こんなものがあったよ!毎日が発見!!

こんなものがあったよ!毎日が発見!!

ズッ、ズボンが!


(今思い出したんですけどね)

 私の学校は昼休憩は男子は主にグランドでサッカー、女子はグランドで円くなってバレーとかやってました。
 女子はそんなに数は多くないのですが、男子のサッカーはグランドで10試合以上がひしめく、ありえない状態でした。

 しかも、グランドに人がウヨウヨいる中でやるので、ボールが当たるのは日常茶飯事でした。私も他の試合のボールの直撃を何度も受けました。
 しかもたくさんの試合が行われているため、ゴールにキーパーが常時3、4人はいました。さらにさらに全員がキーパーになれるという恐ろしい暗黙のルール。ゴールにいるやつがキーパー。よくシュート止められました(さっきまでキーパー違う人ジャン!)。もちろん審判なんかいません。何でもありです。
 しかもボールは体育の時間に体育倉庫からかっぱらったバレーボール。空気が抜けると新しいものを調達していました。

 前置きが長くなりましたが、そんないつものお昼の出来事でした。
 違ったのは午後から参観日だということ。

 いつものようにサッカーに夢中になるおれ。
 その時でした。ボールを競っていた相手と一緒に豪快に転びました。吉本新喜劇並みに。
 砂まみれになり、立ち上がると何かおしりというか股が少し違和感。

「んっ!?」

 よく見るとおしりが割れているではありませんか。いやいや、そうじゃなくて、ズボンがおしりの割れ目に沿って豪快に破けているではありませんか!

「うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!なんじゃこりゃ!」

 今日の午後は参観日。もちろんうちの親は来ることになっています。
おしりの割れ目、いやいや破けたところを手で持ちながら、情けない格好でとりあえず保健室に行きました。

「すいませーん」

「はいはい、何?」

「おしりが破けたんじゃけど」

「あら、大変じゃね~。ロッカーにズボンが入っとるけ~、好きなの使ってええよ」

とこんな感じでズボンを貸してくれました。

 何でズボンが保管されてるのか意味がわかりませんでしたが、とりあえず今日の午後はしのげるので、 Lucky! そう思ったのが甘かったのを後で思い知りました。

 言い忘れましたが、私のいた中学は当時広島市内でも極悪の中学で、名前を言えばからまれても相手が”すいませんでした”状態のところでした。金髪のおにいさん、おねえさんがいらっしゃいました。そしてよく紙パックの牛乳が屋上から飛んできたな、 牛乳爆弾! くらうと臭くて堪りません。同じクラスの男子が直撃をくらったことあります。

 そんな学校に保管されているズボン。

ロッカーを開けてびっくり!

 裏に刺繍のある学ラン、ぶっとい ボンタン のオンパレード。
(ボンタンってわかります?不良がはいている太っいズボンです)

 当時私のはいていたのは モンブ
(モンブは文部省推薦のズボン。ピチピチです。みなさんの学校ではどんなふうに呼んでました?)

 全部ズボンは ボンタン、ボンタン、ボンタン 。ボンタンの雨あられ。

「どうすんや、こんなぶっといズボンはいて参観日でれんわ~!」
保健室には裁縫道具がなく、縫ってはもらえないよう。
ボンタンをはくわけにはいかず、途方にくれるおれ。
仕方なく破れたモンブをはいて、ぎこちない動きで職員室の担任を訪ねてみる。担任の先生は女の先生で運よく裁縫道具を持っていました。おれはパンツ一丁、出前一丁で横に立ち、縫い終わるのを待っていました。何か罰ゲームかよ!

完成!先生、ありがとう。

なんとかかんとかぎりぎりセーフ。
参観日には無事にモンブで授業が受けられました。

あの時はまじめだったので、どうしようか真剣に悩みましたが、ある意味学校公認で、しかも参観日にボンタンをはけるなんて、今考えるとおいしすぎますね。

ある夏の出来事でした。


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