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2022.09.09
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斛珠夫人 Novoland:Pearl Eclipse
第21話「里帰りの旅」

紫宸(シシン)殿での祝宴が終わった。
方海市(ホウハイシー)は湯乾自(トウカンジ)に昭明(ショウメイ)宮で滞在すると断り、師匠にそれとなく目配せして遊廊を進む。
するとすぐ後から方鑑明(ホウカンメイ)が来たと分かった。
「今夜の月は美しいです、故郷の月のように明るくて丸い…」
すでに故郷の記憶もあいまいな海市、それでも月の美しさだけは覚えているという。
「師父から教わった詩です
 ″山之高 月出小 月之小 何皎皎 我有所思在远道 一日不見兮 我心悄悄″…」
「…忘れた」
「師父が忘れても私が覚えていれば十分です、ふふ」
鑑明は相変わらずそっけない態度だったが、海市が歩き出すと自然と口角を上げた。

↓師父、わろてる…


注輦(チュウレン)のため姉を模倣することで寵愛を得た淑容(シュクヨウ)妃・緹蘭(テイラン)。
すると翌朝、穆徳慶(ボクトクケイ)が皇帝の命じた涼薬を差し出した。
「陛下は今に至るまで嫡子がなく、掟に照らして生むことは叶いません
 あ、ですが今、皇后のお席は空いておりますし…古いしきたりに従わなくても…」
しかし緹蘭は深く傷つきながらも、自ら避妊薬を一気に飲み干してしまう。

旭(キョク)帝・褚仲旭(チョチュウキョク)は結局、朝議で注輦への援助を決定、その夜も緹蘭を夜伽に呼んだ。
「紫簪(シサン)を演じたいのであろう?…今後、天啓(テンケイ)では作法を忘れるが良い
 これからは日夜、共にいよう、先はまだ長い…」
こうして緹蘭は姉の身代わりという屈辱に耐えながら、朝になれば涼薬を飲む生活が続いた。

( ゚ェ゚)もういらんですよ、皇帝のエピw

海市は方卓英(ホウタクエイ)の何気ない仕草を見て左菩敦(サホトン)王のことを思い出した。
「鵠庫(コクコ)左部の新王に会ったことはある?」
「…突然、どうした?」
「新王に会ったけどビックリしたわ___髪の毛と目の色以外は瓜二つだ!
 そう言えば紅薬原(コウヤクゲン)で師父に拾われたはず…(はっ!)もしや新王とは…」
「おい!似ているヤツなんてたくさんいる、ただの偶然だ」
すると卓英は何でもかんでも詮索しないようたしなめ、話をはぐらかした。

海市は釣りに出かける方卓英と鞠柘榴(キクシャリュウ)を見送った。
日中は日差しが強いため、卓英は柘榴を気遣って夜に出かけることにしたという。
しかしその帰り道、海市は偶然、巡回する兵士の中に紛れ込んだ湯乾自に気づいた。
…湯乾自?なぜ宮中に?…
海市は湯乾自の後をつけてみると、驚いたことに愈安(ユアン)宮の中へ消えた。

湯乾自は回廊で密かに淑容妃の様子を盗み見ていた。
どうやら緹蘭は子供を望まず避妊薬を飲み続け、激しい腹痛に耐え忍んでいる。
緹蘭の思わぬ苦境に胸が痛む湯乾自、一方、方卓英と鞠柘榴は釣りを楽しみながら、次第に距離を縮めていた。

方鑑明はこの休暇に臨碣(リンケツ)郡の海辺に行くと決め、海市を里帰りさせることにした。
そこで海市は出発前、方卓英に淑容妃への贈り物を預ける。
それは迦満(カマン)人から習った捕夢鈴(ホムレイ)で海市の手作り、この鈴を吊るすと夢を見ないでよく眠れるという。

↓回廊でばったり…くるりんパッ!

( ゚ェ゚)だからいらんって___こういうエピ

↓馬車で居眠りする計算高い海市(←下種の勘繰りw

( ゚ェ゚)師父、わろてはる___

褚仲旭は宮道を移動中、偶然、緹蘭のウサギを抱いている女官を見かけた。
なんでも淑容妃がウサギの面倒を見ることができず、綾錦司(リョウキンシ)に預けに行くところだという。
褚仲旭は緹蘭の怠慢に呆れながら、今夜も夜伽に呼んだ。
しかしいつまで経っても緹蘭が現れず、代わりに侍女・碧紫(ヘキシ)がやって来る。
碧紫は淑容妃が風邪だとごまかしたが、憤慨した褚仲旭は本当かどうか自分で確認すると言った。

緹蘭が目を覚ますと、眠っている間に碧紫が金城宮へ出かけたと聞いて呆然となった。
一歩間違えば碧紫が自分の巻き添えになってしまう。
その時、碧紫が駆けつけ、皇帝の来訪を知らせた。
緹蘭は寝台から降りて拝礼、すると褚仲旭は自分の夜伽を拒んだとして外でひざまずけと命じる。
驚いた碧紅(ヘキコウ)は涙ながらに恩情を求めたが、緹蘭は罪を認めて外へ出ようと立ち上がった。
しかしそこで失神してしまう。

侍医は毎日の涼薬が淑容妃の身体に合わず、激しい痛みの発作に襲われていると説明した。
「よく今日まで持ちこたえました」
聞けば淑容妃は自ら治療を拒み続け、侍医も手をこまねいている状態だったという。
自暴自棄のような緹蘭の行動に戸惑う褚仲旭、しかし素直に緹蘭を心配することもできず、侍医に治療を命じて帰って行った。

鞠柘榴はこれまで通り繍女たちと同じ居所を使っていた。
しかし蘇姨(ソイ)に促され、典衣だった叔母の部屋に移ることにする。
柘榴は独りになるとしばし叔母との思い出に浸り、ふと涙があふれ出した。
「姑姑を殺し、綾錦司を害した犯人を必ず見つけ出します…」
すると柘榴は偶然にも机の下から暗号が刺繍された密書を発見する。
…今日、瀚(カン)州の北は平静、すべては平安
…鵠庫左部は黄泉(コウセン)関外に至った
柘榴はこれが瀚州に潜ませた間者から叔母に届いた情報だと分かったが、なぜ叔母はこんなところに隠していたのだろうか。
実は密書は他にもあった。
…その捕虜は女子
…方海市は方鑑明の想い人であり、蘭茲(ランシ)に潜ませた間者だ

故郷へ到着した海市は母と再会、2人は抱き合って喜び涙した。
海市は方鑑明を軍で一緒に育った友人だと紹介したが、そのせいで葉母は娘たちの関係を誤解し、方鑑明が娘の夫にふさわしい相手なのか質問攻めにしてしまう。
「家柄が違いすぎるかしらねえ~」
「阿娘…( ̄▽ ̄;)」
鑑明はまんざらでもない様子だったが、海市は気まずそうにうつむいた。

つづく


(@_@)かあさん、本番まであとどれくらいでしょうか?

※張玉娘の″山之高″より
「高い山から昇る月 小さくとも美しい 思い人は遠いところ 1日会えぬと心が寂しい」
″宮廷の諍い女″でも甄嬛が詠んでましたね〜懐かしい





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最終更新日  2022.09.09 13:47:06
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