アキハバラ的散財生活

「ガッチャマン」

麗しき師弟愛~オーガラー博士とナカモーラ助手


電車の吊り広告を見ていたら大河原邦男がA級デザイナーとして紹介されていました。
え?大河原邦男って?と思った人は普通の人です。有り体に言うとガンダムやザクのデザインを描いた人ですね。その前はガッチャマンの鉄獣メカ(要するに敵役ギャラクター側のメカ)のデザインを描いていた人です。

おお、すごい、と思った人もいるでしょうが、当時の大河原邦男が描くデザインは、お世辞にもデッサンが出来ている...といえるようなものではないので(でもそれが原因で「君はデザインだけやりなさい」と言われたのかも?)、原画を描くスタッフが一生懸命直して使ったのでしょう。

中途採用でアニメに無縁だった大河原邦男の素質を見抜いたのは当時のタツノコプロの美術課長だった中村光毅でした。ガンダムの美術監督もしているので、当時のアニメ雑誌の付録で、「光」印のイラストをよく見かけましたが、それは師匠にあたる中村光毅が描いたモノなのです。
(だから2人のポスターの絵の雰囲気はよく似ています。質は全然違うんですけど...バキッ!!☆/(x_x)

さて、そんな2人がガッチャマンにギャラクターの一員としてゲスト出演している回があります。(...というわけで、ガッチャンマン自身がB級というわけではなく、このエピソード自身、なかなか再放送では見られない、ということで、今回取り上げます)

大河原邦男からもじったオーガラー博士はギャラクターの鉄獣メカを製造するかけがえのない科学者。助手のナカモーラは(もちろん中村光毅をもじっているワケですね)ベルクカッツェに篤く用いられているオーガラー博士が面白くありません。そこで、わざと博士をガッチャマンに捕まるように策略を巡らすのですが、失敗して自らガッチャマンに倒されてしまい、オーガラー博士は危機一髪の処をベルクカッツェに助けられて、以後も鉄獣メカを作り続けました...という、スタッフ楽屋落ちストーリーだったわけです...。

大河原邦男と中村光毅のポジションを逆転させている点や、最終的には美術監督も同時にこなさないといけない中村が大河原邦男にデザインをすべて任せてしまいたかったので、そういうメッセージを脚本にしてしまったとか、当時はアニメ雑誌とか無い時代なので、どうしてこういうエピソードが出来上がったのか、今となってはナゾですが、当時のタツノコプロの置かれた状況やら、2人の人間関係を考えてみると、非常に興味がありますね。でもこの頃の話をすると大河原邦男のあのデッサン?が出てきてしまうので、今となっては忘れてしまいたい過去なのかもしれません。

それにしてももう一度見てみたいんですが、、、ズングリムックリのオーガラー博士にスレンダーな三白眼のナカモーラ。キャラを作った人も本当に遊び心、満載ですね。

2002年6月7日(金)



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