Terroir

Terroir

2017/04/07
XML
カテゴリ: Ma Cuisine


このブログでは基本的に同じワインは一度しか書かないのだが、一口飲んで溜息を吐いたのは久しぶりなのでもう一度書く。

先に飲んだ時より2年が経ちワインは確実に開花していた。ワインはmasculinながらも絹のような滑らかさtextureさ、果実の厚み、そして獣味、ほんのりとしたエピス。フィネスさえ有る。 美味しいが野卑なBeauneのワインでは無く、複雑で気高いCdN。前に飲んだ時のようにGevreyだと思う。否、並みのGevreyでは無く少し重みのあるLatriciere だ。

Beauneの3つのクリマを超古樹(t.v.v)を合わせ500lのfoudreで醸造。 個人的にはGevreyと思うだろうか、 合わせたこの3つのクリマの選択も絶妙だからだろう。それぞれ、男性的なクリマ、女性的なクリマを混ぜ、両者でキャラクターを作り、少し硬質で粗野な3つ目のクリマが骨格を与える。そしてpieceで無く態々foudreを使ったのは新樽の接触面積を抑えるのが主目的だろうがelevageから3つのクリマのワインを混ぜて一体感を確立させるためもあるように思う。ひょっとしたら発酵方法も普通キュベとは変えてるかもしれないが、その辺は判らない。

「名無しのクリマ(1級)」のワインは中々美味しい事が多い。DRC、Vogueは特級の若木が入っているからまあ、当たり前と言えばそれまでだが、H. Lignier、C. Dugat等はメランジェで素晴らしい1級を作っている。だが、それらのワインはやはりそのクリマを超えてはいない。この絶妙な組み合わせ、適切な作り〜それは多分彼の直感に基づくものだろうが〜からクリマを超えたワインを作るのはやはり天才しか言いようが無い。

Foudreで2樽だから年生産量は1200本程度、かなりのレア物に属するだろう。作り手自体が生前は余り評価されておらず、このワインも殆ど日本に入っていない。そして作り手が亡くなりプチブレークし、バックビンテージが再輸入された後も、このワインだけはかき集めれなかったのだろう、やはり日本には入っていない。

このワインもまだまだ開花したばかりで今後10、20年とゆっくりと本咲きになるだろう。そして私もその開き加減を見ながら時折開けて行くとしよう。何と無くだがそれまで頑張って生きていけるような気がしている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2017/04/07 03:17:39 PM
コメント(3) | コメントを書く
[Ma Cuisine] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Calendar

Free Space

メールアドレスはq_terroir@yahoo.co.jpです。

糖尿病闘病ブログ始めました(笑)
最新のHb1ACは5.8です。
http://mydiabetes.exblog.jp

Comments

Q__@ Re[1]:Sancerre Monopercelle 469 2021 (C. Riffault)(10/09) みりんさんへ お久しぶりです! そうな…
みりん@ Re:Sancerre Monopercelle 469 2021 (C. Riffault)(10/09) こん○○は、Qさん こういう出会い、発見が…
Q_ @ Re[1]:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) うまいーちさんへ お久しぶりです。コメ…
Q_ @ Re[1]:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) みりんさんへ バタバタしていてコメント…
うまいーち @ Re:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) エントリーありがとうございます。楽しま…
みりん@ Re:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) こん○○は、Qさん 既存のブランドや権威(…

Profile

Q_

Q_

Keyword Search

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: