このごろ思うこと

このごろ思うこと

主人冬眠からさめる 2004年1月



 前回、主人が「うつ」状態で何もする気力がないということを書いた1週間後、突然主人が目覚めました。前からアルコール依存症でしたが、それを隠していました。時々言ってみても「そんなことはない」と認めようとはしませんでした。

 そして今回の選挙の落選で、仕事がなくなり、酒量がどんどん増え、「うつ」も出てきて、廃人一歩手前まできたとき、夢に主人の母が出てきて「まだこちらに来てはダメよ」と言ったそうです。一人っ子で濃密な関係にあった母からの夢の中の諭しがきいたのでしょう、その日から自分で病院を探し私に病院へ一緒に行ってくれないかと頼まれました。

 夢のなかで母に諭されたことは後になって娘に聞いた話です。私には突っ張っていて、病院を探していることも言われて初めて知りました。そんなことはどうであれ、自分がアルコール依存症であると認めた時点で、もう回復のほうへ向きがかわっているのです。

 近県にある病院で、精神・神経科でアルコール科というものがあるくらい、アルコール依存症の治療で実績のある所だそうです。自宅から2時間以上かかりますが、海がみえる明るい病院でした。

 先ず内科を受診し、今までの検査のカルテや今日の血液検査の結果からアルコール性肝硬変で、このままお酒を飲み続けると2年間生存率が25%だと言われた後、精神科の先生と私も含めお話しました。先生は本人が自分がアルコール依存症であると自覚させることがなかなか大変なようなのですが、先ず私が「主人はアルコール依存症で」と話すと、先生は「山口さんは自分のことをどう思われますか」とお聞きになり、主人も「はい、そう認識しております」と認めました。

 治療には通院と入院の2種類あると説明を受け、暮れでもあるし、次回までにどちらで治療するか決めてくるということになり、病院を後にしました。次回の予約を看護婦さんとするときに、「今日から断酒ですよ」と厳しく言われていました。ここにくるまでは入院してもいいといっていましたが、最低3ヶ月と聞いて、入院はイヤだと言っています。

 空腹になるとついお酒を飲んでしまうので、チョコチョコ一日に何度でも食べて下さいと言われ、主人がお酒を我慢するのなら、私も協力しようと食事作りを再開しました。断酒とはいきませんが、ほんの少ししか飲んでいません。すると体調が良いらしく、すごい食欲で、顔に生気が出て、活動的になりました。この状態が続くなら、少しくらい飲んでも良いと私は思っています。

 何が何でも断酒だと厳しく管理すると、隠れて飲んだり、飲んでしまったときに自分を責め、自暴自棄になり、逆戻りすることのほうが問題ありではないかと、温かく見守っています。

 宇宙は本当にすごいなーと思います。廃人一歩手前までまでくると、「本当にそのままで良いの」とちゃんとメッセージを送ってくれます。それを敏感に受け止め、メッセージだと信じさえすれば、悪い体験だと思っていた体験が、実は素晴らしい体験をしていたのだと思えるようになってくるのです。主人は精神世界のことは知りませんが、メッセージを素直に受け入れる感性は持っています。

 今、つらい体験の真っ只中にいらっしゃる方、どうぞその体験を、そしてその体験からくる感情を感じ尽くしてください。その体験が今回生れるときにあなたが決めてきたシナリオです。今が最悪だ、絶望だという感情さえ、今は解らなくてもそこから抜け出たとき、ああ、いい体験だったと思える日が必ずきますから・・・。

 神の側から見ると、体験にいい体験も、悪い体験もありません。同時に見えるからです。神はプロセスを体験することができません。だから人間になってそのプロセスを体験しているのです。経験にのめり込んでいる自分がイヤになったら、のめりこんでいる自分を見ている観察者の自分を感じてみてください。観察やの自分を常に意識してみて下さい。きっとその人が居ることに気がつくでしょう。

 自分の中の自我と大我(ハイヤーセルフ)に気付けるように意識を向けてください。ハイヤーセルフはどこかに居るのではなく、あなたの中にいます。

 今年もたくさん体験しましょう。人間として・・・。泣いたり、笑ったり、怒ったり・・・。



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