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2026年01月31日
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カテゴリ: ハロプロ
IT業界で数多くのサービスを生み出してきた経営者・川邊健太郎さんが、50歳でハマった「推し活」。AI時代だからこそ、人間的な「推し活」に惹(ひ)かれるといいます。エンタメ社会学者の中山淳雄さんと推し活がなぜ人々を魅了するのか、その本質に迫ります。連載第2回。


モーニング娘。の変化に驚き、その過程に興味を持った

中山淳雄さん(以下、中山):川邊さんが50歳でハロプロ(ハロー!プロジェクト)にハマったことは、IT業界で大きな話題になりました。学生時代から一貫して「インターネットで世界を変える」側にいた川邊さんが、なぜ、モーニング娘。や推し活に注目することになったんですか。

川邊健太郎さん(以下、川邊):きっかけは元モーニング娘。の市井紗耶香さんとの出会いでした。猟師仲間たちとの食事会に市井さんが参加されて、その時にモー娘。の2期生の立場から経験した当時の話を聞かせてもらったんですね。それがめちゃくちゃおもしろかっただけでなく、その日の帰り際、「川邊さん、今のモーニング娘。はもっとカッコよくなっていますから」と勧められたんです。

中山:それで調べてみた、と。

川邊:僕は信用できる人からお勧めされたら即、実行するタイプなので、帰宅途中にさっそく「モーニング娘。今」「モーニング娘。曲」と検索し、チェックしました。そうしたら、たしかに私が知っていた2000年代前半のモー娘。とは別物だった。かっこいい。なんだこれは? と驚いた後で、関心を持ったのは「変化」という現象でした。

中山:変化ですか?

川邊:僕は物事を経営者や事業家としての目線で見てしまう習慣があって、物事が変わっていく事象に対する感度が高いんです。僕が最後に見た時期のモーニング娘。が20年たって、すっかり変化している。その過程に何があったのかに興味を持って探っていったら、ビジネス的な浮き沈みがあり、道重さゆみという「中興の祖」といえるリーダーの存在があり、これは若い子たちが青春や魂を燃焼させて、夢を実現していく人事と組織の物語だなと思ったんですね。

中山:なるほど。

川邊:僕は長らくスタートアップの応援もしていますから、それと似ている。スタートアップA社、B社、モーニング娘。そういう並びで解釈しながら、モーニング娘。の背景にある組織も見るようになって、気づけばハロープロジェクトの箱推しになっていました。


AIには、まだ温度感がない

川邊:中山さんに聞きたいんですが、AIは推し活にどういう影響を与えると思います?

中山:率直に言って、現時点ではまだ相性が良くないと思っています。AIには温度感がないんですよ。

川邊:温度感?

中山:例えば、初音ミクのライブで機材トラブルが起きた際のエピソードが象徴的です。2007年に登場した初音ミクは、アニメや漫画などのキャラクターではなく、人が自身の作った楽曲をコンピューターに歌わせるソフトウエアであり、その楽曲を歌うソフトウエア上のキャラクター。数多の作曲家が作った楽曲をバーチャルシンガーである初音ミクが歌う。そのバーチャル・コンサートに世界中から1万円近いチケット代を払い、観客が集まる状況が2010年代から続いています。

 あるとき、その初音ミクのライブで30分間、演奏が止まったトラブルがありました。すると、観客たちが自然発生的に「ミクちゃん頑張れ!」と声援を送り始めた。後ろではエンジニアが必死に復旧作業をしている。中の人がいる前提で、観客は推しのためにペンライトを振り続け、ネギの畑が咲いたその光景が「伝説の回」として今も語り継がれているんです。

川邊:そこには人が作り出す温度感があって、AIにはナラティブを作るのが難しい。

中山:そうです。推し活では「誰が、どのように、何を語るか」が大事で、AITuberが必ずしも成功していないのも同じ理由です。人気のあるVTuberは「中の人」の話芸と個性が伝わってくる。やっぱり温度感、手触り感がないものには萌えないんです。

川邊:AIは今後も進化していき、ナラティブで温度感のあるものが出てくる可能性はあるでしょうけど、今の時点では推す対象には至らない。

中山:推し活の基本はイベントドリブンなんですよね。モーニング娘。もそうですし、ライブで伝わってくるもの。先ほどの初音ミクの伝説の回にしても、みんなで参加し、育て、作っていくから、推しになる。AIはまだそこまで信じられる存在ではないですよね。

川邊:推し活においては、皆が対象を信じないことには成立しない。信じるというのは、好きになるということですから。そこが本質なんでしょうね。


テック企業とコンテンツ業界の決定的な違い

中山:AIと推しの話にも関連してくると思いますが、川邊さんはテック業界とコンテンツ業界の両方の世界を知っている稀有(けう)な経営者です。それぞれの業界の違いをどう感じていますか?

