Benediction of God in Solitude

Benediction of God in Solitude

譲れないもの I


「なんだって?」
スコールは驚きのあまり立ち上がり、椅子を引っくり返した。
「申し訳ありませんがそう言うことです。これは任務ですから。来週から、お願いしますね。」
シドは穏やかに、しかしどこかかなしげな声と面立ちでそう告げた。
「……了解。連れて行っていい仲間は何人ですか?」
スコールは相変わらず無愛想を装いつつ冷淡に述べた。
「あぁ、忘れていました。えぇっと…詳しくはこれを読んでください」
そう言うと契約書をスコールに手渡した。スコールは受取り、すぐに文面を見ると呆気に取られていた。
「……これは…」
文面にはこう書かれていたのである。

【私、エスタ大統領、ラグナの知っているSeeDをスコール他四名、それから他二名を、五年契約で送って下さい。Laguna Loire】

(多分書いたのはキロスだな。しかもこれは指定してるようなものだろう。それにしてもふざけている…。これでは『お前らはこれからしばらくエスタの人間だ』と言っているようなものじゃないか。)
「ではスコール、人選もお願いしましたよ。あなたの口から彼等にも伝えて下さい。」
「はい。」
そう言うとスコールは学園長室から出ていった。
(さて…リノアにどう話すかな…。これはかなりヤバいな…。しかし皆揃っての任務なんてあの魔女の時以来だから三年ぶりか…)

何が起こってるかなんてつゆ知らず、リノアは皆とお昼にしようとしていた。
「じゃぁ皆これから一週間はお休みなんだ!」
「そうね。けどいいタイミングで皆休めてよかったわ。」
「だね~。もうすぐバラムでお祭りだからね~。ここで仕事が入ってはんちょと仕事だったら地獄だもんね~。」
ドッと笑いが起きる。
「あ・スコールだ。」
食堂の机三つを占領して彼等は昼食を、いや、スコールが来るのを待っていた。
「おーい、スコール―、こっちだよ―。」
リノアがいち早く声をかける。スコールはいつも通りの顔で向かってきた。
「悪い。思ったよりも遅くなった。」
「気にすんなって。それより、学園長なんだって?」
「…仕事の話だ。後にしよう。」
「それもそうだな。よしっ!飯にしようぜ!」
食堂で、談笑しながら皆でご飯を食べていた。何気に皆常人より沢山食べるが、この昼は六人で八人分の量をたいらげ、食堂のおばさん達は疲れきっていた。
「さて、たくさん食べたところで仕事の話をするから、リノア、すまないが席を少し外してくれ。」
「うん。終ったら迎えに来てね。図書室にいるから。」
仕事の話は極秘のこともあるのでリノアにはいつも聞かせてない。その行動が今回は幸いした。
「さて、一週間後の仕事だが…」
そう言って話を始めた。

話終って皆を見ると驚きと呆気に捕われていた。
「どういう事?なんでそこまでされてるわけ?」
皆今は、「SeeDは何故と聞くなかれ」というのを忘れていた。
「さぁ。ただ分かっているのは学園長は断れない理由があって断れなかった。ということだけだな。」
「その理由って何だ?」
「一つはこのガーデンの援助にかなり莫大な金を寄付してくれているらしい。もう一つは『この任務で分かりますよ』だそうだ。」
「はぁ。僕達はいいとしてリノアにはなんて言うんだい?」
皆真剣に心配している。
「俺が出発までに絶対言うから皆の口からは何も言わないでくれるか?」
「スコールがそう言うんなら仕方ないね~。」
「だよな。」
「そうね。」
「そだね~。」
「だけどラグナもスコールとリノアの関係を知らないわけじゃないのに何でこう言うことを言うのかね~?」
「やっぱ呼んだらおじゃる博士がうるせぇからじゃねぇの?」
「「「成程。」」」
皆納得出来てしまう。
「とりあえずバラムにいられるのは残り一週間だから、皆しっかり楽しんでおけよ。」
そう告げるとスコールはリノアの所へ向かった。
「…やっぱはんちょが一番こたえてるね~」
「当然だろ~」
「リノアと遠距離恋愛になるんだからな。」
「二人とも平気かな~?」
「少なくともリノアは泣き崩れてスコールは…」
キスティスは言ってから氷つき、ゼルは悪夢を思い出しながら続きを言った。
「…俺達はそのとばっちりをくらうのか。」
皆行く前から落ち込んでいった。



Written by Eoh


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