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2026年01月31日
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カテゴリ: ハロプロ
IT業界で数多くのサービスを生み出してきた経営者・川邊健太郎さんが、50歳でハマった「推し活」。AI時代だからこそ、人間的な「推し活」に惹(ひ)かれるという川邊さん。エンタメ社会学者の中山淳雄さんと「推し活」の歴史をひもとき、その魅力に迫ります。連載第1回。


ただ消費するだけじゃないのが「推し活」

川邊健太郎さん(以下、川邊):僕が「推し活」について考えるようになったのは本当にここ1、2年のことです。2024年、50歳の時にハロプロ(ハロー!プロジェクト)にハマり、人生で初めて推し活をするようになりました。そこから、興味を持ち始めたんです。

 博報堂による「推し活」の調査「OSHINOMICS REPORT(2024)」では、日本では今、3人に1人が「推し」を持ち、自由時間の約4割、自由に使えるお金の約4割を推し活に使っているというデータがあります。いつの間に、ここまでの巨大産業になったのでしょう? 今日はまず中山さんに「推し」の歴史について聞くところから始めさせてください。

中山淳雄さん(以下、中山):「推し」という言葉が広まったのは2011年前後、AKB48の総選挙が一つのきっかけです。ただ当時はまだ男性中心の文化で、「総選挙の中で自分が誰を推すか」「推しメンをサポートする活動で、推し活」といった文脈で使われていました。それが2017〜18年頃から女性が主体となり、推し活は大きく変容していきます。

 一例を挙げると、『名探偵コナン』のキャラクターである「安室透」推し現象が生まれ、“安室透を100億円の男にしたい”といった動きがSNSを中心に盛んに。その結果、2017年ごろから急増した女性ファンが映画館に詰めかけ、2010年代前半には30億円台だったコナン映画の興行収入が、2023年には100億円を突破。今では、さまざまな作品のキャラクターのアクリルスタンドなどの推しグッズと一緒に漫画やアニメの聖地を巡礼するファンの存在を多くの人が受け入れていますよね。

川邊:なるほど。実際、推し活市場を調査したデータの支出額を見ると、女性の方が圧倒的に支出額も多いですね。「推し」という言葉が広がる以前から、宝塚(宝塚歌劇)、ジャニーズ(現STARTO ENTERTAINMENT)、韓流アイドル……。女性ファンの対象への熱量はずっと高かった印象があります。

中山:これには歴史的背景もあると思います。1975年に今のコミケの始まりである第1回コミックマーケットが開催されていますが、その時の700人の参加者の9割は、BL(ボーイズラブ、当時はやおいと呼んでいた)を描く中学生・高校生の女性たちでした。

川邊:え!? 9割が女性だったんですか。それは知らなかった。

中山:そうなんです。求める物語が供給されないから自分たちで想像し、創造していく。

川邊:本編のパロディーとして漫画の主人公たちが、ボーイズラブしちゃう、あの文化も推し活だったんですね。

中山:当時は公式には内緒の秘密結社的な活動でしたが、作品の「余白を埋める文化」は現代の推し活に引き継がれていると思うんです。二次創作を楽しむ、アイドルのライブでグッズを買う、推しキャラを持って旅をする……。特に女性は、ライブ会場に持ち込むうちわなどの推しグッズを作る、曲に合わせてペンライトを振る、掛け声をかける、遠征の宿を手配するなど、推すための「儀式」や「設備」を整え、楽しみながら余白を埋めていくのが得意なんですね。このあたりが、「推し活」と単なる「ファン活動」との違いです。

川邊:というと? 中山さんの考える推し活の定義はどういうものですか?

中山:抽象的になりますが、推し活とは「コンテンツの隙間を埋めて、非公式でも消費者が参加者になること」だと私は定義しています。ただ見て、買って終わりではない。自分たちで何かを作り、関係性を築き、外に出ていく。この「参加性」が決定的に違うんです。

川邊:なるほど。ただの消費じゃなくて、参加する消費。ライブでアイドルの歌の間に挟み込むコールを作っているコール職人の人も、僕のように大勢の一人としてコールしている人も……。

中山:まさに参加者として推し活しているということです。


「余白」がファンを「消費者」から「参加者」へと変えた

中山:まだアングラなアイドルや作品を推しのみんなの力で引きあげていったり、推す対象の発信に推しが反応して広げていったり、参加性こそが重要です。例えば、1980年代から1990年代はアイドルであれば「出来たもの」を見せられる時代が続き、参加しようとする「二次創作」や「追っかけ」「出待ち」は突飛(とっぴ)な行動とされていました。これが1990年代後半ごろから変わり始め、2000年代に携帯電話とインターネットが普及し、SNSが始まったことでコンテンツを発信する企業側もファンの参加行動の価値に気づき始めたんです。

川邊:なるほど。

中山:例えば、ファンによる「歌ってみた・ 踊ってみた」といった発信によって、推す側と推される側の関係性がインタラクティブになり、二次創作が一次コンテンツの人気を広げていくような現象が起きていきました。

川邊:エンタメについて調査したGEM Partnersの『推しエンタメブランドスコープ』(https://www.gem-standard.com/p/products/158、有料のサブスクリプションサービス)には、日本人が推している対象は8000種類近くあるとありました。しかもその7割が2次元コンテンツ。これはなぜなんでしょう?

