c - Rakuten Inc
100万ポイント山分け!1日5回検索で1ポイントもらえる
>>
人気記事ランキング
ブログを作成
楽天市場
054798
HOME
|
DIARY
|
PROFILE
【フォローする】
【ログイン】
いつも通りで時々異常。
3(前編)
昼動き、夜静まる。
ヒトの摂理に反することなく既に、これから来る明日の為にと備え、室内の明かりを消し、温かい布団の中でそれぞれに、夢という現実と似て異なるモノの中で本能的に脳を整理しつつ今日という日を振り返る中、漆黒の髪と眼を持つ少女は淡々と歩いていた。
時折ふと何かを探すように立ち止まり辺りを見回す。
しかし、その黒眼に映るは夜の世界を支配する、闇。
草木は静かに流れる風に揺れ、遠くに聞こえるのは虫の音か――。
長く歩いていたらしく、履いていた下駄の鼻緒は擦り切れかかり、足に食い込み、白い足袋に赤く滲む染みをつくる。
かなりの痛さのはずだろうが、じわじわと流れ出る血を見つめる少女の顔には、不思議な事に笑みさえある。
――少女は歩く。
「自分」の居場所を探して――。
少女は歩く。
本当の「自分」というものを認めてもらうために――。
少女は、歩く――。
闇から抜け出すために――。
確かな信念の下、少女は進む――。
「ふわぁーぁあ…」
新しい学年になり、新しい教室で、中学の頃とさほど変わらない授業を受けながら、大きな欠伸をしている生徒がいる。
窓から差し込む暖かそうな日の光りをけだるそうに赤いプラスチックフレームの眼鏡の向こうに見ているのは、昨日式神による死闘(私闘)を繰り広げたが、今現在はごくごく普通の高校生として生活している桐生巴である。
普段は眼鏡をかけているらしい。
彼の通う学校、「封生(ホウショウ)学園」は臙脂色のブレザーが人気の共学・中高一貫制の全国でも指折りの進学校だ。
当然のように校内ランキングなどがあり、学校内でも競争は激しいのだが、授業を聞いてないように見えるわりに、彼の成績は上の中、といったところか。
黒板を見ずに窓を見ながら、昨日降り積もった雪も温かい日の光でもう溶け始めたたのだが、彼は余程の寒がりなのだろうか、
「あぁー…あったかそうだよなぁー…窓際の席はいいなぁ…」
と頬杖をつきながらぼやいている。
と、本日最後の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り一時的に思考が止まった。
「あ…、もう終わりか…」
普段通り変わらない形式的な挨拶の後、数人の友達と雑談・談笑しながら、ホームルームが始まるのを待っていたら、来る筈の担任の先生より先に、お馴染みのメロディーと共に放送が入った。
「えー、一年二組の桐生。一年二組の桐生。すぐに職員室まで来るように。」
心なしか「すぐに」の言葉が強調されているように聞こえる。
「あはは、ホームルーム前に呼び出しとは、桐生ってやつも可哀想だよな」
とさっきまで雑談していた友達に言おうとしたとたん、ふと気づいた。
「…あれ?」
ビックリして教室前方にあるスピーカーをあわてて見る。
しかし当たり前だがもう何も流れていない。
すると急に教室中の視線が自分に集まっていたのを感じた。
「おーい桐生!!なーにやったんだよっ!」
「桐生くーん、なにしたの?」
クラスメイト達が、高校生になっていきなりの職員室への「お呼ばれ」の理由を聞いてくるが、自分でもその理由は解らない。
「別に何もしてねーよー」
と教室中に溢れる野次と笑い声を適当に受け流して職員室まで行ってみると、呼び出された理由が簡単且つ単純に解った。
決して自分の素行が悪いとかということなどでは無かった。
思わず溜息が漏れる。
来客用ソファーに、黒革のライダースジャケットに、ダメージの入ったジーンズをタイトに着こなしている女性がいる。
オレンジのボブカットが妙にしっくりくるモデル並みのプロポーションを持つその女性は、来客とは思えないくらい偉そうにその長身を投げ出して前に据えてあるテーブルに脚を投げ置き座っている。
その隣で付き人のように縮こまって立っているのは、さっき自分を校内放送で呼び出してきたうちのクラスの担任の先生だ。
その女性は巴の姿に気づき、啜っていたお茶を飲むのをやめ、片手を挙げ明るい表情と共に気さくに声をかけてきた。
「よっ、と・も・えくんっ。おねーさまが迎えに来てやったぞ。」
うっ…っと言いながらおずおずと苦笑いで片手を挙げ返す。
すると急に立ち上がり、たじろぐ彼の頭をグッと掴んで顔を近付け声を低くする。
「なーにが、うっ、だ。そんなに嬉しいのかな?」
ニコニコしながら睨んでくる眼と、自分の眼を絶対にあわせないように、視線をそらしつつ、必死で答える。
「いっててててて!!いや!ちょーっとビックリしただけです!」
すると彼女は、そうか、そうだよな。と自分勝手に頷いて以外にあっさりと手を離すと、今度は唖然とした様子で傍らに立ち尽くしている先生に向けて片手を上げ、
