みりんさんへ

お返事遅くなってすいません。

実際ワインを有る程度飲まれた方はグランクリュように凝縮、力強さや複雑味を重視しますね。ただ飲み込んでいくとそう言う大輪の花的なワインよりも路傍に咲く花のさりげない美しさや儚さに惹かれるようになると思います。何よりも大輪の花的ワインは想定内である事が多く、想定内のものを飲んで想定内と確認する作業に余り意味を見出せないようになるからでしょう。それは恰も安土桃山時代前半に物質的な豪華絢爛な文化が流行り、後半は精神性を重視した侘び寂びに価値が移っていったのでしょう。

Ponsot、毀誉褒貶は有りますが個人的には好感が持てます。上のキュベでなく下のキュベもきちんと作られているところは感心ですね。 (2022/05/20 04:04:34 PM)

Terroir

Terroir

2022/03/24
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カテゴリ: Degustation


多分ブルゴーニュ古酒を飲みつけている人なら解ると思うが、60−70年代のブルゴーニュに幽玄さ、浮遊感、緩さ、出汁という古酒独特のキャラクターに魅入られる人は多い。翻って今のワインを見てみると、それらが熟成して行った時に果たして優れた60−70年代のワインの高みに到達できるかどうかは不明だ。

主観なので間違っているかもしれないが、個人的にはしっかりと凝縮感を出し、果実を全面に出し、フィルターやコラージュをかけず、酸化防止剤を抑え早のみが出来る様にフレッシュで modern な作りになった事も一因だと思う。端的に言うとフィルターをかけず浮遊物が有るワインは時間が経つとどうも味に濁りを生じ出汁感が出ず、 SO2 が少ないと比較的早く酸化が進み果実がフェードし、マデラになってしまう。実際今90年代半ばのワインを飲んでみると枯れていたり酸化してマディラになっている物も多くこの考えはあながち間違っていないように思える。特に最近流行りの酢酸系ブルゴーニュワインは殆ど熟成せず色褪せて行くのではと思っている。結局のところ短期的な飲み易さと熟成のポテンシャルという二律背反(でもないのだが)の命題の optimal mix を狙わず前者に注力した、謂わばイングリッシュガーデンを狙わず、フラワーアレンジメントなのだろう。

閑話休題、さて今日のお題のワインだがこれは今は亡き Pommard のパーカー4つ星。アペラシオンは単なるレジョナルなのだがこれはかなり素晴らしかった。 45 年経過しているが澱はあまり無く、フィルターを掛けていると思われる。そのせいか味わいは薄いが澄んでいる。熟成したレジョナルに良く感じられるようなちょっとひねたマディラのような香り、癒しを感じさせる緩さもなく、気高ささえ感じさせる。粗で有り野で有るが卑ではないというのが優れたレジョナルの定義だがこれは決して粗野ではない。寧ろその対極の浮遊感を持った至高の1本。こういうのを飲むと GC というのが如何に monolithic monotone な作りかという事が判る。

まあ、その域に達するには有る程度 GC を飲む事が肝要なのだが。






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Last updated  2022/03/24 02:22:20 PM
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Re:Bourgogne Rouge 1977 (Pothier Rieusset)(03/24)  
みりん さん
こんにちは、Qさん。

薄く澄んだ味わいと言うのを求める人は少なくなってしまっているように感じます。残念ながら。

Qさんのブログで気になっていたローラン・ポンソのキュヴェ・ド・ロルヌ2017年、栓が特殊だったので逡巡してしまい、飲むのが遅くなってしまいましたが、静謐な感じがあって私達二人はとても興味深く楽しめました。同時にこれに感心できる人は少ないんじゃないかな・・・とも強く感じました(笑)

果たして、検索してみると購入店舗とは別店舗でまだ在庫が少しだけあるようでしたので、追加で購入しておきました。
このワインのような一見平凡そうなのに非凡な印象は、日本酒でも受けるときがあり、こうした味わいはいつも私達には好ましく感じられます(^^) (2022/03/26 05:18:38 PM)

Re[1]:Bourgogne Rouge 1977 (Pothier Rieusset)(03/24)  
Q_  さん

Re[2]:Bourgogne Rouge 1977 (Pothier Rieusset)(03/24)  
みりん さん
Q_さんへ

いつも色々と忙しく飛び回られておられるかと思いますので、お返事いただけるだけで嬉しいです。

今日(5/20)の記事もそうですが、価値判断にはその人の生き様が反映するように感じます。他の人がうらやましがるから、そのうらやましがるものを志向するのは、他人の価値観に縛られて生きているようにしか感じませんが、そこに気が付かない人が今では多くなってしまっているように思います。

ポンソのロルヌ、気になって追加購入分を一本だけ飲んでみましたが、状態は悪くは無いと思いますが、まだ少し休ませ方が足りなかったような印象を受けました。
せっかくなので、残りは少し間をおいてからと思っていますが、白も一本だけ入手しておいたので、これを近々確認してみるのが先かなと思っています。

Qさんのブログを拝読しつつ、あれこれ考えて飲めるのは楽しくて価値があると私達は感じています。
いつもありがとうございます。 (2022/05/20 07:51:18 PM)

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Q__@ Re[1]:Sancerre Monopercelle 469 2021 (C. Riffault)(10/09) みりんさんへ お久しぶりです! そうな…
みりん@ Re:Sancerre Monopercelle 469 2021 (C. Riffault)(10/09) こん○○は、Qさん こういう出会い、発見が…
Q_ @ Re[1]:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) うまいーちさんへ お久しぶりです。コメ…
Q_ @ Re[1]:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) みりんさんへ バタバタしていてコメント…
うまいーち @ Re:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) エントリーありがとうございます。楽しま…
みりん@ Re:Vosne Romanee Aux Champs Perdrix 2018 (Audiffred)(04/08) こん○○は、Qさん 既存のブランドや権威(…

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