ナースアウト in 利根沼田 2009

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おっぱいと虫歯

母乳育児と虫歯


母乳や母乳育児のメリットは広く知られ、WHO/UNICEFでも「2歳かそれ以上まで母乳育児を続けましょう」としている一方で、長期に母乳育児を続けていると「虫歯になるからやめたほうがいい」と周囲から批判を受けることもあります。特に「母乳虫歯」と言う表現を歯科医が使うためか、母乳を与えていること自体が虫歯の原因であるかのように誤解されていることもあります。
このページでは母乳と虫歯の関係について紹介します。

◇◆◇虫歯が出来るまで◇◆◇
虫歯は、1つの原因だけでなるものではなく、多くの要因が関係しています。
まず、虫歯菌と砂糖が口の中で出会うと、歯垢(プラーク)が作られます。歯垢が付いたらすぐに虫歯になるわけではなく、歯垢の中でさらに砂糖が分解されると酸が作られ、その酸が長時間歯の表面にあると歯が溶かされて虫歯になります。
おっぱいの中には砂糖は含まれていませんが、乳糖という糖が入っています。乳糖は砂糖と比べると産生量は少ないですが、分解されると歯を溶かす酸が出来ます。
また、果汁やイオン飲料などにはもともと酸が含まれているものが多く、歯を溶かす作用が強いです。虫歯菌もなく、砂糖の摂取もなく、歯垢の付着がなくても、頻回に飲用することで、酸によって歯が溶けて虫歯になります。
生えて間もない頃の虫歯は進行が早く、放っておくと歯が欠けたり神経まで進行したりすることもあります。

◇◆◇おっぱいだけでは虫歯になりません!◇◆◇
研究により、母乳そのものには虫歯の原因になるものが含まれていないことがわかっています。母乳だけ飲ませている場合は虫歯にならないのですが、母乳と砂糖が混ざり合う状況のもとでは、虫歯はできやすくなります。歯が生えて、砂糖を摂取し、虫歯菌の定着が起こることで、母乳も虫歯のリスク因子となります。
 また、夜間は口の中をきれいにしてくれる唾液の流れが悪いので母乳が長い時間歯についてしまいやすい状況にあり、特に上の前歯の裏側が虫歯になるリスクが高く、注意が必要です。

◇◆◇母乳育児の歯列や咀嚼(そしゃく)への影響◇◆◇
母乳育児をすることは、あご、歯、発音の発達にとてもすばらしい影響があると言われています。1日に何度もおっぱいを吸うことによって顔の筋肉や顎のよりよい成長を助けるからです。授乳期間が長いほど後に歯列矯正を受ける割合は少なくなることがわかっています。人工乳で育てるよりもお口の周りの筋肉の運動量が大きく、咀嚼機能の発達やきれいな発音を上手く促します。

◇◆◇虫歯にさせないために◇◆◇
母乳育児のメリットははかり知れないほど多くの恵を子どもにもたらします。虫歯のために中断させるべきものではありません。虫歯に対する適切な対処法を知り、実践しましょう。

その1: 食生活をみなおそう! 砂糖を含むお菓子やジュースのダラダラ飲みは虫歯を助長します。おやつはできるだけ自然なものや非虫歯誘発性食品を選びましょう。
その2: 歯磨きをしっかり! 授乳している子にとって最も虫歯になりやすい上の前歯は特に優しく丁寧に磨きましょう。
その3: 小児歯科に受診しよう! 上の前歯が生えたら1歳前に歯科検診を受けましょう。できるだけ早めの検診を!

《参考文献》
だれでもできる母乳育児 ラ・レーチェ・リーグ・インターナショナル メディカ出版2000年
母乳育児とお口の健康 島袋郁子 JALC主催第25回母乳育児学習会資料2008 



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