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涼宮ハルヒのSS「LOST MY PICTURE」
涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ
「LOST MY PICTURE」
「LOST MY PICTURE」 mission1
(1)気になる視線
文化祭も終わり一息ついた頃。ハルヒは何か悩み事を抱えているようだった。
「な~んか、最近誰かに見られているような気がしてならないのよね」
文化祭であれだけ目立つことをしたのだから、そりゃ人の目を惹くだろう。
「確かに、軽音部でもないのに次のライブの予定とか聴かれることもあったわ。
でもいまさら人目が気になるってこともないんだけど、な~んか違うのよね。」
じゃあ何か?文化祭のライブでハルヒファンクラブができたとか?
そりゃ気の毒な話だ。もちろんファンになった奴がだ。
いまさらこの問題児にほれる奴がいるとは思わなんだぞ。
「キョンは知らないかもしれないけどね。これでも高校に入ってから
告白とかされてんのよ。でも今はSOS団の方が大事だからそんなの無視しているだけ」
じゃあそいつらがストーカーになったっていうのも考えられるな。
「冗談。それは1学期の頃の話よ。2学期はそれは平和なものよ。
それに見られている感じがするのは明らかに文化祭後なのよ。」
そうか、ハルヒが普通の高校生ではないってことが全校生徒に知れ渡るまで、
4ヶ月で十分だったということか。
でもまあなんにせよ、用心するにこしたことはないな。
「そうね。キョンよろしく頼むわ」
「なにを?」
「きまってるじゃない。ボディーガードよ。そりゃまあ、私一人でも何とかなるけど、
万が一ってこともあるじゃない。それに団長の身を守るのは団員の役目よ。」
「なら小泉でも長門でも良いじゃないか?」
朝比奈さんはか弱い人だからボディーガードは無理だろう。
「何いっているのよ。小泉くんは副団長だから無理。
団長にもしものことがあったら、小泉くんが団長代理をしなきゃいけないのよ。
だから小泉くんがボディーガードをすることはありえない。
有希を危ない目にあわせるわけにはいかないわ。
それはみくるちゃんも同じ。
ってわけでキョン。あなたが一番適役なわけ。」
危ない目って。学校でそんな危ない目に遭う訳ないだろう。
まあ言い出したら聞かないのがコイツ、涼宮ハルヒなのだから
言っても聞く気はないんだろうな。
「さあ、出てきなさいパパラッチ!!私にちょっかい出したこと後悔させてやるんだから」
どうやらハルヒの中で相手はパパラッチに決まったようだった。
こうしてパパラッチ事件は始まったのだった。
「LOST MY PICTURE」 mission2
(2)電撃スキャンダル作戦!!
「それではみなさん。また明日。」
小泉がそういって部室をでる。
「みなさん、それじゃあまた明日部室で」
ぺこりとお辞儀をする朝比奈さん。あぁ、あなたをこのまま帰したくありません。
その横を長門が軽く会釈をして出て行った。
「さて、キョン。今朝のパパラッチの件なんだけれど。」
ああ、そんなことも言っていたな。
大体ボディーガードって言っても具体的には何をすればいいんだ?
「今まで考えていたんだけれど、あなたにボディーガードをやってもらうにしろ、
それだけだと効率が悪いと思うのよ。」
そうだなパパラッチの奴もハルヒの事を追いかけるのをやめてるかもしれないしな。
いやどこにいるか分からないパパラッチさん。
コイツを追いかけてもロクなことにはなりません。
悪いこと言わないから、早く諦めてそのストーカー行為をやめたほうがいい。
「で、どうすればパパラッチが出てくるか考えてたらビビッときたのよね~これが。」
「なにをだ。」
「出てこないのなら出てくるようなことをすればいいのよ。」
いったい何をする気だ?
「私がスカウトされて、アイドルになるとか事件があれば一番なんだろうけど、
もし、本当にそうなっても大変だから、ここはシンプルにスキャンダルを作ろうと思うの。」
スキャンダルって。これまたなんと言っていいのやら。
「スキャンダルって言えば恋人よ。って事でしばらくの間二人で登下校するわよ。
まっ、ボディーガードをするって決めた時点でそうするつもりではあったんだけどね」
ハルヒが言うに俺と二人で放課後を過ごせば、二人の仲を勘繰ったパパラッチが
逆上して出てくるのだと言う。
まあ、そんなにうまくいくもんかね。
「さっ。キョン帰るわよ。」
「LOST MY PICTURE」 mission3
(3)下駄箱にて
ハルヒと下駄箱に向かうと、ハルヒが下駄箱をあけてふと立ち止まった。
「ハルヒ、なにかあったか?」
するとハルヒは一枚の手紙を取り出した。
まさか!?ラブレターというやつじゃあるまいな!?
