。ここの建築会社で輸入住宅を建てたという皆さんは、強い風で雨漏れがするということで困っていらっしゃるでしょうね。また、こういうことに気付かずに、雨漏れは外壁のせいということで塗り替えだけを念入りにしている場合もあるかも知れません。勿論、そんなことでは雨漏れを解決出来るはずはありませんから、何度も何度も高いお金を掛けて修理を繰り返すんでしょうね。(但し、複合的に外壁にも不具合があるケースもあります)原因とそれへの対応を誤れば、いつまでも悩まされるだけですから、お金を掛けてでも輸入住宅を熟知した専門家を見つけることが重要と思いますが、如何でしょうか。<関連記事>: 換気ガラリは、飾りだけ? (2018年10月19日)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年02月09日
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愛知県のお客様から窓メーカー不明の台形出窓(ベイ・ウィンドウ)に付いているケースメント・サッシのロック金物が破損したので手に入らないかという相談を頂きました。ご覧のように、レバーが根本からポッキリと折れてしまって鍵が掛けづらくなっています。こちらの金物は、鋳物で作られていますから、非常に硬い分、強い力や衝撃に弱いという特性を持っています。恐らくこのサッシの鍵が徐々に掛けづらくなってきて、どうにかロックを掛けようと、思いっきりレバーを下に降ろしたらポッキリ折れてしまったという感じではないでしょうか。こうなると、ロック金物自体を新しいものに交換する以外に修理する方法はありませんから、アメリカに部材を注文することとなります。ただ、この金物を交換すれば、問題は解決するのかという疑問は残ります。つまり、何故このロックが掛けづらくなったのか?という原因を解決しない限り、また同じトラブルが起こるはずです。ケースメント・サッシは、オペレーターと呼ばれる開閉金物によって窓を開け閉めするのですが、可動する建具(障子)を支える為に窓の上下にウィンドウ・ヒンジと呼ばれる部材が取付けられています。このヒンジ金物が長年の使用で曲がってしまい、建具の水平・垂直や適正な位置が本来とはズレてしまっている可能性がありますし、雨や湿気に曝されて木製の建具が歪んできているということも考えられます。そうなると、建具が窓枠に十分引き込まれなくなり、ロック金物と建具との距離が離れてしまう状態となります。それによって、通常軽く操作出来るロックが、力を入れて無理に操作をしないと建具が閉まらなくなるということになります。ロック金物のレバーが折れたということは、原因に対する結果であって、その原因を窓調整で解決しなければ、何度も交換を余儀なくされるかも知れませんよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年02月08日
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2階のバルコニー周辺から雨漏れして、下の階の部屋の天井や壁に大量の雨水が落ちてきたという話は、珍しくありません。それは、輸入住宅に限らず国産住宅でもよくある話です。つまり、その原因は輸入の資材に拠るものではなく、雨仕舞といった施工上の問題であることが多いからです。そう、いくらいい素材のものを使っていても、それ自体やその周辺の施工方法・手順に間違いがあると、家にトラブルが発生するのです。ベランダは、その構造上雨が溜まりやすく、風のバルコニー内で巻き上がるケースが多く見受けられる為、弱点になる場所を予め意識してそういった場所の防水処理を行う必要があります。また、新築時にそういった施工を行っていても、経年劣化で防水部分に穴が明いたり、割れが生じたりすることもありますから、何年かに一度点検補修・メンテナンスを行うことを怠ってはいけません。写真のおうちの場合、バルコニーの床に施工されたFRP防水には問題がなさそうですが、その立ち上がり箇所や外壁下端の水切り材の施工、掃出しサッシの周囲の防水処理、バルコニーの手摺壁の雨仕舞やバルコニーに接する屋根との取り合いなど、リスキーな納まりをしている場所が多数見受けられる状態でした。この状態では、水をそれぞれの箇所に掛けるなどして、雨漏れ試験を実施しない限り、雨漏れ箇所の特定は難しいかも知れません。一箇所だけのことならいいのですが、複数の不具合が連動して起きていることも考えられますから、なかなか手間の掛かる仕事になりそうです。雨漏れは構造を腐食させる恐れがありますから、出来るだけ早めに対処するようにしたいものです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年02月05日
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今でもそうかも知れませんが、私はグラスウールを施工しないので、輸入の断熱材が昔こうだったということしか分かりません。昔の輸入のグラスウールは、クラフト・ペーパーと呼ばれる油紙のようなものが表面に張り付けてあるだけのものでした。この紙が断熱材を湿気や水分から守る役目を果たしますが、グラスウールを包んでいる訳ではありませんから、湿気をシャットアウトすることは出来ません。ですから、湿気や水分が多いような空間を断熱するには不向きと言わざるを得ませんが、そういうことを考えずに施工したビルダーの何と多いことか・・・。屋根裏空間にグラスウールを施工すると、温かい空気と一緒に湿気も上がってくる場所ではクラフトペーパーがカビてしまいます。当然、グラスウールに水分が付着して断熱性能が極端に低くなります。こういう空間に丸出しのグラスウールを使うのであれば、隙間なく断熱材を施工した上で、ビニールシートのベーパーバリアを表面に張って、湿気が断熱材に入らないようにしなければなりません。ただ、十分な工賃をもらっていない未熟な大工は、そんな気遣いをしないで適当に施工したのだと思います。屋根裏は部屋として利用しない限り人目に触れることがありませんから、いい加減に作業をしてしまうなんてことはよくあります。クラフト・ペーパーは破れてもそのまま、空調ダクトで隙間が出来ても気にしない。こんな状況で断熱・省エネが完璧だなんて誰が思うでしょう。せっかく密度が多く断熱性も国産のものよりもある輸入のグラスウールを使うのであれば、相応の施工をしなければ意味はありません。さて、皆さんの輸入住宅はどうなっていますでしょうか。一度小屋裏に上がってチェックしてみるのもいいかも知れませんよ。因みに、国産のグラスウールでもビニール袋を破って(カットして)そのまま施工している形では、同じように意味はありません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年02月01日
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お客様からペラ(Pella)のアルミクラッド・ケースメントが腐ってきたので、相談に乗って欲しいという問い合わせを頂きました。ご覧のように建具(障子)の下端の木部が黒ずんで腐ってきている。状況からして、横殴りの強い雨風があった後でも窓を開けて乾燥させるといった対応を取っていなかったということも考えられるが、それに加えて外部のアルミ板とガラスとの境い目から水が侵入したということも原因だろう。ただ、このサッシは、通常のアルミクラッド窓とは違う特徴を備えている。それは、写真にある通気の為の部材が装着されているところだ。実は、このサッシは、ペラの中でも高級なデザイナー・シリーズと呼ばれる窓で、室内側のガラス障子が取り外せる仕組みになっている。つまり、ペアガラスのように空気層を設けて2枚のガラスを張り合わせるといった構造ではなく、2重サッシのようにそれぞれのガラスが独立した形でサッシに組み付けられているタイプなのです。(ペアガラス+取外しが出来るガラス障子といった3枚ガラスの構造のタイプもあります)このタイプのサッシには、2重ガラスの間に溜まった湿気(結露)を外に排出しる為の通気孔が設けられています。ただ、いつも窓を閉め切った状態では、この穴から外に出た室内の水分が建具と窓枠との間に滞留することになり、反って木を腐食させるというケースも考えられます。特に今のような冬場は、室内が乾燥しないように加湿をしますから、冷たいガラスの付近では結露を起こす状況が顕著になります。窓を常に開けることを前提に考えられた仕組みなのでしょうが、そうしないことで起こるトラブルまでは想定外であったのかも知れません。取り敢えず、腐った建具は交換しなければならないかも知れませんが、こうしたことが起きないように、外部の防水処理や木部の防水塗装に加え、雨後の窓開けをするといった暮らしの改善をして頂くようにお願いしたいと思います。(尚、外部の防水処理や木部に防水塗装を行っている輸入住宅は、殆どありません)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年01月30日
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昨年12月にヤマハ製の木製玄関ドアの塗り直しを行いました。お客様から請け負ったリフォーム屋さんが、外壁塗装を行う前か後にドアの塗装をして欲しいというリクエストで、私たちは外壁塗装の工程に合わせてどの時期でも作業は可能ですとその前にお伝えしました。そこで、お客様とリフォーム屋さんとが協議をされて、外壁塗装の前にドアの塗装をしてもらおうということになり、私たちが作業を行ったというものでした。ただ、今年の1月に外壁塗装が完了して、玄関ドアに外壁用の塗料が付かないようにドアにビニール・カバーをして養生してあったのを剥がした際に、せっかくのドアの塗装も一緒に剥がしてしまいました。ご覧のように、木の下地まで一緒に剥がしているといった状況ですから、ガムテープのような接着力の強い養生テープを使って、ビニールシートを張ったのではないかと思います。木製の家具を養生する時もそうですが、木への塗装は非常にデリケートな施工が行われますから、マスキング・テープのような紙のテープを下張りしてから、その上に養生テープを張るという気遣いが必要です。そういう基本的なことをやらずに、直に養生テープを張るとこういうことになってしまいます。(今回は、塗膜だけでなく、下地の木の表面から持っていかれた感じです)木製のものへの塗装について、もう少し知識や経験がある職人さんであればこんなことにはならないのでしょうが、塗装仕事が少なくなってきている建築現場ではそういう人も減っているということでしょうね。ここまでになってしまった玄関ドアですが、こういう場合は補修とかタッチアップとかで直すというレベルではありません。塗装を全体的に剥がすなどして、最初から塗装の工程をやり直すしか方法はありません。輸入住宅で輸入ドアをお使いの皆さんは、どうぞ気を付けて塗装工事を行って下さいね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年01月27日
