このごろ思うこと

このごろ思うこと

弥勒菩薩に会う旅 1996年2月



  2月2日、娘と二人で冬の京都へ出かけました。寒さは苦手な私ですが、太秦にある広隆寺の弥勒菩薩様に会いに行きたいという娘の誘いに、何となく心ひかれる物を感じ行く事にしたのです。
  東京の青空とは打って変わって京都は一面の銀世界。冷たい空気に身の引き締まる思いです。降りしきる雪の中、雨具も持たずに広隆寺へ急ぎました。

 日本史の教科書にも必ず登場する弥勒菩薩半跏思惟像は広隆寺奥の霊宝館にひっそりと、穏やかに佇んでいました。お顔を見上げていると、思いがけず涙がボロボロあふれ出し、金色の暖かい優しい光りに包まれて暫く立ちつくしていました。その時にいただいたメッセージです。

  弥勒の世は今ここにある
  この波動を忘れず表現していきなさい

  外へ出て娘に話すと、彼女も同じメッセージをもらっていました。大きな暖かい愛に包まれ、ただただ安心していればいいという至福感が、今も私と娘を幸せな気持ちにしてくれています。私達は仏様(無限の愛)の手のひらで遊ばせていただいているのだ、どのような表現をしようとも、あれもよしよし、これもよしとただ微笑んで見守っていてくださるのだと心から思えました。

 その後嵐山へ向かいましたが、雪の勢いは激しさを増し、私達は散策をやめ温かい部屋で湯豆腐を味わいながら、墨絵のような景色を堪能しました。夕方、雪もやんだ頃、金閣寺へつきました。夕日に染まった金閣寺は燃えるように輝いていました。

  次の日、銀閣寺を訪れました。銀閣寺は金閣寺とは違う落ち着いた美しさでした。お庭は西芳寺をモデルにして造られたそうで、しっとりした風情を見せていました。哲学の道を南禅寺までぶらぶら歩くことにし、名前も知らない神社へ立ち寄ったり、寺に入って見たり楽しんで歩いている時、「星野道夫写真展」と書いてあるポスターが目に入りました。

 思わず娘と顔を見合わせてしまいました。星野道夫さんは慶応大学を出てからアラスカへ渡り、何年間もイヌイットと一緒に生活しながら、アラスカの自然や植物、動物、イヌイットの生活を撮り続け写真集を出されている方です。

 その写真は圧倒されるほど美しく、気高く、その写真集は私達の宝物なのです。その星野さんの写真展に出会えるなんて、しかもこんな山寺で。誰もいないお庭を通り、建物に近づくと又私達は目で笑い合いました。私達の大好きなエンヤのCDがかかっていたのです。写真展が良かったのは言うまでもありません。

 最近こういうことがよく起きます。ほとんどテレビを見ない私がなにげなくテレビをつけると、探していた情報が出てきたり、心が求めていた番組だったりとか・・・。みんなつながっているのですね。


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