あたし。の中身。

あたし。の中身。

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―帰り道にご用心―


仕事が終わってあたし。はバイクで家路を急ぐ。
終わる時間は21時をまわっているので人通りは結構少ない。
でも歩きじゃないし、そう怖い事もない。
いつもの道を走り出した。黄色の信号をちょっと無理やり突っ切った。
後ろの車も突っ切った。危ないよ~そこの車!と思いながらミラーを見ていた。
だいたい車ってのは抜きやすそうなところでバイク抜いたりするのに
その車は結構車感距離をとっていて離れていた。
ちょっと気になりながらまたもや黄色を突っ込んだ。
後ろの車は離れていたので赤信号だった。なのに突っ込んできた。
・・・ついてきてる?ちょっとそう思ったのでまっすぐ帰るのをやめて
対抗車がいたらスピード出せない細い道を走った。ついてきた。
結構対抗車がきてどんどん距離が出てきたので
あたし。は路地に入ってエンジンを切った。
どんなやつか見てやろうと思ったが諦めたのか来なかった。
それから家に戻った。ダンナには言わなかった。
確信がなかったからだ。いらぬ心配もするだろうし気のせいかもしれないから。

次の日も仕事で21時をまわっていた。
この日はバイクで鼻歌歌いながら走っていた。
そしてそういえば昨日はつけられたっぽかったな~とミラーを見ると
また車間距離をあけながら走っている車がいた。
ちょっと怖くなったので交通量の多い国道を走って帰ろうと急に曲がった。
が、やはりその車も曲がってきた。
信号待ちをしていても距離をつめずにいるのでやっぱり気持ち悪い。
ふと思った。ココでUターンしたら車はついてきれないだろう。と。
そしてUターンしてやった。その時運転している人の姿を見た。
暗かったからわからなかったけどキャップをかぶった人だった。
まっすぐ前を向いていた。多分知らない人だ。

たまたまかもしれない。あたし。の被害妄想かもしれない。
そう思っているけどもし何かあったらイヤだ。お金や命を取られてはバカらしい。
家に帰ってダンナに話すと次の日から車で後ろを走ってくれた。心強かった。

もしあたし。に何か用事があるなら言っておくれ。
話くらいは全然聞くし、もしかしたら友達になるかもしれん。
あたし。に対して怒っていることがあるなら、とりあえず言ってくれたら
直すかもしれんし、勘違いってこともあるかもしれんし。

とりあえず、話をしようよ。


 あたし。は可愛いわけでもなく、スタイルもはっきりいってよくない。
 でもそういうのを好きな人がいるらしい。マニアっていうやつか。
 と、いうことはさ~メッチャカワイイ、スタイルのよい若い女の子は
 こういうことよくあるんかな?怖いな~みんな気をつけようね


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