『M』


馳 星周著

このタイトルのMはどうやらマゾのMらしい。
実際この本は4つの中篇小説からなるオムニバスであるが、かなりきわどいセックス描写を含んでいる。
ただし、そのどれもが反モラル的な要素、すなわちタブーが主題となっている。
義理の妹への変愛、実の弟との性行為、主婦の売春、そして母親犯し。
もしこれだけの素描で終っていたのであれば、はっきりいってこの小説は読むに値しない。
(そうはいっても表現自体、なかなかそそるものではあるが。。)
面白いのは、話の底辺にオイディプス・コンプレックスが流れていることだ。
タブーとされる性行為の後ろ側にはつねに父親の影が潜んでいる。
とくに最後の『M』はまさに現代版のオイディプスの物語ではあるまいか。
そういう意味ではただのエロ小説ではないぞという気概は感じる。
ただし。。。とにかく表現がエロい。。
そういうのに抵抗が無い人にしかお勧めできない。


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