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輸入サッシに限らず、ペアガラスが一般化してきた日本の住宅。ペアガラスは、断熱性を高めて室内の快適さを確保するという点では素晴らしい素材ではありますが、それに伴う新たな問題が生じています。何の問題もなく性能が上がれば越したことはないのですが、そんなに虫のいい話はないのが現代社会です。ペアガラスの長所でもあり弱点でもあるのが、ガラス内の気密性。ペアガラスの周囲をスペーサーで囲んで中の空気を閉じ込める構造ですが、経年劣化で僅かな隙間を生じてしますことがあります。そうすると、中に雨や湿気が入り込んで抜けなくなり、ガラスを曇らせたりスペーサーを錆びさせたりするのです。こういうことはシングルガラスではあり得ないことでしたが、ペアガラスでは避けられない問題であり、交換以外には解決する手段はありません。次に問題となるのが、ペアガラスの熱割れです。ペアガラスにすることで、室内と屋外、ペアガラス内の空気に温度差が生じます。それが急激だったり大きかったりすると、ガラスの膨張や収縮で突然割れてしまうというのが熱割れ現象です。それを更に増長させるかも知れないのが、ガラスに張られた装飾用のフィルム。目隠し用のものやステンドグラス風に飾るタイプなど様々ですが、ガラスの動きを阻害して逆に割れを生じさせたりすることもあるようです。(環境に左右されるので、割れると一概に断定出来るものではありませんので、ご注意を!)こういうことを抑える為には、屋根の軒を長くして直射日光や雨が窓ガラスに直接当たらないように工夫したり、室内の温度を一定に保ち急激に上げたり下げたりしないようにすることも有効だと思います。また、目隠しや飾りを考えるなら、カーテンを付けたり絵や写真を飾ることも考えてみましょう。ペアガラスの内部結露対策としては、10年おきくらいにガラスやサッシフレームの周囲を防水処理をすれば、そのリスクは低減するはずです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年01月06日
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国産サッシで最もよく使われる窓と言えば、左右に窓を開け閉めするタイプの引き違いサッシ。輸入サッシでもスライダー(グライダー)という言い方で、引き違い窓が存在しますが、片引きと言ってどちらか片方の窓だけしか開け閉め出来ないというのが一般的。これは、掃出しサッシと同じで、習慣上人はどちらか片側しかサッシを開け閉めしないということを考えて、防犯性も高めようとしたからなのです。さて、そんな輸入の引き違いサッシですが、写真は可動側の建具(障子)の下端をクローズアップしたところです。白い下枠レールの上に、ガッチリ建具の溝がはまり込んでいるのがよく分かります。輸入の掃出しサッシの場合は、レールの上を走るローラー部品が付いているのですが、アルミクラッドのスライダーには付いていないことが殆どです。その為、滑りをよくする目的でレールの表面を樹脂のカバーで覆って、摩擦抵抗を少なくするようにしています。そうすることで、窓の気密性もよくしている訳ですが、開け閉めしにくくなるスライダーは後を絶ちません。その原因は、レール等の掃除を怠ってゴミや汚れが溝の部分に付着してしまうということもあるのですが、サッシの取付け方法に問題があって、建物の重量がサッシの上に圧し掛かってしまっているということもよくあります。上からサッシに力が掛かれば、窓枠が押され建具も押されます。そうなると、建具とレールとの間に遊びがなくなり、スライドすることが難しくなるのです。そうなってしまうと、サッシの下地の状況まで改善しなければなりませんから、直すには相当の面倒が掛かります。どんな施工をするかは、新築の見積書には書いてありません。家づくりは価格で決めるのではなく、会社の家への取組み方ややっていること、やってきたことをどれだけ細かく皆さんに情報公開しているかで判断すべきではないでしょうか。表面的にきれいに繕われたホームページやパンフレットは、家づくりの本質的な部分を見えなくする道具かも知れません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2019年01月05日
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愛知県愛知郡の輸入住宅にお客様の掃出しサッシです。南側に面していた為か、強い雨風に曝され劣化の進行が早く進んだ感じのようです。元々サミット(Summit)というメーカーのサッシは、雨仕舞が弱く雨漏れや結露といった不具合が起こりやすいといった特徴がありました。そんなサッシですから、台風の強い雨が当たりやすい南や東側の場所にある窓は定期的な防水メンテナンスを怠るとどんどんダメになってしまうのです。恐らく、建具ドアのアルミ枠とアルミ枠とのつなぎ目やペアガラスとアルミ枠の接点といった部分から、雨や結露が侵入したと思います。そうした水分によって、アルミでカバーされていた木部が徐々に腐ってしまい、中からボロボロになったという状況でしょう。輸入のペアガラスは強化ガラスで出来ていますから、相当の重量があります。その重さに腐った木枠が耐えられず、ガラスが下に下がってきて屋外側のアルミ枠を外へ押し出した格好です。こうなってしまったら、一旦FIX側のドアを外して木枠を新しいものに交換した上で、アルミ枠を元に戻すという方法か、サッシ自体を新しいものと入れ替えるかしか方法はありません。ただ、サミットというサッシは、構造的に雨や結露に弱いという欠点がありますから、出来ればサッシ全体を交換した方がいいように思います。恐らく今回は予算がないということで、木枠部分を交換補修することとなりますが、将来的には根本的な交換修理が必要となるはずです。何れにしても、このまま放置すれば、ペアガラスがサッシから脱落することは時間のもんだいですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年12月20日
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湯気や湿気が充満する浴室に設置された輸入サッシ、マーヴィン(Marvin)のケースメントを交換してきました。新しい建具(障子)は、防水処理をした上で無事窓枠内に納まりました。そして、写真の建具が外してきた古い建具です。トラック・レールやウィンドウ・ヒンジは錆び付き、アルミクラッドの木枠は腐って脱落寸前でした。問題の第一は、木製のサッシを浴室のような場所に採用したことです。そういう非常識な設計や施工が行われていたということが、輸入住宅ブームを終わらせた原因かも知れません。次に問題なのは、木部に適切な塗装がされなかったこと。内装用の塗装をしたり、木部には不向きな油性塗料を塗っていたり、不適切な施工が木製サッシをこんな状態にしたと思います。最後には、メンテナンスをしてこなかったこと。建築会社もお客様も輸入サッシに十分な知識がなく、常に窓を開けて乾かしたり、水滴等を拭き取ったりするという日頃のケアがされていなかったことも大きいでしょう。輸入住宅は、自然素材のいいものが使われているということを忘れずに、常に気を遣ってあげるという気持ちを持って頂きたいと思います。そうすれば、100年という年月が経っても財産として生き続けてくれるはずですから・・・。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年11月28日
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スチール製の勝手口ドアの塗装の相談を頂きました。ピーチツリーなどのドアの場合、ドアの上端や下端から雨水や湿気がドアの内部に侵入してくることがよくあり、ドアの中から錆が浮いてくるというトラブルが発生します。これを防ぐ為にはドアの上端や下端を塗装したり、隙間を埋めるといった防水処理をしてやる方法や、ドアを雨から守る庇(ひさし)を付けてやることをしなければなりません。ただ、ドア本体以外にも劣化してくる部分があります。それは、屋外側のドア枠(ブリック・モールディング)。古いドア枠は木製であることが多く、それにも拘わらず木部用の防水塗料が使われていないケースが殆どです。ですから、木が呼吸をしようとして塗装を剥がし、塗装に細かな亀裂が出てきます。そうした部分から雨水が木に浸透し、そのうち木を腐らせることとなります。次に問題なのは、木のドア枠が勝手口台のコンクリートの土間に接していたり、ドア枠がコンクリートに埋め込まれて固められていることもあります。コンクリートは水を通す性質がありますから、その水がドア枠を徐々に襲ってきます。また、表面張力が働いてドア枠の下端に水が溜まるなんてことにもなるのです木製ドア枠は、床面から数センチでも上げて装着し、常に乾燥した状態を作ることこそ長持ちの秘訣です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年11月17日
