Benediction of God in Solitude

Benediction of God in Solitude

譲れないものX



「すっかり遅くなっちゃったね~。」
「そうだな。だがいいものを聞かせてもらった。」
「えへへ~。アリガトッ♪」
「ところでどうする?遅いが今から晩飯食うか?」
「う~ん…確にもう遅いけど、久しぶりに唄ったからお腹ペコペコなのも事実だよね~。」
「そうか…。なら…今日は久しぶりに俺が作るとするか。」
「えっ!?作ってくれるの?」
「あぁ。さっきの歌の礼も兼ねてな。簡単でいいだろ?」
「うん!じゃぁよろしく~。」
「了解。その間に風呂でも入ってろ」
「うん!」

スコールは台所に向かい、冷蔵庫を開け中を見た。

(さて、、、何を作ろうかな…?材料は色々あるみたいだからなんでも作れそうだな…。だがもう夜も遅いから消化のいい物の方がいいだろう。しかし余ったご飯が多いな…。先にこれを使うとするか。)
「リノア、炒飯とおじやとどっちがいい?」
「う~ん、、、炒飯!」
「了解」

野菜を刻み、卵を溶き、下準備を終え、一気に調理し始めた。どんどん完成に向かっている。しかもその手つきは全く危ないげがない。むしろ何処からどう見ても「慣れている者」の手付きだった。

「よし、、、これでいいだろう。」
「相変わらず上手いねぇ。」

いつの間にか風呂から上がったリノアが後ろで見ていた。

「そうか?」
「そうだよ。」
「まぁ、一人でいた方が長いからな…。リノアだって直に慣れるさ。アンジェロ、お前も食うか?」
「ワン!」
「よし、あとは盛り付けて、、、、こんなものだろう。出来たぞ。」
「ワーイ!じゃぁ食べよう!」
「あぁ。」
「「いただきます」」

二人と一匹はかなり遅い夕食を食べ始めた。

「くぅ~やっぱりスコールの作った料理は美味しいねぇ。ね、アンジェロ!」
「ワン!」
「さっさと食べて寝るぞ。」
「えっ!?もう?」
「あぁ。たまには早く寝るのもいいだろう。」
「あ・うん。そだね~。」
「食べ終ったなら皿置いておけ。さっさと洗うから。」
「あ・私が洗うよ。スコールはご飯作ったんだから。私がやっとくからお風呂入っておいで。」
「…そうさせてもらう。頼んだぞ…。」
「まっかせなさーい!」
「…割るなよ」
「わかってるって。」

スコールは風呂に入り、リノアは皿洗いを始めた。

そしてその後、二人は眠りに就いた。
スコールはカレンダーを見て残りが二日しかないことを知り顔を歪めた。





休日六日目の朝、、、
スコールはカレンダーに目をやり、深く溜め息をついた。

(さぁ、もう時間がない。明日は支度をしなければならないからゆっくり出来るのも今日が最後か…。たまには……ごろごろしてるのも悪くないかもな…。さて、リノアが起きるまで時間があるな…。それまでどうするかな…。)

その時部屋のドアが叩かれた。
コンコン、

(はぁ、こんな朝早くから何処のどいつだ?)

ガチャ

「よう!スコール」
「ゼル…何のようだ?」
「(うわっ機嫌悪いな。)学園長が呼んでるぜ。皆も一緒だ。」
「(学園長が…?こんな朝早くから…?)わかった。行こう。」
「おうっ!…リノアには何も言わなくていいのか?」
「…まだ寝てる。」
「そっか。んじゃ行くとするか。」
「あぁ。」

スコールは静かに部屋を出て急ぎ足で学園長室に向かった。

「失礼します。遅くなりました。」
「あぁ、スコール、こちらこそ朝早くから申し訳ありません。それでは全員集まったところで話を始めましょうか。」
「お願いします。」
「まず皆さんに謝らなければなりませんね。最初皆さんに「休みは七日間。」と言ったのですが私の数え間違えていて、六日間、つまり今日まででした。」
(…なんだと。)
(この人は…)
(またかよ。)

シドがこう言うミスをするのはこれまで何度もあった。日日を数えるのが苦手らしい。気を付けているらしいが未だに間違え、SeeD達をがっかりさせるのだ。

「それから内容ですが…。君達には明日からエスタに行き、指導者兼SeeDになって貰います。」
「は?」「え?」
「…どういう事でしょうか?」
「魔女の恐怖はなくなりましたが、未だに世界各地で紛争、内紛の勃発は後を絶ちません。そしてSeeDの数も足らないんです。そこで新たにエスタにガーデンを建てることになったんです。」
「…それで俺達が指導者になり、SeeDを育てろ…と言うことですか?」
「はい。」
「エスタの学園長は君達のよく知る人物です。行けばすぐわかりますよ。そしてその後は向こうの指示にしたがってください。」
「…わかりました。」
「大変だとは思いますが、頑張ってください。キスティス、あなたは教師主任ですから。経験を活かしてより頑張ってください。」
「はい。」
「話はそれだけです。あぁ、明日の集合は朝七時ですから。それでは解散していいですよ」