いやまて、それ以上にパパラッチからの嫌がらせの手紙?
パパラッチはそんなことはしないだろう。
でもハルヒを付回して居るヤロウがパパラッチと決まったわけじゃないからな。
用心に越したことはないだろう。
「ハルヒ、見せてみろ」
俺は半ば強引にハルヒから手紙を取り上げた。
「何するのよキョン。」
「もしかすると例のパパラッチの奴かも知れないだろう?」
「それはないわ」
というハルヒの目も少し不安が混じっていた。
俺は手紙の差出人を見てみた。
「1-1 坂本弥生、女からか・・・?」
「返しなさい。」
ハルヒが手紙を俺の手から取り返す。
「最近多いのよね。なんだか。お姉さまと呼ばせてくださいとか。
大体、私はそっちの気はないんだから」
じゃあ朝比奈さんとはどうなんだ?
「みくるちゃんは別よ。私のおもちゃなんだから」
「朝比奈さんのために言っておくが、朝比奈さんはハルヒの所有物ではない!!」
「SOS団の団員は私のもの。もちろんあなたも私のものだからね」
「断固として拒否する。」
「まっいいわ。帰りましょう。」
まったくもって良くはない。
「LOST MY PICTURE」 mission4
(4)二人の放課後
でっ今俺は何故かハルヒと放課後に二人きりで喫茶店なんかにいたりする。
この状況を誰か説明できるのならば説明して欲しい。
「ねえキョン。私達って今どんな風に見えるかな?」
そうだな、きっと一度言い出したら何も聞かないわがままな女子高生と
それに振り回される同級生程度だろうな。
間違っても恋人同士ではない。
「そう、それってまったく意味がないってことじゃない。」
そういってハルヒはむくれ顔になる。
まったくだ。ハルヒとこうして喫茶店にいる意味がまったくない。
「もっと恋人らしくしなさいよ」
しかしなぁ。本当の恋人でもないのに恋人らしくといってもだな。
そもそも、その相手はお前だぞ!!ハルヒ!!
朝比奈さんならともかく、そんなことできるわけがない!!
「何よその顔。私じゃ不満だって言うわけ。どーせ恋人のふりするにしても、
みくるちゃんのほうがいいなぁと思ってるんでしょ。」
お察しの通りです。
「まったく、キョン今の状況ホントにわかっているの!!」
だから、慣れない恋人ごっこの最中だろう?
「違う。パパラッチの件よ」
怒りに大声を荒げたハルヒだったが、さすがにパパラッチにばれては
不味いと思ったのだろう。声のトーンを下げていた。
「だから今こうしてここにいると」
「そうよ。だからアンタには恋人として目立って貰わなきゃ困るの。」
と言われてもな。こういうのは相互協力が必要だと思うぞハルヒ。
今日はそんなこんなでパパラッチが現れることはなかった。
いるなら早く出てきてくれ~パパラッチ。
「LOST MY PICTURE」 mission5
(5)小泉の弁論
どういうわけか、休み時間に小泉に呼び出しをくらった。
「昨日の事ですが、涼宮さんと何かありましたか?」
「どうしてそんなことを聞く」
「あれ。涼宮さんと一緒に下校したのではないのですか?」
「それは事実とだけ言っておこう」
「実はですね、昨日大規模な閉鎖空間が観測されたんですよ」
「観測された?なんか気になる物言いだな。
それの対処をするのがお前の仕事だと認識しているが?どうなんだ」
「はい。その通りです。僕も現場に向ったのですが、なぜか閉鎖空間は収束の過程でした。
大抵あそこまでの閉鎖空間が発生したのならば、そう簡単に収束しないのですが・・・。
ですから、あなたがらみかと思いまして。」
事あるごとにハルヒと俺をくっつけるのは正直やめてほしい。
とまあ、そんなことを言っていてもどうしようもないだろうから、
昨日ハルヒに聞いたことを小泉にも話してもみた。
「なるほど、パパラッチですか。この件に関してはこちらでも調べて見ましょう。
ですが、キョン。どうです?これを気に涼宮さんと付き合ってみては?」
「冗談じゃない」
「冗談なんてとんでもない。いたって真剣ですよ。
組織抜きにあなた方お二人はお似合いのカップルだと思いますよ。
互いに想い想われる。素敵じゃないですか?」
どこがだ!!激しく抗議したい!!
