25.グループ・サウンズ(GS)VOL:7



グループ・サウンズ(GS)VOL:7




ザ・フェニックス


フェニックス001


"フェニックス"の名前は、バンドのメンバー全員が師匠と崇めるテリー(寺内タケシ)によって命名された。

テリーは、数多く存在するGSの中で、従来のようなサウンドで生き延びていくには困難な時代になると判断し、本格的なロック系の新バンドを結成するためにメンバーを探していた。そして、仕事帰りに偶然寄ったレストランで、ギターを弾いていた栗山に巡り会い彼をスカウトし、テリー自らが中心となって他のメンバーを探し歩いた。

結成後、メンバー全員の特訓を行うため一ヶ月間の合宿に入る。スタイルは"バニーズ"結成時と同じスパルタ教育を施した。(午前中は就寝、午後からバンド練習、合間にロックの基礎を研究討論し、夜はテリーが竹刀を持って夜中までのしごき)

メンバーは、栗山 正(LG)、藤野寿夫(SG)、宮崎重夫(BG)、山田光治(E)、鈴木二郎(D)、椿 哲也(V)の6人。

'68年1月20日セブンシーズから「恋するラ・ラ・ラ/涙のシルビア」でレコード・デビューする。

大御所テリーの寺内企画の所属であったので、デビュー前からマスコミの露出度は高かったが、殆どヒットすることはなかった。リリースした2枚とも超名曲。何れのB面の作曲者はテリーです。

"フェニックス"が有名なのは、日本で最初にワウギターを取り入れ更に、サウンド・エフェクターに情熱を注いだバンドとして名を馳せているから。

栗山は後に、テリーから逃亡を図り、同じく寺内企画から解雇された"荻野達也とバニーズ"に参加した。

GSの衰退と共に、バンドは解散する。

"フェニックス"はデビューから解散までに、次の2枚のシングル・レコードを発売した。

「恋するラ・ラ・ラ/涙のシルビア」'68年1月20日発売、「グッドバイ・ベイビー/悲しい片思い」'68年5月10日発売(全て、セブンシーズより)



ザ・ハプニングス・フォー


ハプニングス・フォー


"ハプニングス・フォー"は、'64年に九州の博多でプロとして活動を開始した。

当時は、海外のスタンダード・ジャズを中心に演奏し、海外遠征を行い東南アジアにもツアーしていたほど演奏技術は折り紙つきのバンドだった。

メンバーは、クニ河内(O.P)、ペペ吉弘(B)、チト河内(D)、トメ北川(V.F)の4人。'70年に篠原信彦がハモンドとして参加する。

'67年11月キャピタルから「あたが欲しい/何故?」でレコード・デビューする。

パイプ・オルガンを思わせる美しい音色は、天才クニの才能が発揮された。

ギター奏者は居なかったが、日本が誇る最高の、ラウンジ・ミュージック・グループ。

クニが天才だといわれる所以は、ジャズから始まりビートルズサウンド~ブーガルー~ボサ・ノヴ~ソフト・ロック~ニュー・ロック~プログリッシヴベなど多彩な音を作り出すマジシャンだった。

'71年にGSの衰退と共に、バンドは解散する。

"ハプニングス・フォー"はデビューから解散までに、次の7枚のシングル・レコードを発売した。

「あたが欲しい/何故?」'67年11月発売、「君の瞳を見つめて/あなたの側で」'68年3月発売、「アリゲータ・ブガルー/すてきなブーガガルー」'68年5月発売、「夜明けのバラード/何も云わないで」'68年12月発売、「あの夢からさめて/誓いのフーガ~エリナ・リグビー」'69年5月発売、「命短し/青春」'69年11月発売、「恋人たちの願い/永田町への道」'70年7月発売、「引潮・満潮/長い旅」'71年9月発売(「あたが欲しい/何故?」から「あの夢からさめて/誓いのフーガ~エリナ・リグビー」まで、capitolより以後はEXPRESSより)


ザ・クーガーズ


クガーズ001


"クーガーズ"の前身は、'66年に倉光が結成した"ゲーターズ"というエレキ・インストバンド。演奏技術(ファズ・ギターは最高)は折り紙つきのバンド。

その後、ボーカルをメンバーに加えGS界に参入してきた。

メンバーは、松本嘉朗(LG)、林 靖雄(SG)、島田宏昌(B)、倉光 薫(O)、土志田正夫(D)、出光 功(V)の6人。

'67年10月10日クラウンから「テクテク天国/アフロデティ」、「あこがれ/こころの恋人」2枚同時でレコード・デビューする。

デビュー以前に、クラウンは他のGSと一線を隔するために、彼ら要求を突きつける。メンンバー全員丸坊主になるか、ユニフォームとしてスカートを履くかの二者択一を。メンバー全員で検討の結果スカートをユニフォームに決めてGS界始まって以来の奇抜なスコットランド風なキュロット・スカートを履いてデビューした。

ヒット曲がないまま、'68年にバンドは解散する。

"クーガーズ"はデビューから解散までに、次の4枚のシングル・レコードを発売した。

「テクテク天国/アフロデティ」'67年10月10日発売、「あこがれ/こころの恋人」'67年10月10日発売、「好きなんだ/J&A」'68年2月1日発売、「青い太陽/可愛い悪魔」'68年5月1日発売(全て、クラウンより)


ザ・ダイナマイツ


トンネル天国 ダイナマイツ


"ダイナマイツ"の前身は、'65年に阿佐ヶ谷の不良少年たちが結成した"モンスターズ"というエレキ・バンド。

メンバーは、瀬川 洋(LG)、山口富士夫(LG)、大木啓造(SG)、吉田 博(B)、野村光朗(D)リードギターリスト2人を配していた5人。

リズム・アンド・ブルース(以下R&B)を主体にした演奏で、米軍の立川基地やジャズ喫茶で人気を得ていた。やがて、R&Bの申し子とまでもてはやされプロとして船出をする。この時点で、バンド名を"ダイナマイツ"と改める。

'67年11月ビクターより「トンネル天国/恋はもうたくさん」でレコード・デビューする。

瀬川、山口のギターの音、更に吉田のベースの重量感と息つくひまがないほどの迫力で聴かせるバンドだった。二人のツイン・リードギターリストの、テクニックはワクワクするほどの迫力があった。ボーカルも瀬川は迫力の歌唱力を兼ね備え、山口は、黒っぽさ抜群の歌唱力を持っており、天が二物を与えたキャラクターが揃っていた。

しかし、デビュー曲を初めとしてリリースするレコードは殆どヒットはしなかった。その後も独自のサウンド(R&B)を創り上げていくが、GSの衰退と共に解散する。

"ダイナマイツ"はデビューから解散までに、次の5枚のシングル・レコードを発売した。

「トンネル天国/恋はもうたくさん」'67年11月発売、「ユメがほしい/大人の戦争」'68年4月発売、「真夏の夜の動物園/毛皮になったしま馬」'68年7月発売、「恋は?/世界中にほほえみを」'68年9月発売、「バラと悪魔/夢でもいいさ」'69年6月発売(全て、ビクターより)


B面の「恋はもうたくさん」のレコ・ジャケも暫く表示させておきます。

恋はもうたくさん ダイナマイツ


次回は、グループ・サウンズ(GS)VOL:8の第1弾として"ミッキー・カーチスとザ・サムライズ"を予定しています。

ロカビリー歌手のミッキー・カーチスが結成した、伝説のバンド。



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