「それじゃあ先生、こいつ持って帰りますんで」
とまるで彼の事を荷物のように言うと、今度はその手で彼の腕を掴んでそのまま引っ張っていき、引き戸を乱暴に開け職員室を後にした。
「ちょ、ちょ、っと、鞘、さん、一体、全体、何、なん、で、す、?」
彼の腕を掴んだまま足早に歩いて行く長身の女性に途切れ途切れ尋ねる。
「あぁ?簡単に言うと…早蕨神社が焼かれたのは知ってるよな?」
「勿論知ってますけど、それがどうかしました?」
「その原因を突き止めろ、と言うのが私のお仕事。」
「お仕事って、…それ誰からの依頼なんです?」
恐る恐る聞いてみる。見た感じ余り言いたくなさそうだ。
「んー…本当は言っちゃダメ何だけど、巴には言っていいか。ってか言わなきゃダメだよな。」
勝手に納得しているが、言っちゃダメなんだから誰に対しても言っちゃダメだろ…。
と思ったものの、聞きたいという気持ちが先行していたのでその点は目をつぶることにした。
「聞いて驚くなよ?」
ニヤニヤしながらそう言って立ち止まった。必然的に腕を掴まれたままの彼も立ち止まることになる。
やはり聞かれてはまずいのか彼女は耳元まで口を近付け、「今回はマジでヤバイんだよ」と苦笑いしながら言った後、こう囁いた。
「すげえぞ。早蕨本家だ。」
「えぇ!?」
本当に意外な答えに驚いて頭を上げた。
彼女の顔には笑みが浮かんでいる。
期待通り彼が驚いたのがよっぽど嬉しいらしい。
「ははは、ビックリしたか?んでだ、早蕨と言えば陰陽家だろ?だから桐生家の次期当主の巴に助けてもらおうと思って、わざわざ学校まで迎えに来てやったってわけよ。」
「次期当主」と言う単語にムッとして、いきなりのお願いに迷惑そうな顔をしてみたものの、心の中ではまんざらでもない気分だった。
どうにかしてガードの堅い早蕨家の内部情報が知りたいと思ってた矢先だったからである。
なのだが…問題点もあった。
それは―この鞘という名前の女性の事だ。
フルネームを「刻刀 鞘(コクトウ サヤ)」といい、今は探偵や用心棒まがいの事をしながら生活していろ。
彼の従兄弟にして剣術の達人という彼女は、もともと彼がまだ幼少の頃、10代半ばにして彼の剣術指南役として剣術を教えていたのだが、彼にその頃の事を聞くと身震いしながら「思い出したくない…」と答えるのだ。
それもそのはず、彼女はその役を与えられたことをいいことに、彼を動く的としておもいっきり斬りつけていた。
――勿論竹刀でだが。
しかし彼に、恐怖心を与えるにはそれだけで充分だった。
その事を思いだし、また身震いした彼だったが、早蕨神社に火を放った黒髪・黒眼の少女の事を考えると、おちおち文句も言っていられない。
「勿論…協力してくれるよな?」
その否定することを許さない言葉に、一つ返事で頷いて、強力な助っ人をお互いに得たが、そんなこと口にも顔にも出さない彼らは、学校敷地内の教員用駐車場に止めてあった、目立つ真っ赤なスポーツタイプのオープンカーに乗り込み、低く唸るエンジン音と大量の排気ガスと共に封生学園を後にした。
ジャンル別一覧
出産・子育て
ファッション
美容・コスメ
健康・ダイエット
生活・インテリア
料理・食べ物
ドリンク・お酒
ペット
趣味・ゲーム
映画・TV
音楽
読書・コミック
旅行・海外情報
園芸
スポーツ
アウトドア・釣り
車・バイク
パソコン・家電
そのほか
すべてのジャンル
人気のクチコミテーマ
経済
【物価高に負けない】車の維持費が高…
(2026-05-17 18:44:22)
今日読んだマンガは??
『初恋は婚約のあとで~明治ロマンス…
(2026-05-26 00:00:08)
ミステリはお好き?
「マーブル館殺人事件」上 を読み終…
(2026-05-24 15:54:19)
© Rakuten Group, Inc.
X
共有
Facebook
Twitter
Google +
LinkedIn
Email
Create
a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧
|
PC版を閲覧
人気ブログランキングへ
無料自動相互リンク
にほんブログ村 女磨き
LOHAS風なアイテム・グッズ
みんなが注目のトレンド情報とは・・・?
So-netトレンドブログ
Livedoor Blog a
Livedoor Blog b
Livedoor Blog c
JUGEMブログ
Excitブログ
Seesaaブログ
Seesaaブログ
Googleブログ
なにこれオシャレ?トレンドアイテム情報
みんなの通販市場
無料のオファーでコツコツ稼ぐ方法
無料オファーのアフィリエイトで稼げるASP
評判のトレンドアイテム情報
Hsc
人気ブログランキングへ
その他
Share by: