日本版レコンキスタ宣言   旅立った孫と子孫への私の人生卒業論文

日本版レコンキスタ宣言 旅立った孫と子孫への私の人生卒業論文

2022.06.10
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カテゴリ: 雇用について
日経ビジネスより

多くの先輩、少ない同期。氷河期世代は肩身の狭い思いをしてきた。組織の中核となる年代を迎えたが、絶対数が足りない。マネジャー層の不足に悩む企業では一部、取り合いの様相も呈している。

1993~2004年に学校卒業期を迎えた世代を指す──。政府が支援策を講じるに当たって定めた氷河期の定義だが、12年間にも及ぶことに、驚かれる読者も多いのではないか。氷河期には大きく分けて前期と後期があり、その就職難の性格も異なる。

2000年前後に「超氷河期」
 まず、前期については景気低迷による業績悪化というよりは、バブル期の過剰採用の反動が、各企業を採用抑制に向かわせていた時期だといえる。内定者の囲い込みを狙った高級料理店での接待や海外旅行への招待も当たり前だった超売り手市場から状況は一変。1994年には就職氷河期という言葉が新語・流行語大賞にノミネートされている。

97年の山一証券と北海道拓殖銀行の経営破綻によって、金融不安が表面化すると雇用環境は一層いてつく。2000年3月卒をめぐっては求人倍率が1倍を割り込む。ITバブルの崩壊も追い打ちをかけた。100社近くにエントリーをしても内定が得られない……。1990年代後半から2000年代前半にかけての後期は「超氷河期」とも呼ばれる厳しい時代となった。

 キャリアを契約社員や派遣社員、パートといった非正規から始めることを余儀なくされ、成長機会を奪われたために、その後の景気回復の波にも乗ることができなかった。内閣官房のまとめによれば20年時点で、「正規雇用を希望していながら、現在は非正規雇用で働いている」ケースは全国で約42万人。望まないまま非正規として働いている。

 4年制大学卒業の場合、氷河期世代は今年4月1日で全員が40歳以上になった。狭き門をくぐり抜けて、大手企業で正社員として働く「勝ち組」たちは、組織で中核的な役割を担う年ごろだ。しかし、非正規で働かざるを得なかったり、引きこもりだったりするのに比べれば、恵まれているはずの勝ち組も、ある意味で不遇な立場に置かれている。

「上の世代がつかえていて、ポジションなり昇格の機会なりが減ってしまっている」。当時も今も花形の総合商社A社の人事担当者は氷河期世代の境遇についてこう語る。バブル期の1990年代前半には200人以上を採用していたが、2000年代前半には100人を割り込み、半分以下となった。新卒採用の人数がピークだったバブル期の1991年と翌92年の入社組が幅を利かせ、その割を食っているという。

 A社には事実上の役職定年があり、早ければ53歳でそのタイミングがやってくる。「49歳から50歳ぐらいまでに昇格できなければノーチャンス」というが、ボリュームゾーンのバブル入社組がポストを押さえていて空きは少ない。

 氷河期世代は先駆けとなった93年入社で今年度総じて52歳になる。この人事担当者は「氷河期はまさに難しい世代。役職に就く機会を得ないままにスキップされる世代になる可能性もある」と指摘する。

大手ゼネコンのB社も当時、採用をかなり絞り込んだ。92年入社の約450人を頂点にして、97年から2006年は170~180人前後にまで抑制。それ以降は現在に至るまで350人前後といった具合に、新卒採用の人数は推移している。採用抑制が06年まで続いたのは、工事の受注から収益化までにタイムラグがある業界の特性によるという。

中途採用、年齢制限を撤廃
 採用抑制の結果、組織の人員構成はいびつになってしまったが、3つの手段で手当てをしている。まずは中途採用だ。

 かつては35歳までといわれた転職市場だが、年々この年齢は引き上がり、現在では求めるスキルや経験さえあれば不問というケースも増えた。B社でも中途採用の年齢要件は撤廃している。「中途採用市場は逼迫していてまさに奪い合い。面接の人員をそろえるのにもたもたしていると、あっという間によそに取られてしまう」(B社の人事担当者)という。

あとは若手の抜てきと定年延長だ。B社は定年延長を21年から始めたが、定年後再雇用よりも待遇が良いという。年功型の賃金カーブを見直したり、役職等級を6から4に減らしたりと組織のフラット化も進めている。

 年功序列を前提にした正ピラミッド型の組織では、各世代で同じボリュームのマネジャー層を用意しなければならないが、組織がフラットであればその必要もない。上の世代の残留や下の世代の抜てきでやりくりすることができるからだ。

ただし、これは氷河期世代の当人からすれば、穏やかな話ではない。まさに年長のバブル世代と30代以下の年下世代の板挟みだからだ。

 採用が絞られた結果、氷河期世代が少数精鋭という評価を受けているかといえば、必ずしもそうではない。B社の人事担当者は「手堅い採用をした結果、小さくまとまってしまった人材が多い印象。とがった人材が少ない」と話す。

