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レガシィの略歴
スバル・レガシィはスバルの大黒柱であったレオーネの後継機種として1989(平成元)年2月に登場。
「大いなる伝承物」という意味の通り、スバル1000以降培ってきた「水平対向エンジン」「乗用4WDシステム」を継承し、
それらの技術を昇華させたものとして堂々とデビューした。
初代から数えて19年・4代、2003年には国内販売累計が100万台、2005年には世界生産累計が300万台を突破した、
スバルの屋台骨でもある。
初代BC型(セダン)・BF型(ツーリングワゴン)
水平対向4気筒のEJ型エンジン1.8L/2.0L/2.0Lターボ/2.2Lを搭載
当時のキャッチコピーは「もっと、クルマになる」。
地味な存在だったレオーネを超越し、より身近なクルマへと進化させたコンセプトがヒットする。
また、登場時にFIA(国際自動車連盟)公認の『10万キロ世界速度記録更新(平均速度223.345km/h)』という金字塔を引っさげた事でも話題に。
市販車と同じラインで作られたセダンRS(2000ccDOHCターボ)によって成し遂げられた事が驚きをもって迎えられることとなる。
登場から半年後の1989(平成元)年9月には、ターボでありながら実用域での扱いやすさを重視したセッティングの200PS仕様、「GT」が登場。
折からのバブル景気で「ハイパワー4WDワゴン」という独自のカテゴリーを創りあげ、爆発的なヒットの原動力になった。
このツーリングワゴンGTの登場で、「ステーションワゴン」というジャンルに各メーカーがこぞって参入する事となる。
またBC型セダンでは本格的にWRC(世界ラリー選手権)へと参戦、1993年にはラリーニュージーランドで悲願の優勝を遂げた。
今では乗用車部門から撤退しているいすゞ自動車へはセダンモデルが『アスカCX』としてOEM供給されていた。
2代目BD型(セダン)・BG型(ツーリングワゴン)
水平対向4気筒のEJ型エンジンは1.8L/2.0L/2.0Lターボ/2.2L/2.5L
代名詞となった2.0Lターボは2つのタービンを持つ「シーケンシャルツインターボ」へと進化、250PS(A型)のハイスペックを誇った。
2代目ではこちらも群馬の製造ラインから無作為に抽出されたツーリングワゴンGTによって、
FIA公認「ステーションワゴン多量生産車向改造部門」の世界速度記録249.981Km/hを樹立、エアコンやサンルーフが付いたままでの話である。
クルマ通の方なら「ソルトレイクを駆け抜けるグリーンのレガシィ」を記憶されている方も多いだろう。
・1993(平成5)年10月にフルモデルチェンジ。
・1994(平成6)年10月には初の2500ccモデル「250T」が登場。
・1995(平成7)年8月、アメリカ向けで好評を博したクロスオーバー型機種「グランドワゴン(2500cc)」設定。
・1996(平成8)年6月、マイナーチェンジ(B型)。「全性能モデルチェンジ」を合言葉に、全エンジンがブラッシュアップ。
ビルシュタイン製倒立式ダンパーストラットを採用したGT-Bの登場もこの時。
GT-Bの5速マニュアル車は2000ccでありながら当時の自主規制枠いっぱいである280PSを達成、
4速AT車も10PSアップの260PSへと性能が向上している。
・1997(平成9)年6月に年次改良でC型へ。好評を博したGT-Bに「本木目ハンドル」と「専用バンパー」を装備したGT-B Limited追加。
グランドワゴンも「グランドワゴン・ランカスター」として小変更、アメリカ版アウトバックに近い外装とカジュアルな内装に変身。
3代目BE型(セダン)・BH型(ツーリングワゴン)
水平対向4気筒のEJ型エンジンは2.0L/2.0Lターボ/2.5L、後に水平対向6気筒のEZ型3.0Lが追加
長らくスバルワゴンに存在した1.8Lエンジンがこのモデルから消滅している。
1998(平成10)年6月にフルモデルチェンジ、キャッチフレーズは「新世紀レガシィ」。
2代目BGワゴンに引き続きFIA公認「ステーションワゴン多量生産車向改造部門」の世界速度記録へと挑戦、
それまで保持してきた最速記録をあっさり更新、270.532Km/hを樹立している。
3代目からセダンには『B4』というペットネームが付き、ツーリングワゴンに埋没気味だったセダンの個性を確立。
その由来は「BOXER+4WD」の略とも、イタリア語で高性能セダンを意味する「Berlinetta(ベルリネッタ) 4Door」の略とも言われる。
発売はツーリングワゴンに遅れること半年、同年12月である。
・1999(平成11)年5月、年次改良でB型へ。ツーリングワゴンにスポーツシフトを搭載した「GT-B E-tune」を追加。
・2000(平成12)年5月、ランカスターに新開発水平対向6気筒エンジン「EZ30」を搭載した「ランカスター6」を追加。
・2002(平成14)年1月にはB4に「RS30」、ワゴンに「GT30」追加。「ランカスター6」同様にEZ30型エンジン搭載。
4代目BL型(セダン)・BP型(ツーリングワゴン)
水平対向4気筒のEJ型エンジンは2.0L/2.0Lターボ/2.5L、水平対向6気筒のEZ型エンジンが3.0Lは変化せず。
ただし、ドライブバイワイヤによるスロットルの電子化を実施。
またターボはツインスクロール仕様のシングルターボに変更されている。
2003(平成15)年5月にフルモデルチェンジ。「存在として、美しいか、否か」をキャッチフレーズに登場するが、3代目まで死守した5ナンバーボディを捨て、
3ナンバーサイズで登場し物議を醸す。また、エミッション対策として採られた「等長等爆エキゾースト」によって独特の排気音が姿を消す。
・2003(平成15)年5月、ツーリングワゴン発売
・2003(平成15)年6月、セダンB4発売
・2003(平成15)年10月、ランカスター後継となるアウトバック発売(当時はレガシィの名を名乗らなかった)
・2004(平成16)年5月の年次改良(Bタイプ)でセダンB4に「2.0 CNG(圧縮天然ガス車)」追加、群馬県の公用車にも採用される。
・2006(平成18)年5月にマイナーチェンジでD型へ。ダイヤル操作で変速タイミングや出力コントロールができる新システム「SI-DRIVE」をターボ及び3.0モデルに採用。
・2007(平成19)年5月、年次改良でE型へ。レガシィ初となるレーダークルーズコントロールを搭載した「SI-Cruise Limited」が正式にカタログに登場。
※レガシィに限らずスバル車は毎年小変更を重ねる。
○○年式、という表現では整理が付きにくく、「アプライドモデル」という表現でA・B・C・D…と順に称される。
実車に装着されるラベルにもアプライドモデルが表記され、BG型2000ccAWDモデルのアプライドB型であれば『BG5B』と記されるため、
ファンのみならずアフターパーツメーカーでもアプライド形式をカタログに記載する所が多数であるようだ。
それほどスバル車の年次改良はきめ細かいのである。
本稿ではすべてを網羅しきれないので、大きな改良のみ掲載した。
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