ワーホリに来てみて想フ事


本格的にオーストラリアに行きたいと思ったのは高校の時かな。
TBSでやってた「Hotel」って言うドラマで
伊藤かずえ(「花嫁衣装は誰が着る」その他の80年代ドラマ悪者で有名、か?)
がやってたキャラが以前ワーホリに行ってたと言う設定だったのね。
その時に出てきた景色とかが凄くキレイで、
さらに働きながら一年間生活できるというのは凄く魅力だった。
何か基本的にウチの親は凄く甘い方なんだけど、
どうしてもずっとそれにすがってるのはイヤで仕方なかったので、
可能な限り早く自力で海外に行きたかったのだ。
でも既にその時の自分には看護師になるっていう夢もあって、
手に職付けて早く独立するためにもそっちを優先したわけ。

で、看護学校入って、看護師になって、就職いたしました。(経過はしょりすぎ)
新人って、よく「自分の抱負」とか話させられるじゃない?
ウチもそれがあったの。
就職初日に語った自分の夢。
「長くても5年、早くて3年で退職して渡豪します!!」(力一杯大声で!!!)
・・・瞬間、上の人達の顔つきが変わりました(汗)。
でも、自分的には本音だからいいやって事で気にしなーい。(阿呆)
おかげで、実際辞めるときも楽でした。
病院によっては辞めるときに渋られたり、辞めるからってきつい仕事させたり
何故かいじめが始まる所まであるらしい。
先輩方が他の病院で経験済。(怖っ!!)

ほんとは、ウチの病院は自分で言うのも何だけどかなりいい感じのところで、
ちょっと辞めるのもためらわれました。
あと、やっぱり働いて色々自由に使えるお金が出来ると
遊びも楽しくなってきたし。
ただ、働いているときに痛感したんだけど、
看護をしていく上では「看護畑」だけしか知らないって不利だなあと言う事。
きっと他の職種でもそうだと思う。
一つの事しか知らないって、凄く視野を狭めるのね。
先輩を見ていても、自分の友達を見ていても、
色んな事をしている人、経験してきた人って
凄く人として味があって、いつも柔軟でいられる。
一つの事を続けるのって、実は凄く大変。
常にベストである事って、常に同じ質を保つ事ではないのね。
変質しながら、常に変わり続けるベストを探し続けて
それでもクライアント(私の場合は患者)の満足度は常に高く維持しつつ
物事を続けて行かなくてはいけない。
難しい。
凄く不器用で視野が偏りやすい自分には、
このまま看護を続けていくのは危険だな、と
働いているウチに、早い時期にごく自然に気付いた。
同じ事をしているから、やってりゃ仕事は速くなる。
問題が起きても直ぐに対応できるようになる。
それって確かにいい事だけど、それって「ベスト」ではなくて
ただの自己満足で終わりそうで。
非常に怖かったですわ。
何とかして、自分の視点を変えるために何か違う経験がしたかったの。
そんな時、仕事どころか
言葉も人間関係も、生活全てが変わってしまうワーホリは
うってつけな代物だったのね。

で、そんな意図を込めてワーホリにやって参りました。




私の渡豪は忘れもしない2001年9月25日。

こっちに来た時、最初はいいか悪いかも分からなかったけど、
とりあえず英語が大変で仕方なかった。(汗)
でも、語学学校で色んな人に出会って、2週間もすると毎日楽しくて。
英語できんかったけど。
やっぱり、他の国の人とふれあうって、面白い!
日本じゃ考えられないほど
①無駄にフレンドリーだったり、
②無駄に自己主張が強かったり、
③無駄に下らないゲームに本気出してみたり、
④時には信じられないほどテキトーだったり。
こっち来たらきっとみんな驚くと思います。
が、このテキトーさ。それはいい意味であると同時に悪い意味でもあるわけで。
例えば・・・
1)電車がよくキャンセル。30分に一本の電車なのに・・・。しかも放送無し。
2)集合時間、何かの期日、無きに等しい。
  「まあいいじゃないか」くらいのいきほひ。
3)売ってるモノの品質悪かったり、不良品であることしょっちゅう。
みたいな。
いかに日本が高品質なモノやサービスを提供していたかが分かります。
そして、そうでなくても生活って出来るんだと言うことも分かりました。
確かにサービスは不完全(と言うと言い過ぎかも知れないけど)でも、
そのコストは確実に日本より安いし。

あと、こっちに来て確実に感じること。
それは「差別」。
アジア人、英語の喋れない人々に対する差別は確実にあります。
自分も無駄に差別されたこと有りました。
自分に対する店員の態度が明らかに白人系の人と違うとか、
向こうからぶつかってきて、こっちは「sorry」って言っても
向こうは何も言わずに素通り。→その後、友達と大笑い、とか。
その他諸々、無駄な憤りを感じること、何度もありました。
デモね、それはある意味納得。
英語喋れなきゃ意志疎通できないし、
見た目も違えば考え方も違うのに、平等なんて求めても仕方がない。
そういう事された時にいかに対応するかの方が大事。
弱くいた方の負けです。




今まで色んな経験をして思えるのは、
やっぱりこっちに来て良かったなあと言うこと。
可能な限り海外に出れる人は出るべきだと言うこと。
素敵な友達も、
色んないい経験も悪い経験も、こっちに来なければ出来なかった。
それは自分の視野を確実に広げてくれるし、
日本にいる時は何の苦労もなく出来たこと、「なあなあ」でいられたことも、
こっちに来たら全力投球。
時に辛くもなるけど、そんな時に「何で自分はここにいるの?」と考える事で
「自分の立ち位置」を再確認させてくれる。

あと、こっちに来て自分が「日本人」である事を再確認できたのも良かったかな。
こっちに来る前は日本に対していいイメージ無かったけど、
こっち来たら色んないい面も見えてきた。
前から日本の文化や歴史は好きだったけど、もっとそれが好きになったし、
日本人の勤勉さ、
物事に対する真摯な取り組みと完璧主義、
技術に裏打ちされた品質の高さ、
どれもこれもイタイほど実感です。
「お前なに言ってんの?」と思うあなた。
海外生活すると分かります。
個人的には特に
オーストラリア人に比べたら超勤勉。(奴らはよくさぼる)
南米系に比べたら、相当に完璧主義。(彼らは「これでいいじゃ~ん」系)
他のどの国に比べても携帯電話や電化製品、日本が一番いい。
間違いないよ。


自分が一番こっちに来て欲しいと思うのは日本人の男共かな。
日本人男が好きだからとかそういう訳じゃなく(確かに少しそうなのだが。爆)
日本人男って、国内で「差別」される事って少ないんだよね。
確かに部落だとか、国籍での差別はあるけど大多数は被差別者になった事って無いと思う。
男の方が女性よりも優遇されてるよ、はっきり言って。
不景気でいい仕事無くて、学歴で差別されたりしてるじゃん、なんて言う貴方、
甘いです。大甘です。
学歴なんて表層的なモノではなく、
生まれ落ちた時点からついて回る人種の壁。
本当にどうしようもない差別。
さらに、言葉ができない事で太刀打ちできないって言う辛さ。
そして自分も「○○人ってイヤ」と思わず言ってしまう日が来るでしょう。
いじめなんていう個人に対するモノとはまた質の違った存在の否定。
無意識に起きる差別の身近さと怖さ、体験できます。
これって一度、体験した方が良いと思う。

そんなこんなで、結局何が言いたいかって言うと、
こっちは基本的にはいい生活!
百聞は一見にしかず!
皆さまワーホリに是非来てみて下さいな!

                      30, Dec, 2002


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: