江口土人形(大阪)



 土人形をめぐる状況は、厳しいものがあり、専業で生業として成り立つのはほんの一握りで、多くが副業、もしくは趣味に近い形で存在しているのはご承知のとおりです。

 やむなく廃業、廃絶にいたるケースも多々あり、復興には何かしらの支援が必要な場合が多く、まったく新しい物が生まれてくる余地はあまり無いと言えるでしょう。

 土人形に限って言えば、中湯川土人形(福島)などが新しいものですが、観光地を控えた場所で販路が確保できているのではないかと思われます。

 さて、今回の江口土人形ですが、伝来の型があるわけでなく、直接的に他の産地の指導を受けたわけでもないもので、
新参者です。
 作者の橋本氏も芸術系の学校をでたわけでもなく、どこかで修行したわけでも無い様です。

 写真の猫は、その中でも特に異質なもので、代表作ではありません。

江口土人形(大阪)


 特注で制作されたもので、実在した猫がモデルになっており、他の作とは違い、かなり生猫を意識したものです。
 基本となる型は江口土人形の招き猫です。

 素朴系、とも技巧系とも判断しかねますが、現代的な感じがするのは、人形の歴史が浅いせいなのか、作者の感覚のせいでしょうか。






































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