アメリカ人て、化粧キライ?


言えば、それは身だしなみ。

日本にいた頃は、スッピンの
ボサボサ頭で外に出るなんて
とてもとても出来なかった。

世間は狭い。
そんなときに限って知ってる人に
会ったらどうしようと思うから、
わざわざ着替えて、お化粧してみたり。

アメリカはそんな心配は要らない。
なんてったって私の知ってる人々は
地球の反対側、しかも時差まである。
間違っても、近所のオバちゃんAに
「あ~らHappyDaysちゃん、奇遇ねぇ。
私も今、ナリタヤで買い物してたのよ」
と、街角で声を掛けられる心配はない。

(Aとは、私の実家の近所に住む神出鬼没
オババのこと、実在の人物)

だから、誰かと会う以外のときの私は
ノーメーク。
日本からもってきたこぎれいな服は、
見事にタンスの肥やしとあいなり、そして
今日も私は、Tシャツにジーンズという
格好で外に出る。

けれど、私も女の端くれなのか、なぜか
化粧をしたい日というのがたまにある。
ジーンズに化粧というのは、ここでは
かなり異質なの。
(ジーンズ姿のアメリカ人で、ちゃんと
お化粧している人はいないと思う。)

だから、服もちょっとおしゃれをする。
別に、理由なんかなく、ただ何となく。

すると、仕事から帰って来た夫が言う。
「どっか、出かけたの?」
「ううん、べつにどこも行ってないよ」
「???」

この感覚が、男にはわからないらしい。
私は、本当にどこにも行ってないので
答えようがない。

何年か前に終わってしまったけれど、
アメリカのTVコメディ番組に「Sienfeld」
というのがある。

NYを舞台に繰り広げられる、独身男3人
女1人の4人組の人気コメディだった。

そのエピソードの一つにこんなのがある。
4人組の中でも、とりわけいつも大ボケを
かますクレーマー。
結婚がいかにくだらないものか、仲間に
大きな声で力説している。

「いいか結婚したらな、お前。黙って飯が
食えないんだぞ、だって妻が必ず聞くんだ、
あなた、今日はどんな日だったの?って。
お前は、それに答える義務があるんだ!」

私はおもしろ半分、そして後の半分は、
「へぇ~、そんな考えもあるのねぇ」と
わりと本気にしていた。

だって、隣で超ウケてる彼は、のちの夫。
そう、私たちは結婚しようとしてたから。

そして、いざ結婚してみたら、
「How was your day?」(=今日はどんな日だった?)
って聞くのは、いつも夫のほうだった。

ガクッ。

心配して損した。

けれど、食事時に今日1日のことを話すのは
けっこう大切なので、化粧をした日はそれなりに
どこかへ行き、話題を作るように努力する私。
まったく、何のために化粧してんだか。



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