めしやら釣りやら

めしやら釣りやら

まだ続く






5月5日 その12

南信濃村におさらばし上村に入る。
しらびそ峠に入る道路は村役場の近くに建っている民家の裏にあった。
なんてことは無いごく普通の生活道路、桧が道の両側に生い茂る。
細く小さいカーブの続く道を登って行った。

最初の集落に出る手前のカーブを抜けると満開の桜の木が立っており、その向こうに白く雪を被った山がそびえる。
思わず急ブレーキで止り、バイクを降りた。
カメラを取り出し “どこから撮るといいかなー”と写真を撮る場所に迷っていると後から来た人たちも次々と車を止めカメラを取り出す。

バイクでやってきた37歳位のおじさんは浜松を朝でて来たようだ。
嫁さんと子供がディズニーランドに出かけているのでその隙を狙ってやってきたらしい。

結婚する前は僕と同じような旅によく出かけていたそうだが結婚を境に出かけられなくなり、子供が生まれてからはますます出かけられなくなったと石垣にもたれタバコをふかしながら話す。

先におじさんは峠をめざし僕はまだしばらくそこにいた後バイクに跨った。
2005-09-06 23:12:25







5月5日 その13

バイクを転がしながら気が付いたのだが、ここはあの “日本のチベット”と呼ばれる下栗ではないか!
以前テレビ番組でここに住む人の畑で何か野菜を作り収穫をすると言った内容のことを放送していた覚えがあるが、まさにその下栗である。
山の斜面はかなりの斜度で谷まで伸びておりその斜面に民家がへばり付くようにぽつんと建っている。
民家の周りには小さな畑が斜面のまま続いておりその向こうにまた民家がぽつんと建っている。
ずっと見下ろすと遥か下の方に小さく谷が流れているのが見える。

僕は今、名古屋で会社勤めをしている。
毎日多くの車が行き交う中で仕事先へ急ぎ、今日はいくら売り上げた。
今日はいくら売上が足りない。
車にガソリンを入れ、スーパーで食料品を買い家に帰り
また次の朝会社へ出かけるといったおそらく今日本に暮らしている多くの人達と同じ様な暮らしをしていると思っている。

もしかしたらこの下栗に住んでいる人もあまり変わらない暮らしをしているかも知れない・・・。
こういった景色の中にいると貪る様な2、3日前までの生活がばかばかしく思えてくる。
あんなに忙しく排気ガスを撒き散らしながら欲望を満たさなくても人はもっと豊かになれるのではないかと感じてくる。
2005-09-07 22:56:08







5月5日 その14

集落のはずれに廃校を利用した休憩所があったのでバイクを止めた。
さっきから進んでは止り景色を眺め、
また進んでは止り写真を撮っているのでもうそんなに休まなくてもよいのだが、
なんとなくこの集落を離れがたく、ここで30分程またバイクを止めた。

今は宿泊施設になっているらしい旧校舎の前に自販機があったので
ポカリスウェットをとりだして満開の桜の下にあるテーブルに座った。
家族連れや老夫婦、
大きなカメラをぶらさげたおじさんたちが校庭を取り囲むように咲いている桜の下で春の風に吹かれている。
2005-09-08 22:36:06







5月5日 その15

休憩所を後にするとそこから先は軽舗装の林道となった。
登り坂とカーブを繰り返すと序序に南アルプスの山々が見えだしてくる。
周りの植物も里山に育つ物から高山に多く見られる植物に変わってゆく。
随分な山奥のはずなのだが、こうゆう時に感じるあの独特の恐れというものがここには無い。
簡易的ではあるが舗装のしてある道とやたらと多いマイカーのためか、そういった秘境独特の匂いといったものがない。

12時14分、下條村から77キロ、標高1916メートルの峠に到着。ここには立派な山小屋風のホテルが建ち広い駐車場も付いていた。
車で一杯のため、少し先へ行ってバイクを止める。
駐車場近くにある展望台の方へ歩いてゆく。
道より少し高くなっている展望台の付け根に上がるとすぐ正面に白い山々が一望できた。
左端から標高2374メートルの丸山、2819メートル大沢岳、2818メートル兎岳、その奥に3013メートル聖岳、よく晴れ空気も乾燥している為か稜線まではっきりと見える。
双眼鏡を覗いているおじさんが向こうで登山者が手を振っているとよろこんでいた。

