蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「真珠の耳飾りの少女」

7月から神戸市立博物館で「栄光のオランダ・フランドル絵画展」が開催されるらしい。フェルメールの「画家のアトリエ」も展示されると聞いた。
映画のタイトルにもなっている「真珠の耳飾りの少女」の実物は来ないが(2000年春に大阪市立美術館で展示されたらしい)、他のフェルメールの作品に出会う前に、彼を描いた映画を見ておきたかった。

神戸・元町のシネ・リーブル神戸に行く。
席数は80くらいだろうか。満席だったので、立ち見になった。仕方がない。次の回を見ていたら、子どもの帰宅時間に間に合わない。
照明が消え、スクリーンに映像が映り始めてから、椅子の横の階段に腰をおろした。
シネ・リーブル神戸に来たのは初めてだが、なかなか素敵な作品を上映しているようだ。近日公開の予告編も豪華だった。
「永遠の片想い」(「猟奇的な彼女」のチャ・テヒョン監督最新作)
「列車に乗った男」(私の大好きなパトリス・ルコント監督最新作)
「スイミング・プール」(シャーロット・ランプリング主演)
「カレンダー・ガールズ」「ロスト・イン・トランスレーション」
どれも見たい作品ばかり。
これから予定のない火曜日(レディス・ディ)には、シネ・リーブル神戸の座席に埋もれている私がいるかもしれない。(笑)

前置きが長くなった。
待望の「真珠の耳飾りの少女」を見た。
映画が始まったとたん、私は1665年のオランダに放り込まれた。
貧しい家庭の娘グリートは、家計を支えるため画家フェルメールの家に召使としてやってくる。
利発で美的感覚にすぐれていたグリートは、アトリエでフェルメールの絵を見て、その素晴らしさに言葉をなくす。
フェルメールもまた、グリートの感性に触発され、パトロンのためだけではない絵の制作にとりかかる。
精肉屋のピーターと恋仲になりながらも、フェルメールに惹かれていくグリート。
その想いには、尊敬とともに、同じ感性をもつ者同志としての判りあえる気持ちもあった。
急速に惹かれあう二人を警戒する、フェルメールの妻カタリーナ。
彼女の真珠の耳飾りをグリートがつけたとき、フェルメールとグリートは・・・。

映画を見た後、ほろ苦く、切ない気持ちが溢れてくる。
あとからあとからこみ上げてきて、すぐに立ち上がることができない。
身分の違い、宗教の違い、さまざまな困難に立ち向かいながら、フェルメールとグリートは何を求めたのか?
美術とは、一体何なのだろうか?
素晴らしい絵画は、なぜそこにあるのだろうか?

「美術館で愛を語る」という本を読んでから、考えつづけてきたテーマに、再びぶつかった。

それにしても、心洗われる映画だった。

「真珠の耳飾りの少女」公式HP:http://www.gaga.ne.jp/pearl/top.html


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