「それに涼宮さんもまんざらじゃないと思いますよ。
恋人同士を演じるのを提案したのは涼宮さんなんでしょう?
だったら涼宮さんはきっと心のどこかで本当になったらと願っているはずです。」
本当にそうだろうか?ハルヒの本当の気持ちというのはともかく、
小泉にはパパラッチを早急に発見していただきたい。
「LOST MY PICTURE」 mission6
(6)ハルヒのお弁当
ハルヒと二人で登下校するようになって数日の昼休みのことだった。
「キョン。ちょっと来なさい」
例のごとくハルヒに無理やり屋上まで連れて来られた。
一体何なんだハルヒ。
「今日はここでお昼にするわよ」
「そうか、じゃあ俺弁当取ってくるな。」
「それじゃ意味ないじゃない。」
ハルヒが小声で何かを言った。
「何か言ったか?」
「別に!!いい加減気づきなさいよ!!」
何をだ?
ハルヒを見て俺はハルヒの持っているものに気づいた。
ハルヒが手に持つ巾着袋。
まさか!!これはいわゆるお弁当イベントだとでも言うのか!!
恋人になりたてのラブラブな二人が「あ~ん」とかやりながら、
とても恥ずかしい思いをするアレか!!
どこぞのツンデレでもあるまいし、ハルヒに限ってそれはないとは思うが、
ここは一つ確認しておかねばなるまい。
「ハルヒ、一つ確認していいか?」
「何よ」
「俺の分の箸は持ってきてるよな?」
ハルヒが押し黙る。もしかして地雷を踏んだか~俺。
「何の心配してるのよバカキョン!!せっかく私がお弁当作ってきたんだから
素直に喜びなさい!!」
いや十分重要だと思うぞ。こっちは恥ずかしい思いをするか否かの問題だからな。
とまあ、こんな感じながらも恋人気分と言うわけじゃないが、ハルヒのお弁当をご馳走になった。
なんでもそつなくこなすハルヒだけあって、弁当は美味かった。
美味いと感想を漏らすとハルヒが嬉しそうな顔をするもんだから、
俺もまんざらにもなく嬉しかった。
「でもまあ、なんで弁当なんだ?」
「当然でしょ。恋人同士にとってお弁当イベントはとても大切なことなのよ。
お互いの親密さを周りに知らしめる重要なイベントなんだから!!」
だったら教室でやるべきなのでは?
もし本当にやったらやったで、俺へのダメージは計り知れないのだが。
「まあいきなりっていうのは恥ずかしいから今日はその予行演習。
明日は教室で食べるからしっかりしなさいよ!!」
おいおい本気か!?俺登校拒否するかも知れない。
「そもそも恋人同士ではなく恋人のふりなんだからそこまでしなくてもいいんじゃないか?」
「恋人のふりだからこそやるのよ。ちなみに休んだりしたら罰ゲームだからね」
すでに罰ゲームみたいなもんなんだがな。
「LOST MY PICTURE」 mission7
(7)パパラッチは?