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こちらは、マーヴィン(Marvin)社のアルミクラッド・サッシの交換用建具(障子)。外はアルミ板で覆われていますが、写真に写っている面は室内側の木製フレームです。この新しい建具に交換するはめになったのは、お湯や湿気の当たる浴室の窓としてアルミクラッドの木製サッシを使った為でした。木部に白い塗装はされていましたが、当然防水性のある塗料ではなく、またお風呂を使い終わったら、サッシを開けて乾かすという習慣もありませんでした。 ですから、10数年で建具は腐り、金物も外れた状況になりました。今回、私たち ホームメイドは、屋外側のアルミのつなぎ目やガラスとアルミとの接点部分を防水処理した上で、室内側の木部もパラペイントのティンバーケア(白)で防水塗装を施しました。そして、次にマスキング・テープを張って、ガラスの周囲や木のつなぎ目にコーキング等で防水処理を施します。勿論、浴室の湿気がいつも充満している処に使うのですから、カビや湿気に強いタイプのものを使います。ここまで手を掛けて準備する輸入住宅ビルダーは、なかなか日本にいないかも知れませんね。でも、ここまでやるからリスクを最小限にして、長年の使用にも耐えられる輸入住宅が造れるのだと思います。(本当は、サッシを窓枠毎外して、樹脂サッシに変えてしまうのが一番だとは思いますが、お客様の思いもありますから柔軟に対応しなければなりません)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年11月09日
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先日、現地調査を行ってきた輸入住宅の外壁です。建物の東面に多く見受けられるのが、縦ラインで入った細長い割れ。至る処に入っていましたから、お客様自身もコーキングなどを使って補修したようですが、見えないような小さなクラックもあるでしょうから、全て補修するのは無理だったと思います。このおうちは、スペインの家を再現するというコンセプトだったらしく、屋根の軒は殆ど出ていないばかりか、新築当初雨樋も付けられていなかったということですから、外壁や窓は雨ざらし。 それはあまりに酷いということで、雨樋を付けて頂いたそうですが、竣工前から施工業者とはうまくいかず、結局今までメンテナンスらしいことはあまりやってこなかったとのことでした。外壁の塗り壁材には、タナクリームという素材をモルタル下地の上に塗っているようですが、恐らく外壁の通気層も全く取っていない状態で、防水シートの上にラス網を無数のタッカーで留めてあるのだと思います。そういう状況では、折角の防水紙が穴だらけですから、外壁の中に雨水が入る状態では、構造部分にも雨漏れをしてしまっていると思います。ですから、サッシの周囲に回している飾り枠のケーシング部分から、室内への雨漏れがダイニングやキッチンで発生しています。実は、塗り壁材のタナクリームは、本来内装用として使うべき素材で外装に使うにしても雨には当てないように指示があるものなんです。それが、軒が殆どない家の外壁全体に塗ってある訳ですから、不具合が起こるのは必然的かも知れません。当然漆喰に近い素材で伸び縮みに追随出来ないという特徴から、温度や湿度の変化や地震の揺れなどによってクラックが入りやすいものであることも施工業者は注意すべきでした。既にその住宅会社はありませんから、今更文句を言うことも出来ませんが、倒産すべくして倒産したのかも知れません。何れにしても、下地が悪ければタナクリームでもスタッコフレックスでも割れるのです。外壁は一旦剥がすなどして、下地からちゃんとした施工をすることをお勧めしたいと思います。それにはある程度の費用が掛かってしまうかも知れませんが、長い目で見たら今費用を掛けたことが後々の維持につながっていくはずだと思います。拘りやお金を相当掛けて新築したおうちは多いですが、間違った材料と間違った施工をしては、それを生かすことは出来ないのです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年10月24日
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今日、一宮のお客様の輸入住宅にお邪魔して、外装の塗り直しと雨漏れの調査をしてきました。随分長い間塗り替えをしていなかったおうちですから、いろいろ傷みが出ているのは仕方ありません。ただ、大雨や台風の時に滴り落ちる程の水が天井から出てきたとあって、単なる結露による水漏れではなさそうです。写真をご覧頂くと分かりますが、雨染みが天井の中央辺りに出来ています(少し黒いのは、カビの一種ですね)。 2階は、丁度この辺りまでバルコニーが載っていて、染みのところが2階の外壁ラインになっています。(専門用語では、セットバックと言います)ですから、最も疑われるのが、2階のバルコニーへ出る為の掃出しサッシ周辺です。今日は、雨が入っていそうな部分にホースで水を掛けましたが、すぐには天井に出てきませんでした。少し時間が掛かるとのことでしたから、後日様子を伺って推測が正しかったかどうか検証しなければなりません。こういう時は、思い込みで予断をしてしまうのが一番危険です。勿論、これだと直感出来る場合もありますが、自然は意外と手ごわいものです。思いもつかぬところから雨が侵入していたなんて話は、よくあることなんです。また、室内の暖かな湿気がベランダの床下に入り込んで、それが冬の冷気で冷えたベランダの表面近くで結露するということもあり得ることです。ただ、それは冬の話であって、夏や秋の強い風雨の時ではありません。あと、廻り子を回してある天井の周囲や壁のコーナー部分も温度が低く水を含んでいるような気配がありましたから、その点も原因を突き止めないといけません。もう少し水掛け試験を実施して、どこから入り込むかを慎重に探さなければいけないかも知れませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年10月21日
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家の妻壁にカマボコ型や丸型デザインで取り付けられている換気ガラリ。英語で言えば、ゲーブル・ルーバー。換気ガラリと言っても、私たち ホームメイドが使うのは換気機能がない単なる飾りのものを使います。とんがった妻屋根の下にこうした飾りが付いていると、アメリカンな感じがしますよね。本来の目的は換気ですから、家の屋根裏空間に籠った熱や湿気を逃がす役割があるのですが、鎧戸状になった形状では、強い雨風の際には逆にそこから雨が入り込む恐れが生じます。 そういうことを知っていればいいのですが、とある輸入住宅ビルダーの建築した建物では屋根裏の通気が出来るように、実際に換気が可能なガラリが付けられているのです。多分、その建築屋さんの家の全てで、換気機能付きのものが付いているでしょうから、屋根裏からの雨漏れが発生しているように思います。実際に私もう屋根裏に上がって状況を見ましたが、壁の内側を濡らす程の量が入り込んでいたのです。屋根裏は、通常では部屋として利用しないでしょうから、雨漏れに気付くことはすぐにはありません。相当雨が入り込んで、2階の壁や天井に雨染みが付くか、カビが出てくるかして、初めて雨漏れに気付くのです。最初は屋根からの雨漏れを疑うのでしょうが、そうではない場合は妻飾りや屋根の軒裏からの漏水もチェックして下さい。ただ、屋根裏空間の換気を取らないで、ガラリだけを塞いでは別のトラブルが起こりますから、注意が必要です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年10月19日
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先日、作業をする為の資材を買いにホームセンターへ行きました。マスキング・テープや梱包用テープ、網戸交換の道具などを購入したのですが、そんな時目に留まったのがグラスウールの断熱材。ビニールの袋に詰められて、掛布団のように丸められた形でたくさん積まれています。私たちは、セルロースや天然ウールといった自然素材の断熱材しか使いませんから、こうしたものを記事に取り上げることも殆どありません。 ただ、多くの住宅メーカーや工務店は、自然素材の断熱材なんて全く使いませんから、グラスウールは皆さんにとって馴染深いと思います。グラスウールは、柔らかい綿のような手触りですから、一見気持ちいい素材のように思うかも知れませんが、元々ガラスという素材ですから、細かなグラスウールの繊維が服に付いたり、体に付いたりすると肌を刺激してチクチクします。そして、喉や鼻に入ってしまうと咳き込むこともしばしばです。また、ガラスですから水や湿気を吸うということもありません(表面張力や毛細管現象でグラスウールの表面に留まるだけです)。そういう状態になると、グラスウールの断熱性能は急激に低下してしまいますから、壁の中に水や湿気が入らないようにべーパーバリアというビニールシートを張って壁の中を窒息状態にするのです。勿論、完全な気密空間を作ることは難しいですから、中に入れるグラスウールもビニール袋に入れて口を塞がなければいけません。でも、壁の柱材は間隔が狭い場所や窓等が途中にあって、断熱材の袋をカットしなければばならない状況も存在します。そういう時は、大工さんが袋ごとグラスウールをカットして壁の中に入れていくのですが、カットした部分をそのままにして切りっぱなしというケースが殆どです。そういう状況にすると、壁体内結露が発生した場合、グラスウールに水分が滞留し乾燥した状況が失われますから、断熱性能が落ちるばかりか、カビやシロアリなどの繁殖を促す恐れも生じます。また、水を吸うと重くなりますから、ホチキスで留めたビニールが外れて、壁の下の方に脱落してしまうことも多いのです。安くて手軽な素材ですから、家をお値打ちに造るということには貢献しますが、ちゃんと施工しないと断熱性や健康にも影響が出ますから、気を付けたいものですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年10月17日
