テニス専門店の部屋

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桜(詩じゃない)6つ目



今年も桜の散る季節になった
この桜舞う道を歩いてると
今でもあなたを思い出す
心から離れない人

いつかの春のこと
走っていて、いきなりぶつかった
こんなテレビでありそうな
あなたとの出会いだった

私はどこか懐かしい
あなたに惚れた
そして明くる日からも
たびたび会うようになった

私は根性を出して砕ける気持ちで告白した
あなたは優しく微笑んだ

デートコースや待合場所は
いつも桜舞う道だった・・・

あの頃私は溺れていた
君という大きな湖に・・・
私は幼かった
ただ愛することしかできなかった

毎日私の愛情しか出せない思いを
それでも受け止めてくれたあなた
何も出来なかった私を
優しく抱きしめてくれた

付き合って1年がたつ日
初めて二人の出会った桜舞う道へ行った
二人で一年という月日を楽しんで、二人で約束事をした
「来年はこの場所を待合場所に、別々に来よう」

付き合って1年がたった年
とても仲が良く
結構の噂まで出るくらい
お互いを信じあっていた

そして2年がたった春
いつもの桜舞う道へ約束を守って、ドキドキしながら向かった
待ち合わせの桜舞う思い出の木の前に
人が集まっていた

私は言葉を失った
彼が交通事故に巻き込まれた
もう動くことは出来なかった
近づくことも、離れることも・・・

私は野次馬の言葉でさらに実感し
ただあなたを眺めていた
私が何も出来ないときに
桜はただ散り、舞っていた

今でもまだこのことを引きずっている
あなたが亡くなってからやっとわかったことがある
初めて守ってやりたいと・・・

僕は忘れていた
いつでもあなたが側にいて
それが当たり前だと思ってた
いつでも側にいるから
何もせず、愛してるだけで
良いと思ってた
でも・・・・・・
違ったんだよね
近すぎて忘れていた私
離れて、会えなくなって
初めて実感した
私は支えられすぎた
彼はいつでも笑顔でいてくれた
でも、色々悩んでたよね
私は悩んでることを気にもせず
相談相手にもなろうとせず
ただ・・・愛していた

私は相談もしないで自分を嫌いになり
ただ一人で無理をしていた
そして耐え切れなくなった時は泣いた
するとあなたは
「どうしたの?」と微笑みながら聞いてくれる
私も自然に心の内を話せることが出来た
あなたは私の辛さを分かち合おうと手を差し伸べた
でも、私はあなたが強い人だと思い込み
何も悩みも聞いて上げられなかった
私は支えられっぱなし
死んでからじゃ
もう・・・遅い・・

私はいつまでも側にいると思い
ちょっとした争いごとでも
きちんと向き合わないで逃げ出していた
真面目に言ってくれてるのはわかっていたけれど
話す勇気がなかったし
話さなくてもずっと側にいてくれると
何か自分がすべてだ・・みたいに勘違いしてた

私はすごく傷つけていたと思う
でもあなたは、次の日には
何事もなかったかのように
微笑んでくれた
そしていつも
あの場所へ行こうと言って
春に桜舞う、あの思い出の道へ連れてってくれた
二人で空を眺めたね
でもあなたは・・・
この時だけは・・必ず
悲しそうに空を眺めていたね・・・。

私は馬鹿だった
もっと大切にすれば良かったと
いまだに思い続けている
私はあなたに甘えすぎだった
この忘れられない日にも
きっと早くに思い出の場所に来て
一人で空を悲しそうに眺めていたんだろう
私はなぜか今になってそう思う
何か話したいことがあったのかも・・・
しれないね・・。

あなたは最初何の話をするつもりだったのか
私は何を話すつもりだったのか

でもどうすることも出来ない

桜舞う道・・・
ココを訪れるたびに
私はこの、昔の自分を
とても嫌いたくなる

でも、微笑んでいる
あなたの幻影が見える気がする


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