最初に飲んだ時の感動はまだ鮮明に覚えている。混じり気のない果実から来る圧倒的な香り、そして柔らかいが何重にも重なり合う気品すら感じる。BdBの澄み切り余韻の長いトーンはカテドラルに響くアカペラのようにゆっくりと心に染み込みゆっくりと減衰していく。自分が飲んで来たChampagneの中でも群を抜いてhors ligne だ。ある意味デビュー当時のSelosse(今ではまあ普通だが)に感じた戦慄に繋がる。個人的にはマキアージュを感じるMesnilよりも上かと。勿論作り込まれたメゾンの上級キュベが野暮ったくIQ低く成金的に感じる位の洗練さだ。