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台風で屋根材が飛ばされ、輸入サッシや外壁からも漏水があったお客様と、今後の計画について昨日打合せをしてきました。施工上のミスや選定した材料の特性、新築後のメンテナンスがうまく出来なかったといった複数の要素が重なったことと、強烈な台風の襲来といった自然環境の変化が今回不具合を起こした原因でした。お客様もこうした状況を不安に感じられているようで、思い入れを持って輸入住宅を建てたけれど、こんなことになるなら国産住宅で建てた方がよかったのだろうかとも考えておられました。ただ、屋根材が飛んだのは、釘打ちの位置が少し違っていたこともありますが、強烈な風の影響が主な原因と考えるべきでしょう。また、外壁からの漏水が疑われるクラックは、国産の塗り壁材の特性と施工の問題であって、輸入住宅だからという話ではありません。確かにアルミクラッド・サッシの木部が腐ってきているという問題はありますが、これも施工した工務店が防水の問題を正しく理解していなかったことと、適切なメンテナンスが行われてこなかったことが原因であって、このサッシの構造的な欠点は2次的な要素だったと思います。そういう意味では、材料選択・仕様・施工についていささかメンテナンスという部分に問題があったのであって、輸入住宅そのものに欠陥があるという訳ではないと思います。つまり、国産住宅を造っている大手住宅メーカーの家でも材料の特性を知らないで使用したり、設計上の問題を考えないで施工したり、間違った施工方法で家づくりをすれば、同じようなトラブルが発生しますし、実際そういった事例はNETを検索すればいくつも出てきます。ということで、お客様から私共の方にご相談を頂いたのですが、打合せの際に「ホームメイドではどういった職人や大工を使っているのか」というご質問を頂きました。私共は、輸入住宅という建物を新築・修理している関係上、輸入材を知らない下請けの職人や大工はお願いするのが難しいので、いつもお願いしている慣れた人にお願いしていますという回答をさせて頂きました。ただ、ここで気になるのは、新築時はまだしも他社が施工した家の修理メンテナンスする際は、既存の施工を見極め、不具合の原因とそこの現場に一番合った解決方法を取る必要があるということです。その現場にいくら腕のいい大工や職人を投入しても、使う材料の選択が間違っていたり、間違った施工の仕方や手順を指示したりすれば、それを正確に忠実に実行するのが彼らの役目です。勿論、腕のいい職人さんたちは、施工に最善を尽くすのですが、その根本が違っていれば、返ってそれがあだとなります。例えるなら、オーケストラを考えてみて下さい。いい演奏家を揃えても、いい指揮者がいなければいい音楽を奏でることは出来ません。指揮者が楽器の配置や演奏する人間の特性を考え、そこに指揮者が考える曲の概念やイメージとなるよう指導します。カラヤンや小澤征爾が指揮をするというだけで、コンサートに人は集まりますが、オーケストラや演奏家の名前は指揮者の名前程影響を与えません。(そうでない場合も、勿論ありますが・・)舞台演出のあの蜷川幸雄も、名前だけで満席でしたよね。高校の吹奏楽部や素人同然の役者を使っても、見事に作品を作り上げてしまうのは、指導者の実力と考えるべきでしょう。つまり、職人がいいに越したことはありませんが、そうした職人を上手にリードして、適切な材料で思い描いた修理計画を実行していくプロデューサーやディレクターの存在が最も大切であり、それが誰かによって仕上がりは大きく変わるように思います。家づくりでは、設計士や現場監督がその役割を果たす場合もありますが、大手を含めて質の高い人間はそれ程多くないというのが実情なんでしょうが・・・。因みに、ホームメイドでは私(村瀬)が原因調査から材料・職人の選択、計画の立案から施工まで全てを行う形を取っています。家づくりには、資材や施工に関する広い知識や深い経験だけでなく、センスや気遣い、コミュニケーション能力が必要ですが、そういう人はなかなか現場にはいないんです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年10月14日
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昨日は、輸入資材を販売しているオスモさんが主催された雨漏りセミナーに伺ってきました。輸入住宅・国産住宅を問わず、家の雨漏れは多く発生しています。日本人の生活の変化や多様化、地球温暖化による強風・豪雨の頻発や夏の高温多湿、冬の豪雪や低温といった環境変化に建材メーカーや施工者たるビルダーも対応しきれていないとも言えます。そんな中、私以外にもこうした問題に正面から対処しようと試みる人はいるようです。いや~、勉強になりました。窓周りの開口部や外壁、そして屋根や軒との取り合いといった部分は勿論ですが、陸屋根(傾斜のない平らなパラペット・屋根)やベランダでも雨漏れによる構造の劣化は見逃せません。実際、私もここ1年の短い期間だけで何軒もバルコニーの床や手摺壁に問題を抱えたお宅を見てきました。バルコニーの壁の中に通気層を取っているにも拘わらず、その空気の出口や雨水を逃す排水の仕組みがない家もありました。また、そういった通気層を取らずに、防水シートの上にサイディングやモルタルを直に施工した直張りの構造は非常にリスクが高まることを全く知らない建築業者や設計者も多くいます。写真の日経ホームビルダーの表紙にも、バルコニーの手摺の上に付ける笠木を外した状況の写真が写っていますが、防水紙や捨て貼りされたサイディングの下の木がカビたり腐ったりしているのです。つまり、手摺壁の笠木部分は、通気の仕組みが必要ですし、壁に垂直に張る透湿性防水シートや吸水性のあるコンクリート製のサイディングを手摺の上に張ってはいけないということを暗に示しています。そういった問題点があるにも拘わらず、そうした施工を続ける施工者がたくさんいるし、その解決方法を知らないで単に現状復旧して終わりにするリフォーム業者ばかりです。やはり、原因と対策を明確にして、しっかりとした修理計画を立てるようにしないと、やっつけ仕事で直ったふりをするだけになってしまうと思います。確かにお金を出来るだけ掛けたくないという気持ちも分かりますし、安い業者がいればそちらでやってもらうというのが人情ですが、高い業者と同じ仕事をするかどうかは疑わなければいけません。愛着のある家に長く住みたいと考えるなら、しっかりした知識と経験のあるビルダーかどうかを見極め、ずっと面倒をみてもらうような関係を築くことこと重要かも知れません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年10月13日
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こちらは、アンダーセン(Andersen)社製のスライディング・パティオドア(掃出しサッシ)の室内側の写真です。今回、お客様から雨漏れの相談を頂きました。先日の台風の強い雨風で、サッシの上端から雨が室内に侵入してきたというものでした。写真を頂いただけなので、はっきりと侵入箇所が確定した状況ではありませんが、木製ケーシング(飾り枠)とサッシ本体との隙間から雨が入っているのかも知れません。もしそうだとすると、サッシそのものが雨漏りしているというより、構造体とサッシとの間に明けられた遊びスペースから雨が入ったというのが、論理的でしょう。ただ、そういったスペースから雨が侵入することを防ぐ為に、ネイルフィンの上から防水用のブチルテープを張ったり、そのテープの上から透湿性防水シートで覆ったりして、雨が入らないようなハードルをいくつも設けるのが普通です。(防水シートは、ネイルフィンでサッシを取り付ける前にも構造体を覆っています)こうしたことは、私たち ホームメイドが施工する時のやり方ですから、全ての住宅メーカーや工務店が同じように行っているとは限りません。ですから、施工手順に間違いがあったり、手順の一部を省略したりしていれば、雨漏れのリスクが発生します。また、サッシ周りの防水処理は、雨の侵入を防ぐ最後の砦ですので、窓上の外壁材の割れや屋根や小屋裏から水が下に伝ってくるなどの構造的な問題がある可能性も大きいと言えます。あと、特殊なケースですが、サッシの周囲に取り付けられているネイルフィンが何らかの原因で外れてしまい、そこから水が入ってきたという不具合も見てきました。(ですから、ネイルフィンとサッシ本体とのつなぎ目までブチルテープ等で覆ってやることが必要ですが、ネイルフィンを本体の一部と思っている施工業者だとネイルフィンの上だけしかテーピングしていないように思います)こうした雨漏れは、サッシそのものが雨漏れしたというよりは、その周囲の問題によって引き起こされたと考えるべきです。つまり、輸入サッシだから雨漏れしたというのではなく、国産を含めたどんなサッシでも、施工の不具合によって雨漏れは発生するのだということを心しておかなければなりません。もしサッシの周囲から雨漏れしたというトラブルが起きたら、どこから水が侵入したのか、外壁を含めて周囲の状況はどうか、上の階の部屋に雨漏れはないか、などをチェックした上で、サッシや外壁を非破壊検査することをして下さい。調査の為に拙速に外壁やサッシを壊してしまうと、必要のない復旧工事までやらなければならなくなりますから・・・。そういった意味では、専門知識のあるプロのビルダーに相談すべきかも知れませんよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年10月10日
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今日は、アンダーセン(Andersen)社製ダブルハングのメンテナンスの調査の為に、お客様の輸入住宅に伺いました。長年メンテナンスをお願いする先がなかったということで、窓もいろいろ修理や交換すべき箇所がいくつもありました。上下の建具の交換や網戸の張替え、全てのダブルハングのバランサーの交換と盛りだくさんの内容でした。それでも、何とかしたいという思いがいつもあって、掃除をしたりガラスを拭いたりはして頂いたそうで、まだ何とか直せるレベルに納まっていましたから、よかったです。家を何とか維持していきたいという気持ちが、やはり一番大切です。家の調査が一段落して、奥様と少し談笑させて頂いた折に、サッシの下側に何か付いているんだけど、あれは何ですか?という質問を頂きました。窓の外側のそれも下の方に何か付いていたかなと不思議に思い、家の外へ出てみました。その時撮った写真がこちらです。皆さん、何だか分かりますか?多分、普通の人では分からないと思いますが、これはサッシを構造体に打ち付けておく為のネイルフィンと呼ばれるものです。これがサッシの四方に付けられていて、この樹脂製のフィンを釘やビスで構造に固定する為に使われます。つまり、このサッシは、下側が構造体に固定されていないということです。ただ、その他のフィンが留めてあるでしょうから、サッシが家から外れることはありません。恐らく、このフィンを外壁の外側に持ってくることで、水返しの役割を持たせようとしたのではないかと思います。しかし、こうした施工をした場合、フィンと外壁材とのつなぎ目やフィンの両端の防水処理をしっかりやっていないと雨漏れのリスクが発生します。幸い防水コーキングなどは、少し汚く感じられるくらいベットリと塗り付けてありましたから、今の処は大丈夫です。それにしても、施工方法を熟知しない大工(職人?)さんは、想像力を駆使して思いもつかぬ納め方をするもんです。それに気付いたお客様も、大したものだと思います。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年10月06日
