世界中でヒット驀進中のディズニーアニメ『アナと雪の女王(原題:frozen)』の主題歌、『Let It Go』世界25カ国歌姫リレーバージョンです。
世界には、なんと歌のうまい人が、しかも美貌を備えた女性があまた存在しているのでしょうか。
日本代表、松たか子も全然負けていないのがうれしいです。
しかもテーマにあたる「LET IT GO」の部分を担当しているというのは、世界における日本の存在感を主張してくれて、おもわずナショナリズムがわきました。
その日本語版の歌詞が素晴らしい。
もともとの歌詞も良いのですが、おおむね海外の歌を”訳詞”すると日本語にうまくはまらなくなるものですが、この歌は言葉と口の動きがばっちり合っているのです。
「LET IT GO」は「そのままで」「ほっとけよ」「なるようになるさ~」という意味ですが、そこに「ありの~ままの~」という日本語をあてはめたのがすごい。
「GO」の「オ音」を「のー」で韻を踏ませています。
訳詞したのは、劇作家、台本翻訳者の高橋知伽江さん。
元劇団四季の作家で、海外舞台脚本、ミュージカル翻訳のスペシャリストです。
歌としての完成度を高めるために、他の部分も意訳が加えられて(あるいは削られて)少し趣旨と離れてしまうわけですが、全曲口の動きと見事にシンクロさせていて、このぴったり感が実に心地よいのです。
降り始めた雪は 足跡消して
真っ白な世界に一人の私
風が心にささやくの
このままじゃだめなんだと
戸惑い傷つき
誰にも打ち明けずに
悩んでたそれももう
やめよう
ありのままの 姿見せるのよ
ありのままの 自分になるの
何も恐くない
風よ吹け
少しも寒くないわ
悩んでたことが嘘みたいね
だってもう自由よ
何でも出来る
どこまでやれるか
自分を試したいの
そうよ変わるのよ 私
ありのままで 空へ風に乗って
ありのままで 飛び出してみるよ
二度と涙は 流さないわ
冷たく大地を包み込み
高く舞い上がる思い出描いて
花咲く氷の結晶のように
輝いていたい
もう決めたの
これでいいの
自分を好きになって
これでいいの
自分を信じて
光浴びながら
歩き出そう
少しも寒くないわ
元の詞と比べると、違いが分かると思います。
原詞には女王であることの苦悩、隠れて耐える知られざる努力が嘆かれています。
それが続けらえなくなった時に、もうどうにでもなれ、という開き直りが” LET IT GO ”という
言葉になりました。
詞の内容としては、原詞の方が作品のメッセージに符合します。
The snow glows white on the mountain tonight
Not a footprint to be seenA kingdom of isolation,
And it looks like I’m the Queen.
白く輝き雪が山に降り積もる今夜
足跡一つ残らない
孤立した王国、
そして私はその女王のようね。
The wind is howling like this swirling storm inside
Couldn’t keep it in, heaven knows I tried
風は心の中を渦巻く嵐のように唸り響く
抑えておく事が出来なかった 私の努力を神様は知ってるわ
Don’t let them in, don’t let them see
Be the good girl you always have to be
Conceal, don’t feel, don’t let them know
Well, now they know
誰も中に入れてはいけない、誰にも見られてはいけない、
いつも良い子でいなければならない
隠し、感じてはいけない、人々に知られてはならない
でも、もう知られてしまった
Let it go, let it go
Can’t hold it back anymore
Let it go, let it go
Turn away and slam the door
もういいわ、これでいい
これ以上は抑えられない
もういいわ、これでいい背を向け、ドアを閉めるの
I don’t care
What they’re going to sayLet the storm rage on,
The cold never bothered me anyway
誰に何を言われても
気にはならない
嵐よ、吹き荒れればいい
元々、寒さなんて平気だったの
It’s funny how some distance
Makes everything seem small
And the fears that once controlled me
Can’t get to me at all
こうして離れて見ると、
全てが小さく見えて不思議ね
私を支配してきた恐れは
私の近くにも寄ってこない
It’s time to see what I can do
To test the limits and break through
No right, no wrong, no rules for me
I’m free
今こそ、何ができるか試してみる時
限界を知り、打ち破ってみる
正解も間違えもルールもないわ
私は自由
Let it go, let it go
I am one with the wind and skyLet it go, let it go
You’ll never see me cry
もういいわ、これでいい
自然に身を任せるの
もういいわ、これでいいの
もう泣くこともないわ
Here I stand
And here I’ll stay
Let the storm rage on
ここに私は立ち、ここに残る
嵐よ、吹き荒れればいい
この歌が誕生したことで、物語におけるエルサ(女王)の立場が変わったと、制作秘話の中に書かれてありました。
”ディズニー史上初のふたり主人公”などと宣伝していますが、もともとエルサは主人公に対立する悪役の設定だったようです。
それが一曲の歌でストーリーが変わってしまいました。
(映画の世界では結構あることで、黒沢明の『酔いどれ天使』は、チョイ役だった三船敏郎があまりに素晴らしかったので、エピソードをふくらましているうちに、映画の主役になったとか。)
エルサの苦悩と、そこからの立ち直りが物語のテーマに加わりました。
僕の職場の女性が『アナと雪の女王』を見たいと前から言っていて(一緒に行こうというわけではなく)、ちょっと調べたらこの歌に出会い驚きました。
実際に見てから書こうと思っていたのですが、なかなかチャンスがなく(彼女を誘うタイミングがなく?)見そびれていたら話題になってしまったので、とりあえず書いてみました。
「LET IT GO」は、当ブログのテーマ、「すべてを受け入れる」「まっ、いっかぁ」につながる”心の言葉”です。
ひとは皆”自由”な”主役”です。
責任や重圧に耐え続けなければならない状況は、”環境”か”本人の認識”のどちらかに問題があります。
困難な状態は、離れた位置から客観的に眺めることが解決につながります。
ものごとはなるようになる。
運命の流れに身を任せるもよし。
こだわりに固執せず、すべてを捨てた無私の目で見直す。
そんな心のしなやかさが、時には必要なのです。
(なんて書いて、映画を見たらぜんぜん違うテーマだったらどうしよう。)
『歩き続けよう』佐野有未 and 感謝・42… 2016年11月21日
Nobody is Right 2015年10月02日
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