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MLBコラム4
●MLBコラム4●
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2003-06-03 「オンリー・ワンへ」
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昨年から月間打率が下がり続けていた
イチロー
だが、ようやく本来の姿を取り戻してきた。
5月を終えてのイチロー・・・過去2年と比べると、打率がやや低く、本塁打と三振が増えている。ややもするとバッティングが粗くなってしまったような印象だが、決してそうではない。
メジャー3年目。今のイチローはさらに進化していく途上にあると考えられる。俊足打者の多くが徐々に
パワーヒッター
へと変貌していくように(典型的な例がバリー・ボンズ)イチローもその転換期なのではないだろうか?
オリックス時代、1994年に
210安打の日本新記録
を達成したイチローはその翌年急激にパワーアップし、本塁打があと3本出ていれば盗塁王を含むあわや
四冠王
という大活躍でリーグ優勝に貢献、連続MVPを獲得した。
メジャーに場所を移しても同じようにパワーヒッターへと進化しつつあるイチロー、しかし彼は多くの先人達とは違い、そのスピードを維持したまま突き進んで行くに違いない。
120年を越えるメジャー・リーグ。
その歴史上、走・攻・守のトータルで
「イチロー・スタイル」
のプレイヤーはほとんどいない。
そしてイチローはさらに
「オンリー・ワン」
の境地へ・・・。
「史上最高のパーフェクト・プレイヤー」
・・・
彼の進化の先にはきっとこの称号が待っているはず。
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2003-06-11 「遅咲き投手」
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マリナーズの左腕
「ジェイミー・モイヤー」
が早くも両リーグ最多の10勝!
その存在感は年を重ねるにつれ一層際立ってきている。
一般的に、投手は年とともに衰えていく球速を技術や経験でカバーしていくものであるが、もちろん例外も存在する。
歴代最多の奪三振数を誇る
「ノーラン・ライアン」
は
メジャー初登板の初球に投げた速球と、最後の年(46才)の試合で投げた速球が同じ速さだったという伝説の持ち主である。
そして40歳投手・
モイヤー
も例外の一人といえる。
速球のスピードは17年前と変わることなく、
しかもコントロールは進歩し続けているという脅威の投手なのだ!
もっとも、ライアンが「160キロ」以上の剛速球を投げていたのに対し、モイヤーはもともと「140キロ」が精一杯という違いはあるが・・・。
モイヤーの脅威はこれだけではない。20代では1度しか二桁勝利がなかったのに、30才を過ぎてからなんと8度、今年を含めれば
9度の二桁勝利
となる!
さらに2001年には38才10ヶ月で初の20勝に輝くという歴史的な
「超遅咲き」
ぶりなのだ!
そこで過去の
「300勝投手」
及び
「現役の高齢(?)投手」
とモイヤーを、
30歳以降での勝利数の比率で比較してみた。
主な300勝投手と現役投手の比較
名前(※は現役)
通算
勝利数
30才以降の
勝数の割合
フィル・ニークロ
318
.830
ジェイミー・モイヤー※
174
.805
ゲイロード・ペリー
314
.758
ウォーレン・スパーン
363
.702
ランディ・ジョンソン※
225
.698
エディ・プランク
326
.663
チャック・フィンリー※
200
.635
レフティ・グローブ
300
.617
・
サイ・ヤング
511
.577
・
ロジャー・クレメンス※
299
.492
・
・
ウォルター・ジョンソン
417
.391
クリスティー・マシューソン
373
.295
なんとモイヤーは
その
勝利数の8割以上を30才過ぎてから
あげているのだ!
MLBの歴史を振り返っても非常にまれなケースといえるのである。
あと26勝で通算200勝の大台に乗るモイヤー、
そして30才以降での勝利割合で
「ニークロ」
を越えることになる
「201勝目」
をあげた時、史上に残る遅咲き投手となる!
予定は再来年の4月! それまでモイヤーに注目!
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2003-06-26 「最強デュオ -打点編-」
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「トロント・ブルージェイズ」・・・ア・リーグ東地区で万年3位のこの球団が、今年はヤンキース、レッドソックスとともに三つ巴の首位争いを演じている!
投の柱で11連勝中の「ロイ・ハラディ」の活躍もさることながら、
「バーノン・ウェルズ」「カルロス・デルガド」
の3,4番の破壊力には凄まじいものがある!今年は二人とも非常に勝負強く、とく打点数は、現在メジャー全体でも1位と2位。もうすぐペナントレースも半分終るが、このペースを最後まで維持すると
「150打点コンビ」
の誕生となるかもしれないのだ!!
同一チームからの「150打点コンビ」となると、1949年のレッドソックス
「テッド・ウィリアムズ(159打点)」&「バーン・ステファンス(159打点)」
以来54年ぶりの快挙になる!
