Benediction of God in Solitude

Benediction of God in Solitude

雨のち晴れ


「あ~あ、また雨か…」

リノアが窓の外を覗きながらため息をついた。

「せっかくのデートだったのにな」

スコールもテレビを見ながら表情には出さなかったが多少なり落ち込んでいるようだった。

「でも約束は約束だよ」

「あぁ」

今日はデートをする予定だった。デートといってもイデアの家の花畑周辺でピクニックをするというちょっとしたものだったのだが、やはり雨より晴れた方がいいだろう。
いかに司令官といえどラグナロクを私的な用件で使うのはいいとはいえないので、二人はとりあえず駅に向かった。

「あのさぁ、電車よりチョコボの方が速いから濡れないんじゃない?」

「(本気か?)…いやだめだ」

「…そう」

(さすがにチョコボが早くても濡れるのは避けられないだろう。)

電車で最寄りの駅--遊びの森駅--に着いた。そこから歩くには遠いのでチョコボに乗ってイデアの家に向かった。

「スコール、ありがと」

「ん?どうしたんだ?」

「いや、わざわざチョコボ捕まえてきてくれてさ。」

「気にするな(ホントは濡れるのやなんだけどな)」

こうしてイデアの家に着いたのだが二人はびしょぬれだった。

「大丈夫?」

「あぁ。リノアこそ平気か?」

「うん。」

スコールが予想した通り、チョコボでは雨を避けるどころか、降ってくる雨にわざわざ濡れに行くようなものだった。

二人は花畑が一面を見渡せる場所に腰を下ろした。いつもなら綺麗に向こうまで見えるのだが霧がかかって見えなかった。二人は他愛ない話をしていたが、意外と楽しんでいた。

「あ~あ。やっぱり霧がかかると綺麗じゃないね。やっぱり雨だと楽しくないカモ(ホントはスコールと一緒にいるだけで幸せだけどね)」

「そうかもな(俺はリノアと一緒ならいいんだがな)」

ふたりは自分の言ってることと考えてることが矛盾しているのに気付き、苦笑いしていた。その仕草に互いに気付き、互いに見合うと、相手がなにを考えてるのかわかった気がした。
そして嬉しくなったのか、リノアは急にスコールに抱きついた。

「ハグハグ」

「今してるじゃないか」

「今度はスコールから」

「………」

「いや?」

「いやじゃないけど、恥ずかしいだろ」

「いいの」

スコールは照れながら抱きついた。そして二人は唇を重ねた。

しばらくして二人は抱き合うのをやめた。

「あ、見て見て!」

「虹だな(天気予報通り午後は晴れたな)」

「綺麗だね」

「そうだな」


晴れた空に架かった虹は、まるで二人の幸せをいつまでも繋ぐ橋を表しているかのようだった。


Written by shun


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