「新ガーデンか…。」
「なんか大変な事になっちゃったねぇ~。」
「そうね。けど私は少し嬉しいわ。」
「だろうね~。ところでスコール、リノアにはもう話したのか~い?」
「いや…これからだ。」
「そっか~。頑張ってな~。」
「あぁ。」

スコールは短く返事をすると部屋に急ぎ足で帰って行った。






「はんちょ辛そうだね~。」
「当然と言えば当然だろう。」
「確に。今もふざけるなオーラがかなり出てたしね。」
「あの機嫌の悪さはやべぇよな?」
「怒りの矛先は私たちに来るのよねぇ。」
「ハァ。」
「ね~。リノアを向こうに転校させるのは無理なのかな~?」
「あ・」「確に」
「残念だけど無理なのよ。」
「なんで~?」
「ついこの間…オダイン博士から手紙が来て、「リノアを調べさせるでおじゃる。そして世界平和のために永久封印させるでおじゃる。」っていう手紙が来ちゃったのよ。」
「そらマジィな。」
「だね~。でもスコールなら守りきれるんじゃな~い?」
「いくら彼でもずっとリノアの側にはいれないわよ。やることはたくさんあるし…なにより博士、絶対に破壊できない装置を作ったそうよ。」
「そっか~。」
「酷だけどスコールには耐えて貰うしかないわね。」
「そだね~。」
「さて、私たちも荷物をまとめ始めましょう。明日には行くんだから。」
「だな。じゃ、さっさと戻って始めますか。」

四人はそれぞれの部屋に戻り荷物の整理を始めた。





かなり暗い気分で部屋に戻ったスコール。

(はぁ、覚悟を決めるとするか…。)
「ただいま。」
「おかえり~。何処行ってたの?」
「学園長のところだ。…あの人のミスで休暇は今日までになった。」
「…え?もしかしてシドさんまた数え間違えてたの?」
「…あぁ。」
「そんな~。けど仕方ないか~。さ、朝御飯作っておいたから食べよう。」
「あぁ。」

二人は朝食を食べ終え、スコールは洗い物を始めた。

「…リノア。」
「な~に~?」
「後で話がある。」
「いつか話すって言ってたやつ?」
「そうだ。」
「話してくれるんだ!」
「あぁ。」
「じゃ、スコールの部屋にいるね。」
「あぁ。」

リノアは嬉しそうにスコールの部屋に行った。
スコールが辛そうにしてるのに気付かずに…。






「待たせたな。」
「ううん。構わないよ。ご苦労様。」
「あぁ。…で、話なんだが、、、」
「な~に?」
「明日からの任務だ。またエスタに行く。」
「……そっかぁ。じゃぁまた長いんだね。」
「…あぁ。」
「いつ帰ってくるの?」
「……後」
「え?何、聞こえないよ。」
「…三年後だ。」

言った瞬間、リノアの表情が氷ついた。
20秒以下の少しの時間が二人には何時間にも感じられた。
スコールはその瞳を見て胸をえぐられるような感じがしていた。

「……。」
「……。」
「………本当、、、なの?」

もはや声は震えギリギリで音を出しているような声を出した。

「…………あぁ。」

ガタン!

「お願い!行かないで!そんなに長い間一人なんて耐えられない!」

リノアの理性はぶっ飛び、スコールに掴みかかっていた。

「お願い、お願い。」
「…………(これじゃ夢のままじゃないか。クソ!どうすればいいんだ?)。」
「お願いだから一人にしないで!あなたがいなかったら私壊れちゃう。」

つい先日見た悪夢は自分達を表していたことに気付いたスコール。しかし、スコールが何を言ってもリノアは泣くばかりだった。

「……悪い。」
「イヤ!いやだ!嫌だよう!行かないで!」
「………仕事…なんだ。わかってくれ。(頼む!泣かないでくれ)」
「いやだ!わからないよ!お願い!行かないで!」

今までなかったぐらい激しい口論は、次第に一方的にリノアが激を飛ばすだけではなくなってきた。

「ごめん(頼む。そんな目で見ないでくれ。)」
「どうして?私はそんなものなの?私はスコールにとって仕事よりも下なの!?」
「そんなわけないだろう!」
「だったらお願い!一人にしないで!一緒に、私の側にいて!」
「酷なのはわかってる!けど俺達SeeDは仕事を選べないんだ!だから、頼むから、わかってくれ!」
「いやだ!お願い!」

スコールも大分限界だった。ミッションをこなしているときよりも、リノアの悲痛な目を見る方が精神的に応えるせいだ。

(これ以上リノアを悲しませたくはない。)
「お願い、スコール。」
「(仕方ない)……わかった。」
「本当?」
「リノア。」 「ん?」



「別れよう。」

written by eoh


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