蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「ヘドウィグ アンド アングリーインチ」

いや~、この映画めちゃくちゃ面白かった。
DVDをデッキにいれて、スタートボタンを押した直後
から、口を半開きにして呆けて見ていた私。(笑)
インパクトが強い作品だが、それと同時に心にもしみる。

ヘドウィグという性転換したロックシンガーの話。もう男や女という性を超えて、「ヘドウィグ」という人間のファンになってしまった。
「愛の起源」という曲を聴くと、涙がこぼれてしまうほどだ。
その歌詞は、『人間はもともと二人で一つだったのが、驕りはじめたため神の怒りにふれ、半分に分けられた。それから人間は、自分の半身を求めてさまよいつづけている・・・』というもの。

これは、もともとはプラトンの「饗宴」にでてくる話らしいが、未読の私は、猿之助丈のスーパー歌舞伎「オグリ」を思い出した。
「オグリ」でも、そういうセリフがあったと記憶している。

自分の半身を探しつづける・・・学生時代「オグリ」を見て、そういう考えがあるということを知り、当時感じていた孤独感の根っこを言い当てられたような気がした。

ヘドウィグも自らの半身を求めつづけるのだが、ラストシーンが示唆するものは・・・・。

ヘドウィグがアメリカ兵に、「クマのグミが好き」と答えているシーンで笑ってしまった。私も大好きだからだ。戸棚に常備しているので、さっそく取り出してクマグミを食べながら、映画を見る。

彼女?の夫役のイツハクもいい声をしていて、ヘドウィグと一緒に歌ってる場面がよかった。彼にも種明かしがあるのだが、それは見たあとのお楽しみ。
(公式HP参照 http://www.gaga.ne.jp/hedwig/ )


とにかくどの場面、どの挿入歌にも感動した。ガ~ンと頭を殴られて呆然とした状態で、見終わったあともしばらく娑婆には戻ってこられないほど。
「ロッキー・ホラー・ショウ」のように、「ヘドウィグ アンド アングリーインチ」も息の長い作品として残るのではないかな。




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