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2013.10.18
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カテゴリ: 茶の湯に学ぶ

茶の湯の道に飛び込んでから既に5年以上。このブログにおいては、すっかり茶の湯の話題から遠ざかってしまっているが、その間、記憶に残る経験や茶会がなかったわけではない。記憶がまだ薄れないうちに、記しておこうと思う。その一つが今年4月の稽古茶事だ。

振り返れば、茶の湯との出会いは、それまでの人生に新たなスパイスを加えてくれるキッカケとなった。大きな転機の一つだったと言ってもいい。新たな世界と視野の広がり、また多くの出会いや経験は、今や私の人生の財産であり、また多くの人と接することが自分自身に自信も与えてくれたと思っている。

入門してからの数年、お茶会や月釜の催されている寺社を見つけては、精力的にお茶会に顔を出していた。苦い思い出もあったが、それを学びに変え、ステップにして場数を踏んでいった。茶の湯から広がる知識の連鎖は、私の歴史への関心をさらに深堀りし、多くの再発見をもたらしてくれた。稽古を殆ど休むこともなかった。

しかしここ数年、仕事の多忙で出張が多くなると、稽古を休むことも増え、稽古に出ても気持ちの余裕が無くなり、状況が変わってきた。貪欲さを失い、気持ちが乗らないまま稽古している自分もいた。

社中では最古参、しかし後から入ってくる人達に越えられてしまい、お点前の技術も道具への関心も当初の情熱は失せて。 何とかせねばという気持ちも空回り。社中のお茶会でお点前したり、お運びしたり、水屋仕事したりするが、それらをこなすのもいっぱい、いっぱい。そういう空気を師匠も感じていたに違いない。

そんな自分にチャンスを与えてくれたのが、師匠からのひとこと「稽古茶事で亭主をしてみませんか?」だった。その 企画があがったのは今年の初め、社中での茶事は2度目となるが、前回の茶事の際には海外出張が入って直前でキャンセルを余儀なくされた。従って、私にとっては今回が初めての稽古茶事。そこで亭主役をしないかと師匠から声がかかったのだった。

ここで首を縦に振らずしてどうするか。尤も亭主の役割全てを1人でやるわけではなく、水屋を含めて3人による分業。3人で亭主の一端を実体験して習得するのが狙いだ。私が主とあり、濃茶と点心でのお客様対応、あとの2人がサブと水屋回りで、炭点前、薄茶点前を担当してもらう。露地の手入れも何もしないし、点心の内容などは全くのお任せだ。道具も大筋のところ殆ど師匠がお膳立てしてくれる。

ただせっかく亭主をさせてもらうからには、私にとっても眠っていた茶道具を表舞台に登場させる機会。席に合うかどうかの取り合わせを含めて、師匠に相談した。そしてもう1つの難関がお菓子選び。これも1度アイデアを却下され、ギリギリまで頭を悩ました。とは言え、席のテーマと深くリンクする要素であり、悩み抜くことに楽しみや充実感を覚えた。

私なりに創り上げたのは、インターナショナル、そして季節の花、その移ろいだ。干 菓子は、末富のうすべにと、吉野松屋本店の吉野懐古で春の装い。そして主菓子は北鎌倉の"こまき"さんに茶巾絞で" 花菖蒲"(5月の端午の節句、菖蒲の節句にかけて)を作って頂いたのを朝早起きして取りに行き。

薄茶には、萩の坂高麗左衛門(当代)さんの桜絵付けがされた茶碗に、ソウルで買った青磁の高麗茶碗(水鳥と花が描かれ)。 長崎で購入した鼈甲茶杓には、長崎出島に縁のシーボルトが"紫陽花に名付けた"おたくさ"(お滝さん)を。煙草盆がオランダ風情。そして 濃茶の茶入れに萩の吉野桃李釜の肩衝をデビューさせ、銘を'初陣'とした。思えば 後から連想が繋がっていった。

お客様は7人。大変だったのは1椀7人分の濃茶加減。家でも何度か練習したが、たっぷりの濃茶を1人で7回で飲み干すと目がさえて眠れなくなり、、、あとはその感覚のまま本番、1発勝負に賭けた。点心での千鳥、杯の交換7連発に立ち上がる時、ちょっとよろけるも、千鳥足の由来もこういうことか(大丈夫)。

反省点は前週にご招待のお手紙を出せなかったことで、後追いで当日用意した次第。 席に入って 一人一人に対してご挨拶を述べて始まって3時間超の長丁場。最後の締めは、露地に設けられた特設の野点舞台!!で家内が薄茶の点前も爽やかに。

初茶事の記憶

 貴重な亭主体験は記憶に残る素敵な時間。前週日帰りで、京都の浄敬庵を茶時体験の訪ね、一連の流れを肌で感じ、気持ちを高めて臨んだことも自信になったと思う。充実の時間、その余韻を噛み締めた。そして1週過ぎて頂いた数々の御礼状に再び感動した。

それでもこの日の亭主役はまだ一部。全てを1人で仕切ることは大変、素晴らしい。道は遥かなり。しかしこの日の記憶を決して忘れることなく、また自身の意識を高める記憶としてここに留めておきたい。






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Last updated  2015.12.02 21:38:45
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