聡明の旅館

聡明の旅館

第四話



最終話  「愛しき人」


事故から五日がたった・。
ハルミの記憶喪失はまだ続いている。
だけどそんなことにくじけていられない。
そうおもってヨウジは看病を続けている。

ガラガラ・・・
「おはよぉ~ハルミ。」
「おはようございます。ヨウジさん今日は学校なんじゃぁ?」
ハルミは他人行儀に言った。
「今日は学校休んだ。落ち着かなくてさ。
 あとヨウジでいいっていったろ?他人じゃないんだからさ。」
「ヨウジ・・・さん・・。ごめんなさい。まだちょっと・・。」
「いいさ。思い出した時に呼んでくれ」
「ごめんなさい。」
そういう会話にも慣れてきた。
「今日は具合はどう?」
「はい。大分よくなりました。何も見えませんが。^^」
笑ってはいるがどこか悲しそうだ。
「俺に出来ることがあったらなんでもいってくれ。
 何でも引き受けてやるからな!^^」
「ありがとうございます・・・ケホッケホ・・・」
「大丈夫か?あんまり無理しなくていいぞ。」
「大丈夫です。なんでもありません。^^」
ハルミはそういってヨウジに笑いかけた。
だが、ヨウジは知っていたのだ・・・。

~二日前~---------------
「さて、ハルミが散歩に行ってる間に帰るか。」
いつもの看病もおわり帰ろうとしているときだった。
ふとゴミ箱に目がかかった。
「ん?なんだあれ・・・・!・・・こ・・これ・・
 血じゃねぇか・・・・。」
そのときヨウジに不安がよぎった。

帰りにハルミの家によった。
「こんばんわ~。」
「あら。ヨウジ君。今日はどうしたの?」
「ハルミの事なんですが・・・」
そうヨウジが切り出した時、
「聞きたいことはわかってる・・。ハルミの身体の事でしょ・・?」
「はい・・。」
そこでおばさんの口から悲しい結末をしらされたのだ。
「ハルミはねぇ・・・もぉ後一週間の命なのよ・・・。」
おばさんは涙をこらえて言った。
なんどきかなければよかったとおもったか。
ヨウジは
「助かったんじゃないんですか!?」
「ほんのすこししか生きられないの。
 事故の時に心臓を大きく損傷してて
 生きてるのが不思議だって・・・・うぅ・・・」
「そ・・・そんな・・。」
ヨウジは黙ってハルミの家を飛び出した・・。

~翌日~

ガラガラ・・・
「あ、ヨウジさん!おはようございます^^」
「お、おはよう^^;」
心配をかけまいとヨウジは感情を隠した。
「ヨウジさん今日は体調悪いんですか?
 なんだか声が変でしたよ?」
「だ、だいじょうぶだよ!・・あれ?
 入ってきたのがなんで俺だってわかったんだ?」
「ヨウジさんの臭いがしたから・・あと
 扉のあけ方が独特だから・・クスクス。」
いつもの他愛もない会話が続いた。
そして30分程たった頃、
ヨウジが
「今日は内緒で外にいかないか?」
「え?・・・でも・・。」
「大丈夫だって!ほらほら。」
「・・・いきます!・・・今行かないと・・」
「ん?なんか言った?」
「いえ・・・なんでもないです。」
変な雰囲気ではあったがヨウジは気にはかけなかった。
この先悲しいことが起こることも知らずに・・・・


            ~つづく~


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