地図を見るとどういう訳かここより少し下った所にしらびそ峠と記してある。
当然標高もここより低く1833メートルである。
なんだかきつねに抓まれた気分で峠を後にした。
2005-09-10 23:01:23







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* 5月5日 その16 *
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* 急なカーブを2つ超えるとしらびそ峠があった。 *
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* こちらは立て札があるのと車が5台位とめられる広さがある位の峠。 *
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* 僕の走ってきた道のほかにもう一本北の方から砂利道が合流していた。 *
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* 立て札を見ればこれは登山道らしくその道の先は白い山の方へと伸びている。 *
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* 先程のしらびそ峠はマイカー用の物で、実はこちらの方が由緒正しいしらびそ峠なのだなと静かに思う。 *
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* 古くから道がついていたとすれば山を行き来する人がここを峠とした筈だからである。 *
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* そこより高い所へ行く必要がなければわざわざ行かなくても良いのである。 *
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* 腹が減ったので昼飯と言う事になり、少し下った道端で荷物の中から食器と食料を取り出す。 *
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* 昨日の夕方に買ったベーコン。 “大丈夫かなぁ~”と独り言を言いつつエノキと一緒にまたもやホイル焼き。 *
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* いいかげん飽きるような献立だが、こうゆう景色の中だと舌が麻痺して大変うまい。 *
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* 同じく昨夕買ったパンにホイルの底に溜まっている汁を吸い込ませて食べる。 *
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* うまい! あっという間にパンの半分を平らげてしまった。 *
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* 湯を沸かしコーヒーを煎れうぐいすの鳴き声を聞きながら啜る。 *
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* 食器は皆アルミ製のシェラカップなので慣れないと唇をやけどしそうになる。 *
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* 峠に向かう車やバイクの連中が珍しそうに見ていった。 *
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* ちょろちょろ流れている谷の水で食器を洗い出発。 *
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5月5日 その17

1時間程下ると小渋温泉の入り口に出た。
またもや河の出会いであり橋が掛かっている。
わたり始めふと右側を見ると丸山が見えた。

高遠までの間は淡々とした道が続く。
山と山に挟まれて、谷と道路がレールの様に伸び時折民家が見える。
流れる谷はコンクリートで固められており、所によっては両側と底も固めてある。
眺め感じる物がないので本当に素通りだけの村になってしまう。

美和湖のほとりを走る。そういえば中学の頃、同級生で美和って娘が好きだった事を思い出す。
仲良くはしたけど、好きとは言えなかったっけ・・。
何してんだろう? 今頃。

3時半、高遠町に到着。
トンネルを抜け突き当たりの交差点を左折、昨日の晩地図で目星を付けた桜の湯を探しながら町並みを眺める。
ちょっと小奇麗な商店街。
“何を売っているのかなぁ“と思い走っていると商店街を通り抜けてしまった。 ”
何だか街に出るのが久しぶりに思えてコーフンするなぁ~
いっそのこと食堂に入りそばとかつどんでも食べようか“

表道りから逸れて路地に入ると山側の民家の奥に ”桜の湯“はあった。
駐車場にバイクを止めベストだけを羽織って街をぶらつく事にする。
金物屋、仕出屋、和菓子の店などがあり、観光案内所を兼ねたバスターミナルの向かいにひなびた酒屋があったので躊躇なく入った。
やっぱり今晩は買出しをして何か旨い物をこしらえ食べようと思い ”高遠ワイン“とラベルの入ったワインを2本買った。
1本は家への土産である。

酒屋を出るとすぐはす向かいにスーパーがあったのでうれしいうれしいと入店する。
レジにはかわいい女の子がいたのでまたうれしいうれしいとミートソース、乾燥パスタ、ぜんまいの炒め物、ミートボール、はっさく、ミネラルウォーター、レトルトカレー、締めて1104円の買い物をしてしまった。
美和ちゃんごめんなさい。。
2005-09-16 20:55:45

この商品説明はオークション プレート メーカーで作成しました
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