 同期入社の社員が少ないことを嘆く氷河期世代の声もある。大手機械メーカーのC社では、総合職で新卒を150~200人採用するのが通例。バブル期の1992年のピーク時には300人以上採っていたこともあったが、「税金を払ったら赤字」というほどの業績低迷を受けて2000~03年の4年間は50人以下に減らした。

自身が02年入社の氷河期世代である人事担当者は「事務系に限れば同期は十数人しかいない。ちょっとしたことを相談できる頼れる同期が本当に少ない」とこぼす。ビジネスパーソンであれば、上司に聞いたのでは叱られそうで、後輩に聞いたのではばかにされそうといった類いの悩みを抱えたことはあるだろう。親しい同期は格好の打ち明け先になる。

 また、人事をはじめとする、総務、法務、経営企画といった間接部門においては特に、他の部署に気軽に話せる相手がいるかどうかは仕事を進める上で重要なポイントになる。人員や予算をめぐって寄せられる要求に応えられないなど、社内各所に我慢を強いる場面も多いからだ。

乏しい人的ネットワーク
 C社は00年代の低迷を乗り越えて、10年代以降は事業を大きく成長させている。4年間の採用抑制もあって、不足している人材は毎年150人程度、経験を重視して即戦力として雇う「キャリア採用」を続けることで確保してきた。

中途入社で即マネジャーに就くケースも多い。先の担当者は「人事部内でも課長の半数はキャリア入社。どの課にも1人はキャリア入社がいる」と語る。

 ここでも課題になるのが、社内の人的ネットワークの乏しさだ。「縦割りの壁を乗り越えるのに苦労している」といった声が聞かれるという。

 生え抜き社員であれば、一番の相談相手である同期が少なく、転職してきた場合には、そもそも知り合いがゼロからのスタートになる。立場は違っても、双方がマネジャーに就いたときに社内全体を見渡す基盤が貧弱だというのが氷河期世代の抱える悩みなのかもしれない。

このように、たとえ運良く正社員として働いているからといっても、順風な会社員人生を歩んできたとは言えない氷河期世代。そして、ここにきてまた、時代の変化の大波にさらされている。

 変化のキーワードはDX(デジタルトランスフォーメーション)と人生100年時代だ。パーソルキャリアで「doda(デューダ)」編集長を務める喜多恭子執行役員は「キャリアの折り返しに立ったと思いきや、ゴールは遠のき、リスキリングまで求められる。不安を感じたり、やる気を失ったりという傾向がある」と話す。

 企業の人事戦略も様変わりしている。氷河期が明けた05年には、入社2~3年未満を指す「第二新卒」という言葉も生まれ、企業は社員の年代構成を意識して、採用抑制で欠けた層を埋めようと努力していた。喜多氏も、顧客企業から「同業他社の同年代の人材が欲しいと言われて『各社ともに採用をしていないので、いません』と答えていた」と当時を振り返る。

 それが10年ごろを境に、人員確保を議論する際に欠かせなかった企業内の年代構成の図がめっきり登場しなくなった。戦後最初のベビーブーマーに当たる団塊世代(1947~49年生まれ)が大量退職した後、多くの企業は年次主義と決別し、年功制も見直してフラットな組織づくりを目指したからだ。

現在、企業の人事担当者が人員を確保する上で重視するのは、年代ではなく「何ができるか」。転職市場でも求められているのは、デジタルとマネジメントのスキルだ。

ただし、この2つのスキルを物差しにした場合に、必ずしも優位に立てないのが、氷河期世代社員のつらいところ。デジタルとなればやはり若い世代ほど親和性が高い。さらに、いびつな人員構成の結果、長くプレイングマネジャーとして働くことを迫られ、上の世代ほど本格的なマネジメントの経験も積めていないことが多いからだ。

 困難が続く氷河期世代だが、団塊ジュニアも含む日本の生産年齢人口に残された最後にして最大のマス層だ。この層が踏ん張れるかどうかは、日本経済の発展や社会の持続性に直結する。

 自身も氷河期世代の喜多氏は、逆境の中で培ってきたハングリー精神を強みに挙げ、「まだ間に合う世代と考えて、リスキリングに取り組もう」とエールを送る。

----------------------私の意見--------------------
私のところにも氷河期世代がいるが、私はマネージメントが出来ることが前提にある。私も若い頃自分の会社ならどうする?と言われてきた。それに今はデジタル、いわゆるITが加わる、どの世代であっても自己啓発しなければいけない。自信と情熱と商品に対する愛情と教えている。自分がお金出しても買わない商品を製造するなと口を酸っぱくして言ってる。常にお客様の立場で考えろと言ってる。

既に65歳以上の就業者が1千万人に迫る中、10年後には経営側になる氷河期世代、生き残るには勉強しかないと私は思う。のほほんと過ごしていたらZ世代にその座を奪われてしまうだろう。

人生は絶えず勉強あるのみだ、学習と経験が自信に繋がり、自信が情熱を産み、そして会社と商品に愛情を注ぐことだ。





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最終更新日  2022.06.10 17:22:46
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