中山:2次元の方が「余白」が多いからです。今はアニメやゲームには、公式が意図的に残した「ファンが参加できる余白」があります。一方、かつてのテレビ主導で育てられてきたアイドルやアーティストは、ファンの参加を公式側が必ずしも積極的に取り入れてこなかった。それをブレークスルーしていった事例が、川邊さんが箱推しされているハロプロだったり、ももクロ(ももいろクローバーZ)だったり、K-POPだったり。オーディションの過程、デビューへの道のり、メンバーの新加入と退団のストーリーを並走させ、ファンが関与していく余白を2010年代ごろから公式が意図的に活用するようになっていきます。

川邊:ハロプロが25年以上続いているのも、「余白」があるからですか。

中山:まさにそうです。しっかり参加し、熱く推してくれるハロプロの固定ファンは4万〜5万人規模(GEM Standard「推しエンタメブランドスコープ」)。これは新日本プロレスと同程度です。5000人規模の箱は確実に埋まりますし、ファン層は男女半々とバランスも良く、ライブでのコール文化など「参加の余白」もしっかりあります。こうした設計はさらに洗練され、近年急成長している韓国発のアイドルなどは配信やSNSを駆使して、熱狂的なファンダムをつくり出しています。


コロナ禍でさらに拡大した推し活市場

川邊:コロナ禍で推し活市場はさらに拡大したそうですね。

中山:2020〜22年、現場でのライブがなくなり、代わりにオンラインでのリモートライブが普及。当時のエンタメ業界は、SNSなどインターネット上の交流を通じてファンの基盤が強化、拡大される推し活に活路を見いだしました。また、ファンの側も「時間ができて、推しへの気持ちが再燃した」「違うグループを好きになった」という声も多く聞かれ、「初めて推しができた」という層が急増したのです。

川邊:巣ごもりボーナスが働いたわけですね。でも、コロナ後もマーケットはシュリンクせずに伸びている?

中山:リアルライブの復活で、オンラインでのリモートライブの売り上げは最盛期の512億円(2021年)から295億円(2023年)と減少(ぴあ総研)。一方で、リアルライブ市場は5299億円(2024年)で過去最高、2019年の4237億円を上回る成長ぶりです。リモートライブは現場に行けないファンへの補助手段になった、ということです。リモートではリアルの熱気は代替できない結果ともいえますし、リアルとリモートの補完関係が安定着地したともいえます。

川邊:興味深いのは、推し活による支出は女性が圧倒的に多いというデータがあることですね。例えば、宝塚。これは単純に公演のチケット代が高いからですか? それともトレーディングカードがたくさんあるとか?

中山:もちろん、グッズ類は充実していますが、それ以上に全公演をコンプリートする「全通」の人が多いからですね。これは他の男性アイドルグループや韓流アーティストにも共通しますが、コンプ率の高さが支出額の高さにつながっています。

川邊:日本では女性の方が平均年収が低いけれど、推し活マーケットとしては女性の方がデカい。社会にまだまだ残っている男尊女卑的な抑圧が影響しているみたいな側面はあるのかもしれませんね。

中山:その辺りはまだなんとも言えないですね。女性が推し活の中心層になってからまだ約10年。いわば第1世代で、たまたま多くお金を使っているだけかもしれないです。30年、50年たったときに男女の特性や社会性からの分析もできるようになると思います。

川邊:一つ言えることは、推しにはお金も時間も惜しまない、と。

中山:間違いないですね。例えば、ファンが推しの誕生日などに駅構内へ広告を出稿するJR東日本の応援広告サービスでは、平均支出額が1人6万円(jeki「推し活・応援広告調査2022」レポート)。ただ、こうやって金額を切り出して、消費の一環として「推し」を語ることは間違いかもしれません。たしかに「推し活」はイベント参加やグッズ購入など「消費」を伴うものですが、実はその本質が「買うこと」ではなく、「参加すること」にあるからです。

川邊:供給不足の時代に育まれた「余白を埋める文化」が、インターネットとSNSによって一気に開花して、参加者を増やしながら推し活市場をつくっている。

中山:その通りです。そして、その文化は世代を超え、性別を超え、社会全体へと広がり続けています。

川邊:推し活は、ただ見るだけの消費ではなく、参加することで間を埋め、関係性が生まれ、ファン同士がコミュニティー化して広がっていくというのは大きな学びでした。

文/佐口賢作 写真/鈴木愛子 編集/木村やえ


川邊 健太郎
かわべ けんたろう
1974年生まれ、東京都出身。1998年青山学院大学法学部卒業。大学在学中にベンチャー企業を設立。その後設立した会社とヤフーの合併に伴い、2000年ヤフーに入社し、「Yahoo!モバイル」担当プロデューサーに就任。2003年に社会貢献事業担当プロデューサー、2007年に「Yahoo!ニュース」などの責任者に就任。2009年GYAOの代表取締役に就任。2012年ヤフーのCOOに就任。2018年ヤフーの代表取締役社長CEOに就任。2019年持株会社体制への移行に伴い、Zホールディングス 代表取締役社長CEO、ヤフー 代表取締役社長CEOに就任。2021年3月ZホールディングスとLINEの経営統合に伴い、Zホールディングス 代表取締役社長Co-CEOに就任。2023年4⽉にZホールディングス会⻑、2023年10⽉にLINEヤフー会⻑に就任。2026年6⽉に退任予定。2024年初頭より、ハロー!プロジェクトの推し活を開始。





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最終更新日  2026年01月31日 04時32分40秒
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