おいおいこのままじゃ公開処刑よろしくハルヒの手作り弁当を
教室で食べるなんて事をしなけりゃならないわけだが、
一つ確認しておくことがある。
「ハルヒ、これは確認なんだがここ数日は妙な視線は感じないのか?」
「ああそのこと。感じるような感じないような。でもこれだけ私達の熱愛っぷりを見ているんだから
そろそろアクションを起こすに違いないわ!!」
なんか忘れていたような物言いだな、おい。
コイツのことだ手段と目的は履き違えないにしろ、同レベルくらいに手段に没頭していたのだろう。
「まあなんにせよ、その妙な視線とやらがなくなったら、俺達が恋人を演じることもないわけだし、
また長引くようであればこの作戦自体を考え直した方が良いと思うがどうだ?」
「それもそうね。目的はパパラッチのあぶり出しだもんね。」
「そういうことだ、だから教室でのお弁当はなしな」
「なんか納得いかないわね。まあ良いわ。やりすぎて返って変になるかもしれないしね。」
そう思ってくれるとありがたい。
「でここからは提案なんだが、今日は学校の見回りというのはどうだろう?」
「学校の見回り?またなんでそんなことやんのよ。」
「うむ、俺の感なんだが意外と犯人は学内に居るのかもと思ってな」
まあ文化祭でハルヒのパパラッチになる奴だ。どうせ学校関係者だろう。
意外と谷口だったりすると爆笑ものなんだが。
「まあいいわ。とりあえずキョンの提案に乗ってあげる。」
で放課後になった訳だが。
「ってなわけで、今日は学内の調査をやるわ。
文化祭というイベントを終えて学内には学校外の人間がたくさん出入りしたわ。。
でも来たのは人間ばかりとは限らない。だから人間外の存在が何か痕跡を残してないか
徹底的に調べて頂戴!!以上。」
仕方なさそうな顔してた割に結構ヤル気じゃねえか。
こうして各自思い当たるところを見回り、
なにか変わったところがないか調査してくることになった。
でもって俺はハルヒに連れられて体育館の調査に行くことになった。
「LOST MY PICTURE」 mission8
(8)写真部の陰謀
犯人は犯行現場に戻ると良く言うが、今更そんなことはないと思うぞ。
それにしても、今思い出しても文化祭の日、ハルヒがステージに立った時は驚きだった。
決して口外することはないだろうが、正直見惚れたね。
なんとなく俺は体育館を見回した。体育館内ではバスケ部とバレー部が部活動に精を出している。
体育館の外できらめくものがあった。
あれはもしやパパラッチ??
俺はハルヒに気付かれないようにそっとその光の方向へ行った。
もちろんハルヒと一緒に動くとパパラッチにばれるかも知れないからである。
そこに居たのはカメラ小僧。現在進行形でカメラを覗き込んでいる。
まさか本当にパパラッチだとは思わなんだぞ。
「えっと、そこのカメラマンさん。いい絵は撮れましたか?」
と俺はそのカメラ小僧に話しかけてみた。すると
「あっあのこれは決して盗撮というわけじゃなくてですね」
とかなんとか言い訳を始めやがった。
いやあ分かりやすくて何よりですな~。
「じゃあ何をしているんだ?」
「取材ですよ。取材。」
「何の?」
「えっとそれはですねぇ」
「なんで直ぐに出てこないんだ。取材なんだろう。」
「密着取材。SOS団団長涼宮ハルヒという。」
「ほう、それがここ数日ハルヒが感じていた視線の正体ってわけか?
じゃあ、当の本人に了承されているか聞いてくるから一緒に来なさい。」
「えっ」
とまあやりとりをしてるうちにハルヒがやってきた。
「ちょっとキョン。どこで油売ってるのよ。」
「ちょうどいいところに来た。ハルヒお前の密着取材をしているやからが居たんだが、
お前知っているか?」
「えっ密着取材。もちろんOKよ。SOS団の活躍を全国に知らしめて頂戴。
今丁度SOS団の活動でもある不思議を調査していたところよ。
どうせ取材するなら宣伝もお願いね。ところであんたどこの部?」
「写真部です。」
「そう、じゃあ写真なんか撮るんでしょ。どんなの撮ってるの見せてみなさいよ。
あんたの腕次第でSOS団専属のカメラマンに認定してあげなくもないわ。」
とハルヒは半ば強引にカメラを取り上げた。
せっかく密着取材に喜んでいるので、ここはパパラッチの話は避けておこう。
デジカメの画像を見ているハルヒ。表情は笑っているものの段々その顔が険しくなってきた。
「この写真はどういうこと?私の知らない写真があるんだけど。
これはもう肖像権の侵害よ!!こんな写真没収よ没収!!
何考えてるんだかわかりゃしない!!」
「えっ~そんな~勘弁してくださいよ。」
「問答無用よ!!そうねぇこのデジカメは取材料としていただいておくわ」
「おいハルヒ何もそこまでしなくてもいいだろう?」
「キョン。コイツがパパラッチなのよ。見なさいこの画像。ここ最近の私よ!!
私がコイツの所為でどれだけ不安な思いをしたか分かってる?
