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仕事術・手帳術・整理術(山田企画事務所)
不平等社会日本/中公新書
X005エッセイ(世界観を変える)2000年の原稿 ■■■■■
――――――――――――――――――――――――――――――――――
■佐藤俊樹/不平等社会日本/中公新書1537/2000年/660円
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
さよなら総中流。「とんでもない事件や事故がこれから起こりつづけるだろう
」です。「努力をする気になれない」社会へ、現代の日本は、かなり急激な転
換を!。第4章「総中流」の落日ー自壊するシステム。キモはここです。
1.日本社会システム全体への疑問 2.IT革命について考えていきつつ私
は読書すると申し上げおります。そんな本がコレ。帯には、「崩壊する平等神
話」!。私は「団塊の世代は葉民になりつつある」論の人間ですが、これを読
んでまたまた納得。この本のキモのキモは、P128です。
■山田法則■本は途中から読め■です。(娯楽本は除く)
この本のキモ部分にショックを受けて、その前後を読みましょう。本の出だし
で、つまづかないように。さてP128です。
■「「団塊の世代」以降でも、この状態が続く限り「昭和ヒトケタ」が社会を
担っていた時代では、想像できなかったとんでもない事件や事故がこれから起
こりつづけるだろう」■
1995年以降、阪神大震災以降は特にひどいですね。と私は思います。
(想像できなかったとんでもない事件や事故がおこるのは)
■「責任感を持てないエリートと将来に希望を持てない現場の組合せでは、そ
うならない方がおかしい。会社が面白くないと言って離職する若い世代がふえ
るのも無理はない。何よりも彼ら彼女ら自身がこの空虚にとりつかれているの
だから。」■P128
■「「努力すればなんとかなる社会」から「努力しても仕方がない」社会へそして
「努力をする気になれない」社会へ、現代の日本は、そういう転換をそれもかな
り急激な形で経験しつつある」■P128
■「基礎的平等化による開放性に依存した産業社会や選抜システムが、W雇上
(ホワイトカラー雇用上層の略です)の階級化によって根底から大きく揺さぶら
れている」■P128
著者は佐藤俊樹東京大学助教授。専攻は比較社会学、日本社会論。この本は、1
995年の「社会回想と社会移動全国調査」(略称SSM調査)からの佐藤教授
の論です。この調査に対する他の方の論文は多くあり、佐藤教授とは結論が異な
るとのことです。でも私はこの先生の意見に賛成!です。新聞・雑誌の書評でも
異見ありの書評が多いです。が、サラリーマンの眼から見れば大当たりです。
この本は、P128のキモを見れば、読みたくなるでしょう。衝撃本です。
「親世代の豊かさが、教育と資産の2つの回路を通じて本人世代の豊かさに追加
される」(P75)
「80年代前半までの戦後の階層社会は、「それなりに努力すればなんとかなる
」社会になっていった」(P87)ここが2つめのキモ。
「W雇上(ホワイトカラー雇用上層)の家庭に生れたという既得権に「実績」を
つみ、そうすることで、その実績自体もまた既得権化してしまうのだ」「戦後の
日本では選抜競争が平等な競争であると信じられてきた。その中で「団塊の世代
」のように生まれによる有利不利が発生。しかし、今述べたような、既得権が実
績」化、「実績」が既得権化するメカニズムが働く」(P109あたり)
「日本のW雇上2世の中には自らの力に寄らないという事実すら全く気付かない
人もいる。」「平等社会の神話につながった時すべての人が自分と同じように生
活していると思いこんでいれば、みんな同じ条件で競争していると考えても不思
議ではない。けれども、それはW雇上の世界だしか知ろうとしないことであり、
もっと幼稚な自己中心的態度である」p110手厳しいが、当っているでしょう。
さらに同じくP120あたり。「1936年~55年生まれの団塊の世代が、まさに日
本の選抜システムの転換点になっている。」
「団塊の世代におきたW雇上の階級化は生れによる格差は縮まらない」考えを持
てば、社会も企業も腐っていくだけだ、という結論に達する」。だが、事実です。
本を抱いて自殺しそうになりますね。では、どうすればいいのか。救いはあるのか。
P140以降の4つの課題点を見て下さい。ヒント。「カリスマ美容師」もその
一例です。ここでは書きません。本屋にてご覧下さい。
知識エリート(この本で言えばホワイトカラー雇用上層)の階級化(生れによる
有利不利)が、団塊の世代の成長とともに進んでおり、1985年前後には、戦前の
日本より以上に階級社会となった。問題点は、その知識エリートがその認識もな
く、責任感もない。」
IT情報リテラシーに関する部分は第5章の2から、P156です。
「IT論上の情報リテラシーにおいても、知識エリートは既得権を持っている。
努力すればなんとかなる社会でなくなった日本では、産業の空洞化、無力感
、閉塞感に被われたれた社会となる」
IT革命に関する部分は、P159のあたりです。「父主職という目に見えない
資産の力は、伝統的な学校型の知識だけでなく、情報リテラシーという新しい形
態の知識にも及んでいる」
「1995年時点のパソコンワープロは、先進的機器であり、それらの所有が示
すのは、むしろ高度な知識・能力とされるものへのアクセスの良さである」
「日本の知識エリートは、西欧語の読み書き能力を核とした「教養」を標識にし
てきた。(中略)近代日本の「教養」は単なる文化や階層的標識ではなく、実利
的なものであった。そのメリットが薄らいだ今、情報リテラシーという新たな知
識形態が浮上しつつある」(P160)
第4章「総中流」の落日ー自壊するシステム。P106.ここから読み進みまし
ょう。
中央公論新社のアドレスは
▲ http://www.yomiuri.co.jp/chuko/
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