「史上最強のパワーデュオ」
といえばヤンキースの
「ベーブ・ルース」
と
「ルー・ゲーリッグ」
が思い浮かぶが、この二人は「150打点コンビ」を史上唯一
3度
成し遂げているだけでなく、歴代順位でも1~3位を独占!とくに1931年の二人合わせて
347打点(ゲーリッグ184打点、ルース163打点)
は永遠不滅の数字かもしれない。
下の表は同一チームにおける、コンビでの打点の歴代上位記録である。
歴代打点コンビ 上位記録
赤字
は二人とも150打点以上、
青字
はその年の打点王
コンビでの
打点
選手名
打点
選手名
打点
チーム
年
347
L・ゲーリッグ
184
+
B・ルース
163
NYヤンキース
1931
339
L・ゲーリッグ
175
+
B・ルース
164
NYヤンキース
1927
327
L・ゲーリッグ
174
+
B・ルース
153
NYヤンキース
1930
326
L・ゲーリッグ
159
+
J・ディマジオ
167
NYヤンキース
1937
325
H・ウィルソン
191
+
K・カイラー
134
CHIカブス
1930
321
A・シモンズ
165
+
J・フォックス
156
RHIアスレチックス
1930
320
A・シモンズ
151
+
J・フォックス
169
RHIアスレチックス
1932
318
T・ウィリアムス
159
+
V・ステファンス
159
BOSレッドソックス
1949
313
H・ウィルソン
191
+
G・ハートネット
122
CHIカブス
1930
308
H・ウィルソン
159
+
R・ホーンズビー
149
CHIカブス
1929
306
B・ルース
171
+
B・ミューゼル
135
NYヤンキース
1921
300
J・ディマジオ
167
+
B・ディッキー
133
NYヤンキース
1937
果たしてブルージェイズの二人は歴史に名を残す「パワーデュオ」となるのか?
そしてチームは「万年3位」から抜け出せるのか?
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2003-07-03 「前人未到と一時代の優秀」
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ヤンキース・松井秀喜
が6月の月間最優秀新人に選ばれた。
日本人としては、2001年の
イチロー
、2002年の
石井一久
に次いで3人目となる。
(イチローは4回受賞)
今年で3年目のこの賞・・・制定以来、毎年日本人選手が1度は受賞していることになるが、もっと前からこの「月間最優秀新人」の表彰があったら、当然、野茂、佐々木も複数回受賞していただろう。
現在では、日本人メジャーリーガーが当たり前のように活躍しているが、果たして、日本プロ野球の一流選手なら誰でも同じように活躍できるほどにまでMLBとの差が縮まったと言えるのだろうか?
メジャーで、数年間に渡り活躍し「通用している」と言えるのは、
野茂英雄、佐々木主浩、イチロー
の3人。
この3人が3人とも、プロ野球で前人未到の大記録を引っさげてのメジャー入り・・・ということを忘れてはいけない。
(※マリナーズ長谷川もチームに欠かせないセットアッパーだが、日本のように先発投手の座をつかむことはできておらず、ここでは除外)
野茂英雄
・・・
・・・・新人の年から
4年連続で最多勝利&最多奪三振
という大記録を達成。それまでは3年連続の最多勝利すら存在していなかっただけに、まさに前人未到。(現在は西武松坂が3年連続を記録)
佐々木主浩
・・・
・・・・通算セーブ数、年間セーブ記録等、日本での
あらゆるセーブ記録を大幅に更新
してのメジャー入り。(先日ヤクルト高津が佐々木を抜く通算セーブ日本記録を更新)
イチロー
・・・
・・・・いまさら言うに及ばず、年間安打、通算打率、7年連続首位打者など、アベレージヒッターのあらゆる記録を塗り替えた
日本史上最高の野球選手
。ほかにも連続打席無三振、連続試合出塁なども日本記録。まさに空前絶後の存在。
といった具合。
では
松井秀喜
はというと・・・・
現役の日本人選手としては一番の長距離砲で、怪我無くコンスタントにハイレベルの成績を収めてきてはいるが、
王貞治の13年連続の本塁打王、落合博満の3度の三冠王、といった圧倒的な歴史的記録(先の3人がもっているような)は、実は何もないのである。
ここまでは好調なチーム、打線のおかげで打点を稼いでいるが、後半戦も同様なチーム状態が果たして続くのか、それは誰にも分からない。
打撃3部門(打率・本塁打・打点)で唯一チーム状態と関わってくる
「打点」
、この多さだけで「通用」していると判断するのは明らかに危険である。
自分の力で数字を残せる
「打率」
と
「本塁打」
、特に松井にはやはり
「本塁打」
にこだわってほしい。もう適応はできているのだから・・・。
先の3人とは違い前人未到ではない松井・・・
歴史的に見て圧倒的でなければやはりメジャーでは「通用」しないのか、
それとも石井一久同様、
「一時代の優秀さ」
で「通用」するのだろうか。
数年後に出るであろう答えは、
「誰でも手が届くメジャー」か?「やはり果てしなきメジャー」か?
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