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こちらは、先日お客様の輸入住宅で不具合を起こしたクレストライン(Crestline)社製のアルミクラッド輸入サッシ。雨漏れをしていたことに長年気付かず、最近窓を開けることがあった時こうなっていることを発見したそうです。短手方向にあるはずの木枠の殆どが、腐って脱落しているのが分かります。実は、このサッシの建具(障子)は、上下を逆さまにして撮影しました。つまり、腐った建具枠は、下側の枠ということです。雨は、当然のように上から下へ流れます。外装のアルミ枠のつなぎ目やガラスとアルミ枠とが接する部分が、雨が入り込む一番リスキーな場所と言えます。そういった場所から入った雨水が、木枠の下へと落ちていき、外に排出されることなくサッシの内部で溜まってしまうのです。外に水が出てくれば、気付く機会も多くなるかも知れませんが、出てくる時は木枠に穴が明くくらい既に相当腐っている状況であることが殆どです。こうなることを予防するには、出来るだけ全ての窓を開ける習慣を付けることと、雨が降った翌日はアルミクラッドのサッシが乾くように風を通してあげることです。特別面倒な作業ではありません。当たり前のことを普通にやればいいのです。ただ、たまには防水塗装やコーキングもして下さい。今非常に強い台風24号が名古屋の手前まで来ています。皆さんのおうちにも被害がないことをお祈りしています。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年09月30日
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こちらは、先日お客様の輸入住宅で吹き飛ばされたアスファルトシングルの屋根材を撮った様子です。横方向に一列、二列といった具合に、美しい屋根材が剥がれています。この他にも先般から続く台風で、屋根材が剥がれたおうちが、いくつもあるのですが、どこでどんな強さの風が吹くか分からない状況では、どんな屋根材であろうと、絶対剥がれない保証はありません。ただ、写真をよく見ると、剥がれた屋根材の場所には黒いシートのようなものが覗いています。実は、これが本当の屋根材(防水材)であるアスファルトルーフィングという材料です。これがしっかりしている限り、屋根から雨漏りをすることはありませんから、ただちに屋根にリスクが生じることはありません。それにしても、月曜くらいにまた名古屋周辺に強くて大きな台風がやってきます。今年は、温暖化のせいか強烈な台風が多いですから、また他のお客様のお宅で屋根が破損しないか心配ですが、自然現象では手の施しようがありませんね。何れにしても、台風による家のトラブルには十分お気を付け下さい。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年09月27日
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東京のお客様から、ミルガード(Milgard)社のスライディングパティオドア(片引きの掃出しサッシ)の窓枠から水が入ってくるという相談を頂きました。何でも外からガラスに水を掛けると、ハメ殺し(FIX)側のドアの下枠に水が溜まって、室内側に侵入してくるということらしい。通常は、サッシ枠やドア(建具)の枠のどこかに水抜きの穴が明いていて、そこから外へ雨を排出するという構造になっている。勿論、台風のような強い雨風の時は、気密性の高いサッシの場合、僅かな隙間を狙って雨が吹き込もうとする為、そこから室内へ入ってくるということはよくあることです。ただ、単純にガラスに水を掛けたくらいでは、水を跳ね返してしまうはずです。もしかしたら、水抜き穴がベランダの床のFRP防水を施工した際に塞がれてしまったか、サッシの周囲を防水する際にコーキング等で埋めてしまったかしたのが原因かも知れません。あとは、ガラスと建具枠との間の隙間から水が中に入って、それが室内側に出てきているということも考えられます。(そういう状況が長く続くと、ペアガラスも内部結露を起こす危険性が高まります)でも、そういう場合に備えて、ガラスの下には水抜き穴が隠れているというのが、多くの輸入樹脂サッシの作り方です。そんな場所にも汚れやゴミが入り込んで、穴を塞いでいるのでしょうかねぇ?何れにしても、原因を突き止めて有効な対策を打つことが大切です。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年09月22日
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こちらの写真は、アルミクラッド・サッシで有名なマーヴィン(Marvin)社の掃出しサッシ(スライディング・パティオドア)です。可動するドア側の下枠が、漏水の為か腐ってきているので、相談に乗って欲しいという連絡を頂きました。マーヴィンの場合、その多くは外装がアルミで覆われた木製サッシですから、対候性に優れ雨にも強いという過信によって、随分悪くなるまで問題が放置されることが多いかも知れません。多くの人は、家というものは何もしなくても一生持つものだという理由のない思い込みから、輸入サッシに何も注意をしていないのです。それは、施主だけでなく、施工した住宅メーカーや工務店であっても考えは同じのようで、お客様への注意喚起すら行っていないというのが現状です。そんな状況ですから、お客様も木製サッシはこりごりと思って、国産サッシへの交換を希望される方がいらっしゃるようです。でも、新築時にどうして輸入サッシを選んだのでしょうか?木の温かみや高級感、断熱ガラスを使ったペアガラス、掃出しサッシなんかは強化ガラスが入っている、冬場の結露がまったくないということに惚れ込んで導入された方も多かったと思います。また、国産サッシにはメリットばかりでデメリットは何もないということが本当にあるでしょうか。外壁から窓枠ごと外して交換すれば、窓の周囲の外壁から雨漏れするという新たなリスクも生まれます。国産に交換すれば何もかも全て解決するというのは、やはり幻想に過ぎません。確かに、輸入サッシの中には構造的に雨が侵入しやすく、木部が腐りやすいものも存在しました。ただ、そうした輸入サッシ・メーカーの多くは、既に淘汰されて残っていないのです。今、新築で使われている輸入サッシでは、そういうトラブルは殆どないと言っても過言ではありません。また、リスクがある輸入サッシでも、外装のアルミのつなぎ目やガラスの周囲に防水コーキング等を定期的に施工して、雨がサッシの内部に侵入しないように手入れをしたり、ティンバーケアのような木部に屋外用の専用塗料を塗ったりすれば、そのリスクは最小限に低減されるはずです。人は一度嫌な目に遭うと、それが頭から離れませんが、悪くなったドアを新しいものに交換して、専門家に防水処理をしっかりやってもらってみて下さい。勿論、その後のメンテナンスは必要ですが、再生した美しさを見れば、輸入サッシにしていてよかったと感じると思いますよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年09月11日
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昨日、旧ハード(現シエラ・パシフィック)社の新しい交換用建具(障子)を塗装したという記事を書きましたが、今日はサッシの防水処理です。ペアガラスの周囲に薄紫色のマスキング・テープを張りました。マスキング・テープも用途や価格も様々ですが、塗装やコーキングを施工する際には、このテープが一番いい感じです。ペアガラスの内部結露や木製建具の腐りの原因は、ガラスの周囲からの雨の侵入が一番多いように思います。勿論、ガラスの外枠(白い部分)となっているアルミからの雨漏れもあるので、そういった部分も防水処理します。(製造時にメーカーでも防水処理を施していますが、結構大雑把な仕事をしているケースもあるので、私たちは念の為に施工前に防水作業を行います。多分、どこの建築屋もやらないですが・・・)ただ、コーキングや塗装は、比較的早く表面が乾いて固くなってきますから、施工したら丁度いいタイミングでマスキング・テープを外さなければなりません。あまり早すぎるとせっかくマスキングした部分にまで材料が流れてきますし、遅すぎるとテープと一緒に材料が剥がれてきてしまうので、絶妙のタイミングを見計らうには経験が必要です。何でも早くやってしまえば、時間もコストも省略出来ますが、いい仕事をするのであれば、逆に手間を惜しんではいけません。(尚、防水処理や塗装も劣化しますから、定期的に再施工することを忘れないで下さい)早くて安いというのは、建築には不適かも知れませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年09月09日
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透湿性防水シートの上にラスモルタルを施工して、直貼りしたジョリパットの塗り壁です。サッシの周囲から雨漏れして、外壁の一部を剥がした状況ですが、ラスと呼ばれる金属メッシュをたくさんのタッカー(ホチキス)で留めた為、防水紙には無数の小さな穴が明いています。壁の中に侵入した雨水や湿気を排出させる為の通気層は、直貼りですから壁の中にはありません。タッカーの針金にも錆が見受けられるものがありますので、塗り壁にクラック等が入ってしまえば、留めた小さな穴から構造用合板の方にも水が回ってしまいます。これでは、防水シートを施工した意味がなくなりますよね。更にいけないのは、防水紙の上から何故か帯金物が打ち付けてあることです。帯金物は耐震金物ですから、基本防水シートを張る前に構造体に施工しておくのが普通です。そうしないと、万一地震等で家が動くようなことがあった時、金物や釘が動いて下にある防水紙を破く危険性が生じます。施工した工務店も施工手順を間違えたことを知っていたのでしょう。帯金物の上や周囲に防水コーキングが塗ってありました。施工の間違いに気付いたのであれば、一旦防水シートを外して耐震金物を正しい位置に留め直すことは出来るはずです。素人が気付かなければ何でもありということでは、日本の家づくりはよくなりません。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年08月25日
