カリフォルニアの山火事と人的要因



 米国カリフォルニア州で、複数の山火事が同時発生。同時多発と言う点で、忌まわしい2年前のテロをつい思い出した。1日現在で、東京都の1.4倍程度の地域が焼失し、2300億円を超える大規模災害となり、カリフォルニア州の最悪記録を更新。

 この時期、西海岸のフロリダ地方は乾燥し澄んだ蒼空が観光の目玉。
 70年代のフォーク歌手達が称えた、メロディアスな美しいカリフォルニアの青い空だ。テレビや各紙の報道に詳しいが、山火事の直接原因と間接要因は大別して3つ。火災の発生現場と拡大の状況及び原因は多少異なる。

 1)放火であり、既に犯人の似顔絵が配布され捜索が始まっている。映画の西部劇でお馴染みのシーンが、現代のロスやサンディエゴの都市にも生き残っている。

 2)行政の怠慢による人災。同州では、以前からキクイムシの被害が多くの森林で広がっていた。30~50%とという、森林エリアの半分近くの信じ難い割合で、樹木の立ち枯れがあり放置されていたという地元・カ大のウォルター教授(火災生態学)の指摘があった。

 3)狩猟に夢中になっていたため、自分の位置が分らず、藪(ブッシュ)で道に迷ったハンターが、助けを求めた照明弾の発泡によるもの。現代の銃器好きアメリカの事故・災害の典型的な例。自国の正義を主張するが、戦前の古くからの盟友の大半と国連から本音を見抜かれ、そっぽを向かれている稚拙外交で孤立化深まるイラクの現状の手詰まりに酷似。

 大火事を煽り、拡大させている要因に気象条件の2つがある事が見逃せない。
 通称「サンタアナの風」といわれるている乾燥した南カリフォルニア特有の季節風。発生現場の東部に広がる内陸部の砂漠地方から吹き込む風。

 次に、火災旋風(通称:火事場風)。我国でも関東大震災の時に発生したことが知られている。この厄介な風は火災現場の猛烈な熱風が周囲の冷気に触れることで、小型の竜巻のような現象が発生し、消火活動を阻み手の施し様がない。現代の最新消防科学技術をもってしても降水に頼るしかない。どうぞ、被災者に天の恵みをアーメン!



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