この精神的苦痛はこんなことじゃ癒されないわ」
ハルヒ、お前によって受けている俺の精神的苦痛はいったい何が癒してくれるんだ?
この写真部員に同情する余地はないものの、これ以上ハルヒに略奪を許すわけにもゆくまい。
俺はハルヒからデジカメを取り上げ、メモリースティックを抜き出した。
「これだけもっていけば良いだろう。これだけだってとられた方は痛手だ。」
「分かったわよ。じゃこれ貸しなさい。画像消してくるから」
と言ってハルヒは部室の方へ向かっていった。
「LOST MY PICTURE」 mission9
(9)LOST MY PICTURE
さて何はともあれパパラッチの正体見たりなわけだが一つだけ疑問がある。
俺の打ちひしがれている写真部員に声をかけた。
「何でハルヒを追い掛け回していたんだ、写真部員よ」
「キョンくん。だって涼宮さんですよ。バニーガールですよ。」
お前までキョンと呼ぶか。
しかしバニーガール?
「でも、ハルヒがバニーガールをしていたのは文化祭のときだろう?
なにも追いかけることはなかったんじゃないか?」
「僕はあの日、ステージの上にバニーを見たんです。
たとえ普段バニーガール姿じゃないとしても、レンズ越しにはバニーが見えるんです。」
これまた電波な発言だな、おい。
「しかし、カメラを持ってなんて、普通やらんだろう?」
「何言っているんですか?僕は彼女をこのレンズに納めることに快感を覚えているんですよ。
そんな普通じゃないなんていわないでください。」
そんなことに快感を覚えている時点で普通じゃないと思うがまあ敢えては問うまい。
「だいたい、そんなことをされたら誰だって不快に思うと思うが」
「すいません。そのことは分かってるんです。でもバレなければ良いかなって」
そういう割にはハルヒには気付かれていたようだがな。
「ところでどんな写真を撮っていたんだ?」
「ああぁ僕の写真~。まだデータをどこにもバックアップしてないんですよ~」
「それは自業自得だろ。今更嘆いても仕方ないと思うが?」
「あそこには文化祭の日から撮りためた涼宮さんの写真が沢山あるんですよ。
そうだキョンくんと涼宮さんとのツーショット写真もあるんですよ。
付き合ってるんなら欲しいですよね。
だから今から涼宮さんから取り返してきてくださいよ。」
なにぃ~。ハルヒ早くあのメモリースティックの中身を消してくれ。
「あれはなハルヒを追いかけるお前をあぶりだすための芝居だったんだよ。
あぁ!!こんなことならあんな事をするんじゃなかった。」
「そうなんですか。でも記念にどうですか。バニーとのツーショットなんてなかなか撮れないですよ。」
もういい加減にしてくれ!!
それにしてもあのメモリースティックのデータが消去されたかあとで確認しないといけないな。
その日の下校途中。
「ところでハルヒ。あのメモリースティックはどうしたんだ。」
「大丈夫よ。私がちゃんと保管しておくから。」
「いや、消去したんじゃないのか?」
「消したわよ~。でもあんたのあほ面も写っていたからそれは取っておくの。
だって、SOS団の貴重な記録を取っておくのは団長の役目でしょ。」
「今すぐ消せ。」
「まああの写真部、私を隠し撮りしていたのは正直許せないけど、
今考えるとなかなかの腕前よね。正式にSOS団のカメラマンになってもらおうかしら?」
相変わらず聞く耳持たずか。
なあ俺の肖像権は?っていっても聞かないのは分かってるさ。
大体どんな写真を取っておくんだよ。まさかツーショット写真じゃなかろうな。
ムズムズ。ああ言っていて震えがくる。
正直ハルヒが写真を何に使うかは気になるが、
人目に触れることがない限り忘れておくことにしておこう。
~~あとがき~~
「LOST MY MUSIC」に憧れて、なんか後日談を書いてみたいねと思ったのさ。
そしたらじゃあ「LOST MY PICTURE」なんてどう?って考えたのさ。
ならハルヒの追っかけでも登場させてと思いついたのさ。
すると自然に不安なハルヒに恋人を演じるキョンに至ったのさ。
でももうチョいハルヒらしさを表現したかったさ。
短めの文章を意識してハルヒにはすぐに引いてもらうケースが多くて悲しかったさ。
最後に読んでくれた訪問者の方に感謝を。
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