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こちらは、アスファルトシングルという屋根材を横方向から写真に撮ったものです。薄いとは言え、重ね張りしている為、ある程度の厚さも出来ます。特に軒の先端部分は、少し厚張りすることによって捲り上がらないようにするのが基本です。ただ、下になる屋根材が厚い場合、屋根材が重なった処に大きな隙間が出来てしまうのも見て取れます。表面を覆うアスファルトシングルの隙間から雨水が入ることがありますが、下地のアスファルト・ルーフィングと呼ばれる防水シートがしっかり機能していれば、特に問題視することはありません。実際の防水機能は、アスファルトシングルではなく、アスファルト・ルーフィングにあるからです。ただ、屋根を横から見て、このように隙間(穴)が見えてしまっているのは、施主にとってあまり気持ちがいいものではないでしょうね。ですから、アスファルトシングルの屋根材の施工については、妻屋根の端は屋根材を上下から鈑金で包むように防水処理を行うのがホームメイドのやり方です。勿論、鈑金で押さえた部分には防水コーキングも十分中に入れておきますから、万一でもそこから雨水が侵入しないように工夫もします。アメリカでは鈑金をしないやり方をしているビルダーもいるようですが、台風等の強風が吹く日本では雨漏れリスクを少しでも減らす対応が必要かも知れません。やるやらないは、施工業者の経験と心遣いで決まります。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年08月24日
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昨日、サーモカメラで雨漏れチェックにお伺いした輸入住宅ですが、防雨処理という点ではいろいろと気になる場所がありますので、読者の皆さんの参考までにご紹介しましょう。因みに、ご紹介する箇所の施工は、リスクが通常よりも大きくなるというだけで、実際に雨漏れしているかどうかは、これからの詳細検査に拠らなければならないということを付け加えておきます。最も端的でそういう箇所が集まっていた場所は、妻壁の一番高いところでした。まず、気になったのは、通気機能が付いた飾りのルーバーです。通常私たちは、こうした飾りルーバーは飾りに徹して、ここから屋根裏の換気をする形は取りません。この壁に大きな穴を明けて、ルーバーの隙間から内外の空気を流通させるようにするというのは、屋根裏換気という点ではいいと思うのですが、台風のような強い雨風の時にはここから家の中に雨が侵入してくる恐れが生じます。その為かどうかは分かりませんが、ルーバーの下のジョリパットの外壁には薄っすらした雨垂れの汚れと共に細い割れが生じています。こうなると、小屋裏だけでなく外壁の中にも雨が侵入している可能性も捨てきれません。次に問題なのは、屋根。勾配が緩いということもあるのですが、軒があまり出ていないという点で問題があります。南フランスのプロバンス風ということで一時期ブームになったデザインですが、軒の奥行が十分あることで弱点となる屋根と外壁との接点部分に雨が当たるリスクを軽減出来るのですが、これでは強い風が吹けば壁を雨が上ってくる状況を簡単に作れてしまいます。また、軒の裏側は屋根合板がむき出しになっていて、そこにジョリパットの塗り壁材がぶつかっているという施工ですから、そのつなぎ目は必ずや割れてきているはずです。(取り合い部分は、コーキングを合板に薄く塗っている感じはありましたが、十分な量ではない気がしました)そして、アスファルトシングルの屋根材の施工についても、妻屋根の端は屋根材を上下から包むように鈑金で防水処理を行うのが普通ですが、屋根材の横部分が露出した状態になっています。いくら屋根材の下に防水用のアスファルト・ルーフィングが敷いてあるとは言え、シングルの重ねの隙間からは雨が侵入することはあまり気持ちのいいものではありません。私が指摘した上記の問題箇所のうち、どれ程雨漏れが起きているか分かりませんが、今大丈夫でも近い将来雨漏りする可能性があるならば、改善しておくべきではないでしょうか。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てて頂ければ幸いです。
2018年08月19日
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今日は、シエラパシフィック(Sierra Pacific)社の樹脂サッシについて、書かせて頂きます。写真は、ディスプレー用の樹脂サッシのカット・サンプル。シエラパシフィックが製造しているサッシの中でも、樹脂サッシは最もお値打ちで高い断熱性能を発揮する製品です。でも、安いからと言って手を抜かないのが、この会社のいいところ。写真の矢印の部分に、L字になったアルミ板が入っているのが分かりますか。最初私は、樹脂の建具(障子)が曲がったり歪んだりするので、それを防ぐ為に補強の金属を入れているのかと思いました。ただ、このアルミ板は、縦方向の建具枠には入っていないので、どうしてだろうと疑問に思ったのです。そしたら何と、これはサッシを開閉する為の金物類をビス留めする為の下地材だと言うのです。横方向に開いていくケースメントには、建具を窓枠に固定する為のウィンドウ・ヒンジやオペレーター・アームを滑らせるトラック・レールなどの金物を建具に取り付けなければなりません。こうした金物はビスで留められるのですが、あまり強く締め過ぎると樹脂枠に明いたビス穴がバカになってしまいます。輸入の樹脂サッシのメンテナンスをしていると、こうした不具合を抱えた樹脂サッシって、結構あるんです。だから直すのに一苦労だったりするのですが、柔らかい金属の下地材が入っていれば、ビスもしっかり留められますし、フレーム強度もアップします。でも、カット・サンプルだからこんなことが分かりますが、普通の状態では全く見えない場所の金属板です。手間が掛かるのに、わざわざこんなことをやっている窓メーカーというだけで、信頼感がありますよね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年07月30日
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滋賀県のお客様から外壁の雨漏れがしたので、施工した工務店さんに修理をお願いしようと考えていますというメールを頂きました。こうした雨漏れのトラブルについて、いくつかの案件を記事に書かせて頂いているのをご覧頂き、補修前に意見を聞きたいということでした。外壁の仕上げ材は、ジョリパット。構造用合板の上に防水紙を張って、そこにラス網をタッカーで留めてから下地のモルタルを2回塗ったそうです。ですから、外壁の中には通気層を取っていません。そんな施工手順で外壁が出来ているのですが、築16年を迎えて何気に外壁を触ってみた処、窓の下の壁が僅かに膨らみ、強く押すと凹むことに気付いたそうです。新築した工務店さんに連絡して、内側の石膏ボードやグラスウールの断熱材をめくってみた処、2x4のスタッド(柱)や構造用合板が腐っていたのです。こういう場合、殆どのケースでは腐った部分を取り換えて、元の状態に復旧するだけなんですが、それで大丈夫とは到底言えません。勿論、私たちが今出来る最善の施工をするとなると、外壁全体を剥がして正しい材料や施工で全てやり直すということになりますから、相当の費用が掛かります。ですから、費用やその効果についてお客様と協議をしながら、どこまでのことをやるかを計画しなければなりません。私は、伸縮性があまりないジョリパットから伸縮性のある塗り壁材に変更することや、サッシ周りの防水処理の仕方を見直すこと、サッシ自体の漏水チェックを行うこと、ここ以外の外壁も検査することは最低限やるべきことのような気がします。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年07月17日
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輸入住宅の玄関ポーチに立てられた飾り柱のフルーティッド・コラム(柱の周囲にリブが彫られたタイプの円柱)ギリシャ・ローマ時代のデザインは、いつの時代も美しさの原点ですよね。でも、5年前に塗り直しされた柱が、こんな感じになってしまったので、何とかしたいという相談を頂きました。通常のコラムは、強度を出す為に芯に塩化ビニールの太い管を入れて作った硬質ウレタン製のものなんですが、こちらは珍しく木製のもののようです。ただ、塗り直しに使った塗料は、どうやら油性の塗料だったようで、木の呼吸作用を全く無視していました。だから、木が呼吸をしようとして表面の塗膜を押し破ろうとして、蛇のうろこのように塗装が剥がれてきてしまったのです。日本の塗装業者の知識や技術は、何と低いのでしょうか。こういう場合は、表面の塗装を一旦除去しなければなりません。その上で、木の呼吸を阻害しないで防水性を発揮する、ピュアアクリルの木部専用水性ペイント、パラ ティンバーケアで塗り直しをします。塗料の文化は、やっぱり欧米の方が上ですね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年07月11日
