ヤエムグラ



八重葎といえば、小倉百人一首のこの歌を思い浮かべます。

 八重葎 しげれるやどの さびしきに
            人こそ見えね 秋は来にけり

                          恵慶法師

万葉の昔から歌に詠まれるほどありふれた草だったのか・・と思ったら、どうやらちょっと違うようです。

ヤエムグラは秋に発芽し、春に花を咲かせて結実し、そのあと枯れてしまいます。
つまり、「秋は来にけり」の頃には姿を消してしまっているはず。
それじゃ、この歌に登場する八重葎とは何か!?

小学館の新選古語辞典によりますと、『幾重にもはえ茂っている「むぐら」』だそうです。
「むぐら」というのを引いてみると、『ヤエムグラ、カナムグラ、ヤマムグラ等の路傍に繁茂する蔓草の総称』ということで、要するに草ぼうぼうの荒廃した家屋などを表現しているということで、特に草の種類はこれということはないようです。

カナムグラだろう、という説が有力のようで、歌人はイメージで歌を詠んだんじゃないか説なんかもあるようです。

ヤエムグラ

撮影日時 2007/03/17 11:14:06
Tv 1/250
Av 5.6
ISO感度 400
レンズ EF-S 60mm MACRO


© Rakuten Group, Inc.

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