川邊:何かを作るという意味では同じなんだけど、決定的に違うのは、作るものに「人格」や「人間性」を求めるのがコンテンツ業界。テック業界は「利便性」「ユーティリティー」です。感動すること、心動くことに最大の価値を置くのがコンテンツで、「便利だね」と言われることに価値を置くのがテックなんです。

中山:なるほど。

川邊:一つ印象的な出来事として覚えているのは、2010年代前半、各携帯キャリアがそれぞれに違いを出せずに苦しんでいた頃、ある通信キャリアが世界的な音楽レーベルに買収の提案をしたことがありました。所属アーティストの楽曲を同キャリアのユーザーしか聞けないようにして、ユーザーを増やそうと考えたんでしょうね。これはテック側からすると、資本主義的には正しいことを言っているつもりなんですけど、コンテンツを作るクリエイターたちからは総スカンでした。

中山:「自分たちの作った音楽が他のキャリアの人たちに届かなくなるのか」となりますよね?

川邊:そうです。でも、現実としては「音楽を囲い込むよりも料金を500円割り引いた方が人は動く」という計算データが出て、交渉が終わった。改めて僕はテック側とコンテンツ側は、全然違う世界だと実感しました。

この先、人間的な「余白」や「物語」「温度感」がより貴重になる
中山:テック業界の企業の多くは合理性を重んじますから、AIの導入にも積極的ですよね。

川邊:一方、コンテンツ業界にはAIという言葉すら使いたくないという人がいます。この間会ったVTuberのプロデュースをしている会社のトップも「AIを信じている、なんて言うと叩(たた)かれる」と言っていました。それはユーザーの中にアンチ勢がいるから。

中山:ヒューマンメイドを信じる人たちのファンダムがあるから、スタンスとしてAIを信じているとは言えないし、AITuberもやれないということですね。

川邊:でも、僕は楽観的です。30年後の世界を考え、逆算した方がいい。AIは必ず進化します。でも、それと同時に、人間の持つ「温度感」「ナラティブ」への価値も必ず上がる。そして、現時点でのAIはクリエイターをエンパワーメントするけれど、作る人に取って代わることは当面ない。それが相場観でしょうね。

中山:推し活が教えてくれるのは、テクノロジーが進化すればするほど、人間的な「余白」や「物語」、「温度感」が貴重になるということ。だからこそ、人は推し続ける。AI時代においても、その本質は変わらないはずです。

文/佐口賢作 写真/鈴木愛子 編集/木村やえ


川邊 健太郎
かわべ けんたろう
1974年生まれ、東京都出身。1998年青山学院大学法学部卒業。大学在学中にベンチャー企業を設立。その後設立した会社とヤフーの合併に伴い、2000年ヤフーに入社し、「Yahoo!モバイル」担当プロデューサーに就任。2003年に社会貢献事業担当プロデューサー、2007年に「Yahoo!ニュース」などの責任者に就任。2009年GYAOの代表取締役に就任。2012年ヤフーのCOOに就任。2018年ヤフーの代表取締役社長CEOに就任。2019年持株会社体制への移行に伴い、Zホールディングス 代表取締役社長CEO、ヤフー 代表取締役社長CEOに就任。2021年3月ZホールディングスとLINEの経営統合に伴い、Zホールディングス 代表取締役社長Co-CEOに就任。2023年4⽉にZホールディングス会⻑、2023年10⽉にLINEヤフー会⻑に就任。2026年6⽉に退任予定。2024年初頭より、ハロー!プロジェクトの推し活を開始。





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最終更新日  2026年01月31日 04時42分49秒
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