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Apr 26, 2009
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カテゴリ: 柔らかい思念
 これは夢である。

 深夜、家を出ると赤土がむき出した広場があって、そこには今まで何度も行ったことがあるような気もしたし、始めて来たような気もしていた。
自分から少し離れたところに、白い球体が4つ、下に2個、上に2個積み重ねられていた。下の2個の球体の間には、白い木枠のようなものがあって、それは本箱のようにも、何かの動物を閉じ込めている檻のようにも見えた。
 これは、娘にも見せてあげた方がいいという気持ちになって、家にあわてて戻り、娘の名前を叫んだ。
 元の場所に戻ると、その4個の球体はもう空高く上がっている。月明かりを受けて、暗闇の中に4個の球体がくっきりと見える。気球だったのだ。
 すると、娘の声が聞こえてきて
「あれが気球のはずはないじゃない。あの中に、入っているもの。」
 何を言っているのか、よくわからなかったけれども、何か聞き直すのはうるさがられるように思えて黙っていた。球体と球体の間にある白い木枠のようなものが気になったけれども、娘に聞いても何も教えてくれないと思った。
 見る見るうちに4つの球体は空高く上がっていく。それでもそれらの白い球体はくっきり見える。そろそろ娘に話しかける言葉を捜さなければいけないような気がした。そうしないと娘がどこかに行ってしまう。そんな思いに駆られた。
 その時、わたしはぐきりとした。娘はもういないのではないか。
 周囲を見回したのだけれども、娘はいない。そもそも娘をずっと見ていないような気がする。家で娘に呼びかけて、わたしについて外に出てきたように思っていたけれども、わたしは後ろを振り返らなかったから、娘を見ていない。唯一、娘が発した言葉だけが、娘の存在を裏付けるものだった。
「あれが気球のはずはないじゃない。あの中に、入っているもの。」
わたしは慌てて夜の空を見上げ、あの球体を探した。随分と小さくなったが、まだ、夜空にくっきりと見えている。

 これは夢なのであって、眼が覚めればわたしの家の周りには赤土の広場はなく、4つの白い球体や木枠などあるはずもない。

 闇の濃度が急速に薄くなってきている。ぼんやりと白くなり、いつの間にか周囲が見えない。朝がやってきたのかもしれないし、もしかすると、白い球体の中にいるのかもしれない。わたしは眼を見開き、手を伸ばし、娘を探している。夢が醒める前に娘を探し出さなければ、もう2度と娘に会えないような気がする。

 わたしはもがいている。消えかけている夢をなんとか繋ぎとめようとしている。夢が醒めると娘がいないことをわたしは知っているからだ。






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Last updated  May 3, 2009 10:24:23 PM
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