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名古屋市天白区の外装リフォームの現場で、輸入サッシの周囲に幅10cm程度のモールディング(トリム)を取り付けたという記事を以前書かせて頂きましたが、その部分の防水処理をご覧下さい。モールディングは、耐久性が非常に高いピュアアクリル素材で出来たセミグロスの屋外用パラペイントで白く塗装。写真で分かるように、枠材にツヤあり塗料を塗ると高級感が出るのです。また、ツヤがある塗料は雨や汚れに強く寿命も長くなるのです。そして、モール材の側面は、しっかりと塗装専用の防水コーキングが打たれているのが分かりますね。鎧張りのラップ・サイディングの場合、外壁面が平らではありませんからコーキングを打つのが結構難しいのですが、美しく施工してあります。次にモール材の下端ですが、こちらには防水コーキングは全く入っておりません。これでは施工不良だと思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実はそうではありません。このモール下端は、万一モールの内側やサッシの枠付近に雨水が侵入した際に、水を逃がす水抜き穴の役割を果たすのです。家というものは、何でもかんでも水が入らないようにすればいいというものではありません。逆に、雨漏れを助長する原因にもなります。何か問題が起こりそうな場所には、予め適切な対策を打っておくことこそ、長く維持していける住まいになるのです。手抜き工事はいけませんが、同様に過度に手を入れる工事も施工不良となることを忘れてはいけませんよ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年07月10日
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ここ名古屋でも結構な雨が降りましたが、西日本の各地では恐ろしい程の大雨が降ったとのこと。被害に遭われた皆さんには、心よりお見舞い申し上げます。これからは、強烈に強いスーパー台風や竜巻なんてものも日本にやってくるかも知れませんから、今までの対応では用をなさない状況になるかも知れませんね。そういう強烈な風雨が襲ってきた時、一番気になるのが雨漏れです。殆どの皆さんは、雨漏れと聞くと屋根からの漏水とお考えになるかも知れませんが、雨漏れは屋根ばかりではありません。外壁のコンクリート・サイディングのジョイント(つなぎ目)やレンガ・タイル壁のクラック、サッシの周囲の隙間、屋根の軒のつなぎ目やバルコニーの床といった場所も雨漏れを警戒すべきところとなります。写真は、先日見かけた輸入住宅の外壁です。外壁サイディングのジョイントが、丁度サッシの両端に来るように張られています。サイディングのつなぎ目は、地震や気温差で外壁が動いてしまうような場合に一番割れが出やすい場所です。また、サッシの周囲も構造体の防水シートをカットされる位置でもありますから、漏水時の弱点となりやすい場所でもあります。つまり、この写真の家は、弱点がいくつか重なってしまっていると言えるかも知れません。また、サイディングの荷(重量)が窓に掛かってしまったせいか、窓上の白いモール材(コンクリート製)にもクラックが入っています。こうしたクラックから入った雨がサッシを伝って、室内に雨が侵入するケースも多いのです。そして、モールの上枠の張り方がいけません。赤く囲んだような形で上枠を張るべきですが、モール同士のつなぎ目が垂直方向に入っています。神社の鳥居のように、両サイドのモールの上に載せる形で上枠のモールを張るのが、雨漏れリスクを少しでも軽減出来る張り方です。実際にこのおうちに雨漏れがあるかどうかは分かりませんが、下地の防水施工の良し悪しによっては、外壁を張り直すなどの大掛かりな工事が必要になりますから、注意が必要です。どうぞ、皆さんも大雨には十分ご注意下さいませ。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年07月07日
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昨日、サッシ周りに防水塗装をしたという記事を書きましたが、外壁の古い塗装と今回塗ったパラペイントとでどのくらい違うか写真に撮ってみました。違いが分かるように、太陽の照り返しが反射する角度から写してみたのですが、違いが分かりますでしょうか?写真右の既存の古い塗装は、EPと呼ばれる国産の水性塗料のようですが、手で触れると白い粉が付く感じで相当劣化が進んでいます。写真でもツヤが全くなく、これでは雨水が外壁のコンクリートサイディングに染みてしまうのがお分かり頂けると思います。最近のお客様は、ツヤなし塗装をして欲しいという方が多くいらしゃいますが、屋根や外壁といった外装にツヤなしを塗る意味を理解していないと思います。ツヤがないということは、塗装の表面がデコボコ、ザラザラしていて当たった光が乱反射することで、ツヤがないように見えるのです。つまり、表面のデコボコに汚れが付着しやすくなり、塗装が傷むのが早くなりますし、雨水も長く付着しますから防水性も早く劣化してくるのです。ですから、100%ツヤありの塗装が一番強いのですが、それでは家の外観が下品になってしまいますので、8分ツヤのセミグロスで外装を塗装するのが適切という訳です。写真左が、そのセミグロスのパラペイントで塗った感じですが、しっかりとツヤが出ているのが分かります。これが防水性の高さを証明しているのです。でも、昨日の記事に掲載した窓周りの写真をご覧頂くと分かりますが、実際には古い塗装部分と見え方は殆ど変わりません。そう、光が反射するような特殊な角度から見ない限りは、落ち着いた上品な外観になるのが、パラペイントなのです。勿論、通常のアクリル塗料と比べて格段に耐久性が高くなる100%アクリルで作られた水性塗料ですから、美しさと耐久性を併せ持つ輸入塗料の最高峰であると言われています。輸入住宅の外壁の塗り替えをご計画の皆さん、パラペイントのウルトラセミグロスを使ってみては如何でしょうか。<関連記事>: 下塗り塗装ですが、いい感じ (2018年6月22日)輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年06月23日
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先日、輸入サッシのメンテナンスについて現地調査を行った際に、お客様からこんな相談を頂いた。それは、2階のベランダに出る為の輸入ドアで、ドア下の両サイドのフローリングが黒く変色している状態でした。お客様はドアやドア枠から雨漏れしているのではないかと考えていたようですが、黒ずんだ部分の上にある入隅の壁(室内)部分には縦方向に一本割れが入っています。長年の経験から、こういう状況の時はドア周辺ではなく、ドアの上にある外壁や屋根からの雨漏れではないかと直感しました。そして、ドアの外に出て撮った写真がこちらです。ドア上のコーナー部分に大きなクラックが入っています。また、パネル・サイディングのつなぎ目にも横方向に割れが見られます。こういう状況の時には、単純に割れの上から塗装をしたり、コーキングを打ったりするだけでは、またすぐに割れる危険性があります。出来れば下地にある防水シートや防水テープの施工不良を修整し、割れる危険性がある部分の外壁には割れのリスクを減らす下地処理をした上で復旧すべきと考えます。そろそろ雨が多くなる梅雨時です。皆さんのおうちでも窓やドアの近辺に雨漏れがないか、チェックしてもいいかも知れませんね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年05月30日
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知立市のお客様から輸入サッシの引き違い窓から雨漏れするので、見に来て欲しいという連絡を頂きました。丁度その日は強い雨が降っていて、私も一日会社でしごとをするだけという状況でしたから、その日の午後にお伺いすることにしました。問題の窓を見てみると、確かに建具のフレームなどは輸入のものを使っているように思いましたが、網戸の感じやサッシをロックするクレセントの形状、左右の建具の両方共が可動する点などは、国産のもののような気がします。お客様はこの家を築7年くらいの時に買われたそうで、その前かその時かに窓を業者の方がいろいろ触ったということでした。国産のサッシでもそうですが、通常サッシの窓フレームは、室内側にくる建具の内側にまで存在するものなんですが、ここの窓は写真のように室内側にくる建具用の引き戸レールのところまでしかありません。つまり、引き戸レールを境にして、樹脂の窓枠と木製の窓枠に分かれているという構造なんです。引き戸の場合、レールの上を戸車が載って窓を開閉するので、レールと建具との間にはある程度の隙間がなければなりません。ですから、吹き上がるような強い雨風の際には、雨がレールを越えて室内側に入ってきます。写真で言う網戸レールのところまで樹脂製の窓枠となっていれば、窓から雨漏れすることはあまりないでしょうが、この状態ではサッシから雨漏れするのは当然です。構造的に雨漏れを防止出来ませんから、この建具の外側に隙間を埋めるモール材を取り付けて、風の勢いを弱めたり、入ってくる水の量を減らしたりする対策を取りました。サッシのペアガラスも内部結露を起しているようですから、近いうちにガラスの交換やサッシの防水処理をするようご提案をさせて頂き、今回の調査を終了しました。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年05月19日
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こちらのアルミクラッド・サッシは、サミット(Summit)という輸入サッシ・メーカーの製品です。後にウェンコ(Wenco)というメーカーと合併したのですが、更に統廃合されて今は存在しないサッシ・メーカーとなっています。施工された時期は20年弱だそうですが、ダブルハング窓の上窓(アッパーサッシュ)の一部が脱落してきています。こちらのメーカーの木製窓は、雨仕舞があまりいいとは言えず、何もメンテナンスをしないと雨漏れを起して木部が腐ってしまいます。こちらのサッシも外装アルミのつなぎ目やガラスの隙間から、恐らく雨水が建具内部に侵入し、徐々に木を腐朽させたのでしょう。早い段階でこの不具合に対処していれば、交換せずに使えたかも知れませんが、ここまでになってしまうと窓自体の交換も視野に入れなければなりません。勿論、他の窓メーカーの建具を代替に使うという方法もありますが、その為には綿密な調査とオーダーでの製作依頼をする必要があります。そのどちらがいいのかという問題は、費用や納期、今後の維持管理という点を考慮して判断しなければなりませんが、何れにしても大変な仕事になりそうです。こうしたことは、日頃のチェックである程度防げることです。勿論、すぐに適切に対処出来る輸入住宅の専門家がいることも不可欠だと思います。多くの輸入住宅メーカーや工務店は、そうした知識や経験がなく新築をしています。家のメンテナンスに関するトラブルは、建築業者や実際に住む皆さんの両者が一体となってこそリスクを減らせるものなのです。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年05月12日
