リリィとみかんの子育て日記

リリィとみかんの子育て日記

出産手記(4) ありえない出来事


打ったりして過ごす。

8:40
悪露の処理(消毒)に先生がやってくる。
夕飯時にかなり水分をとったので、溜まっているらしく
尿が沢山出たようだ。
その後、下腹を押すと悪露がニョロニョロと大量に出た。
すると先生の顔が青白くなった。
急にバタバタともう1人の先生(御婆ちゃん)と娘さんがやって来た。
どうやら、私は出血をしたらしい。
何が起こっているのか自分では全く分からず、見ることも出来ないのだが
状況はあまり良くないということだけは、その場の空気で分かった。
すぐに左腕に点滴を始めた。
そして、小声で娘さんに何かを言っている先生。
その場から先生が去ったので、御婆ちゃん先生に
「どうしたのか?」と聞くと、救急車が来ると言うではないか。
遠くから、どんどん近づいてくる救急車のサイレンの音。
私は救急車で運ばれるらしい。
元気で意識もあるし、何があったのか分からないだけなのに
救急車に乗るらしい。
先生は「大丈夫よ」としか言わない。

産後の出血は危険を伴うこともあるらしく、その原因をしっかり
調べておくことが必要らしい。
助産院では限界があるから、近くの総合病院に行き
調べておいた方が良いそうだ。
それにしても、なぜ救急車?と思っていた私。

救急車のサイレンが消え、部屋へ救急隊員3名がやってくる。
パジャマの下も着てない状態で、とにかくシート?のようなもので
包まれていた私。
家族がいた方が良いとの事で、さっき帰っていった夫に連絡を取るように
とのことだったので、夫にTELした。
夫はまだ実家には着いておらず、事情を話すと
リリィを置いてから、また来るとの事。
私もイマイチ自分の状況が分からないのだから、夫はもっと
分からないだろう。
ただ、妻が救急車で運ばれる・・と聞いたのだから、パニくっただろう。

9:00
担架に乗せられ、部屋を跡にする。
ベビーベットに横になっている、みかん君は
心なしかとても不安そうな表情をしていて、私が運ばれる時には
泣いていた。
その泣き声が、とても切なく心に響いた。
“お母さんはすぐに戻ってくるからね。どこにも行かないからね”
私が死ぬ訳はないとは思っていたけれど、生まれたばかりの我が子と
離れるのは、とても悲しいことだった。

救急車に乗り込む。
初めて見る救急車。
意識はしっかりあるので、「救急車ってこうなってるんだ~」と
興味津々で見まくっていた私。
病院へは先生も付き添ってくれ、救急車の中でも
ずっと私の手を握っていてくれた。
その手はとても暖かかった。


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