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こちらのユニットバスは、何年か前に改修して新しくしたそうですが、その時から浴槽の排水が殆ど流れなくなったとのこと。今回、家の外装や窓のメンテナンスを行うに伴って、そんな相談を頂きました。ユニットバスを設置した建築業者さんは、下水への排水管の勾配が規定ギリギリという状況ではあるが、原因がよく分からないと言ってそのまま様子見となったようです。それから何年もの間、バスタブに溜まったお湯を桶ですくって、違う排水口から流していたということですが、そりゃ結構大変だったのではないでしょうか。そこで先日水道屋さんを連れて詳細状況を確認したのですが、10分もしないうちに原因は特定出来ました。その原因は、ダブルトラップ。トラップというのは、下水管にいる虫やねずみが排水管を伝って侵入することがないように、U字やS字に排水経路を曲げてそこに水が溜まるようにする仕組みです。また、そうすることで、下水のいやな臭いも室内に上がってこなくなりますから、快適に暮らす為にはトラップは必要不可欠です。ただ、これが排水経路に2つ連続して存在すると、トラップ間が注射器の口を塞いだような状態となり、浴槽のお湯が排水管を流れようとしても押し戻される現象が生じます。こうしたことは、新築時よりもリフォームする際に発生することが多いかも知れません。それは、既設のトラップがあることを把握せずに、新しい別のトラップをユニットバスや洗面台、キッチン、トイレ等の水回りと一緒に設置してしまうことで起こります。(勿論、新築の際に排水管を設置する業者と住宅設備を設置する業者が別々の場合にも、余分にトラップを付けてしまうかも知れません)こういう時の対策としては、どちらかのトラップを撤去して排水経路を正常化することや、トラップ桝などフタがあるものならフタに穴を明けてトラップの機能(気密)をなくすことで、この問題を解消出来ます。ただ、トラップ桝のフタの穴がゴミや落ち葉で塞がれてしまえば、また同じトラブルになりますし、虫等の侵入にも注意して下さい。何れにしても、ちゃんとした専門業者に相談・調査をお願いすることをお忘れなく。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年05月06日
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今年は急に暖かくなって、少し寒い時期に咲く花とゴールデンウイーク明けに咲くような花とが一辺に街に溢れている感じです。そんな名古屋ですが、出勤途中でツツジの花が咲いているのを見掛けました。いつもより早く赤やピンク、白など色とりどりの花が咲いていましたが、この花を見掛けるようになると思い出すのは、シロアリさん。毎年注意を呼び掛けているのですが、サツキやツツジの季節にはシロアリが巣(コロニー)から旅立つのです。そして、別のコロニーを作って、その規模を拡大させようとする訳です。こうした時、シロアリは羽アリとなって数千匹が巣から放たれます。ですから、日頃暗くて人の目には触れなかったシロアリたちの行動がはっきり分かる絶好のチャンスでもあります。シロアリが庭の土の中に巣を作っていたとしても、それは正常な状態ですから然程心配する必要はありません。ただ、家の中から大量の羽アリが出てきた際は、それを駆除するタイミングだと考えた方がいいでしょう。何でもかんでも薬剤を撒き散らすような業者ではなく、住人の健康を考えた専門家に駆除をお願いして下さいね。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年04月21日
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20年前に輸入住宅を建てさせて頂いたお客様の処に伺ってきました。何でもこの冬に雨が降ると、3階にある部屋のドアの上枠から水がポタポタ落ちてくるらしいのです。昨日は朝から強い雨が降ることもあり、お昼過ぎに伺えばその様子が見えるから来て欲しいと言われ、早速状況を確認させて頂きました。でも、雨がしっかり降ったにも拘わらず、何故か雨漏れはどこにもありません。お客様も不思議に思っていらっしゃる感じでしたが、経験上私は雨漏れではないことにピンときました。そう、これは屋根裏空間の結露ではないかと思います。冬場は外気が冷たく、屋根の表面はひどく温度が低くなります。逆に室内は加湿器や暖房を入れて、高温で湿気が多い状況となり、その空気は上へ上へと上昇し、最後には屋根に近い屋根裏にまで到達します。そこで低い温度の屋根の裏側に触れて、湿気が水分に変化する結露が発生し、天井の際からや壁の中を伝ってドア枠から出てきたのではないかと思うのです。こうしたことが雨漏れのように私たちの目に見えるようになるには、それなりの時間が掛かります。それは、屋根裏が天井板で塞がれて見えなくなっているからです。そうした水分が天井の石膏ボードに染みて、カビが生える状況になる為にはある程度の時間を要します。つまり、不具合が蓄積されているという状態にある訳です。昨日は雨が降っていましたが、気温は名古屋で16度もありましたから、屋根は冷えておらず結露が発生する条件にはなりません。勿論、私の推測が間違っている可能性だってあるかも知れません。その為に、出来るだけ早く天井の一部を開けて、天井裏の状況を確認すると共に、屋根からの雨漏れがないかもチェックする必要があると思います。輸入住宅の雨漏れトラブルを疑っていらっしゃる皆さん、構造が腐る前にちゃんと原因を調査して適切な対策を打つことが大切ですよ。<関連記事>: 屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(1) 輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年03月06日
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こちらは、先日愛知県常滑市の輸入住宅で外したマーヴィン(Marvin)社製掃出しサッシの建具(ハメ殺し側ドア)を外した様子です。スライディング・パティオ・ドアとも呼ばれますが、輸入のものは防犯性を強固にしていますから、取り外すのは相当大変でした。不具合のあるドアはトリムラインという古いシリーズのもので、現在は販売がされていませんが、交換用に新しいものを製作してもらいました。ご覧のように、アルミクラッドのドアの下枠の木がボロボロに腐ってしまい、原形を留めていない状態です。こうなってしまう原因は、2つあると思います。1つは、屋外側のアルミ枠やペアガラスに隙間が出来て、中にある木部の方にまで雨水が染みてしまったこと。2つ目は、現場施工された塗料が、屋外用の木部用防水塗料でなかったということです。私たちが修理の為に建具を調達する際は、外回りの部分を防水剤で防水処理を行い、室内側の木部についてはパラペイントの木部専用塗料、ティンバーケアで細部まで防水塗装を行います。(但し、万一雨が入ってしまった際の水抜き箇所まで防水剤で塞いでしまうと、反って木が腐る原因になりますから、輸入窓構造を熟知した施工者に依頼することが大切です)新築時の施工業者や通常の修理業者だと、外部の防水処理を行わないばかりか、木部塗装も内装用のウレタン塗装やニス、又は油性のステインを塗るだけで、防水性のある木部専用塗料を用いることはまずありません。同じ不具合を繰り返さない為にも、輸入の木製ドアやサッシをお使いの皆さんは、窓の内外について定期的に防水メンテナンスを行うことをお勧めします。輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。また、これらの記事が、多くの皆さんのお役に立てれば幸いです。
2018年03月05日
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こちらは、豪華でアメリカンなデザインの輸入住宅です。薄いピンク色の外壁と白い窓やディンプル・モールディングの軒飾りが印象的。そんな美しい築12年のおうちですが、今までに2階の天井から数回雨漏れが発生したことがあったそうです。お客様が以前知り合いの塗装屋さんに相談した際には、屋根からの雨漏りではないかということで結論付けたようですが、実際にどこから雨漏れをしているか場所の特定には至っていないとのこと。ここのおうちの屋根は、アメリカのアスファルトシングルという材料で、太陽の熱でアスファルトが密着するという性質がありますから、下地のルーフィング(防水シート)に問題がない限り、屋根材自体が原因で雨漏れすることはありません。確かに、屋根から雨漏れする危険性はないとは言えませんが、そういう場合はルーフィングの張り方の問題か、屋根材の周囲の鈑金材のつなぎ目にトラブルがあるのが一般的です。これから屋根等を詳しく調べることになるでしょうが、私はこの不具合が雨漏れでなく、室内の湿気による屋根裏結露ではないかとも疑っています。雨漏れしたという場所は室内に湿気の多い浴室の天井であったことや、屋根には換気棟が設置されていないこと、屋根の軒天(軒下)が装飾モールで覆われていて換気を促す通気孔が設けられていないことなど、家の湿気を外部に逃がす工夫がなされていません。以前、外壁内側の通気や屋根裏の換気の必要性について記事に書かせて頂いたことがありますが、そうしたことへの対策がちゃんと実施されていないのが現状です。雨漏れの線も考えながら、家自体の内部結露についても慎重に調査していくことをしていきたいと思います。<関連記事>: 屋根裏及び屋根裏部屋の結露対策(1) 輸入住宅の新築やメンテナンス、コンサルやコーディネートをして欲しい、私と話をしたいという方は、お問い合わせ下さい。全国どこでもご相談を受け付けます。尚、相談や問い合わせの前には、日々更新する記事をいくつかご覧の上適否をご判断願います。
2018年02月17日
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