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さすらいの天才不良文学中年
熱海 江の島
熱海に親孝行の巻(前編)
義理の母親が80歳を超えた。
今年の正月はその母を実家の広島から横浜に呼び寄せ、こちらで約1ヵ月間のショートステイをして貰った。
そこで、親孝行に何が良いかを考え、前から母に話しをしていた熱海旅行とした。母と家内とおいらの三人による珍道中である。
新幹線で熱海に行くという選択肢もあるが、母の脚のことを考えれば、移動の手段は車だろう。
さて、横浜からどういうルートで熱海に行くか。
やはり、ドライブは海岸沿いのコースが良い。少し遠回りになるが、横浜横須賀道路を経由して、逗子方面から葉山を通り、湘南ルートで熱海を目指そう。
稲村ジェーン(20年に一度、巨大台風によって稲村に押し寄せる幻の大波伝説のこと)で有名な「稲村ヶ埼」を通過する。
江ノ島である。近付くに連れて、江ノ島が大きくなる。
サザンビーチから西湘バイパスに入る途中、昼食に立ち寄る。のんびりしたドライブである。夕方前に熱海に到着。旅館の前にある尾崎紅葉の筆塚を眺める。
熱海の眺望は何時見ても好きである。夜景も捨てたものではない。
ゆったりと露天風呂に浸かる。
仲居さんのサービスも至れり尽くせりである。
温泉の後は、食事である。熱燗を付けて貰い、家族での団欒。親孝行とは良いものである。熱海の夜は更けゆく(続く)。
熱海に親孝行の巻(後編)
起床して、朝の温泉に再び浸かり、朝食。天気予報によれば、午後からは崩れるというが、晴れ間も見えてきた。どうやら天気は持ちそうである。
ドライブの楽しみは、往路と異なる帰路にすることである。箱根方面を経由して富士山の雄姿を母に見せたい。往路が海岸沿いで海尽くしだったので、帰路は山尽くしにするのである。
熱海から箱根方面を目指し、十国峠に到着する。
芦野湖スカイラインに入り、芦野湖を右手に臨む。
三国峠の手前に「命の泉神社」がある。日本武尊伝説の地である。
三国峠に到着である。
そのまま、箱根スカイラインに入ると、左手に石原慎太郎の「美しい國日本」があった。え? これって、安倍前総理のキャッチコピーじゃなかったのか。尤も「美しい国」という言葉はこれまで政治家(河野洋平、与謝野馨など)によって散々使われているので、コピーだと云われても仕方がない。
御殿場に到着、富士山の雄姿が見えるかと期待したが、曇りで麓しか見えない。残念。
さて、帰路の高速道路は東名とした。鮎沢パーキングエリアはドッグランを設置するなど犬好きには最高。
車中、みたらし団子やソフトクリームを母と家内が食べながら、帰路も楽しいドライブになった。ハイ、お疲れ様でした(この項終り)。
江の島探訪記(前篇)
先月下旬、江の島を探訪した。
星加海さんの絵画展に出向くためである。そのときのことはこのブログで取り上げているのでそちらに譲るとして、折角、江の島に行くのだ、ゆっくりと江の島を散策してみたいと思ったのである。
考えて見れば、江の島は高校生のときに修学旅行で訪れたとき以来である。
もっとも、江の島の映像はテレビの天気予報などで毎朝観ているし、熱海に行くときなどは江の島のそばを通ることもあるので、江の島自体は珍しくはない。
だが、江ノ電には乗ったことがないように思う。余談だが、黒澤明の「天国と地獄」の中での江ノ電の音は有名だよねぇ。
江の島が有名なのは、鎌倉時代、頼朝が鳥居を奉納したことにより代々の将軍が参拝したからと云われている。また、水の神である弁才天が祭られているからでもある。
江の島にまつわる話しで面白いのは、神話の類だが、一夜にして島が出現したというものである。実際、関東大震災で江の島は隆起している。下の浮世絵(歌川広重)は、その震災前の江の島。
さて、江の島へ行くルートは「江ノ電(鎌倉または藤沢から)」の他に「小田急江ノ島線(藤沢から)」と「湘南モノレール(大船から)」とがあるのだが、おいらにとっては江ノ電でなければならない。
躊躇なく横浜から東海道線に乗車し、藤沢駅にたどり着いた。
江ノ電藤沢駅乗り場は少々分かりづらいのだが、小田急デパート藤沢店の中にある。
なお、小田急江ノ島線はJR藤沢駅そばにある。小田急デパートの中にはない。笑ってしまうでござる。
下の写真が江ノ電藤沢駅の乗り場。外国の駅のようで、すこぶる趣がある。
電車が来る。単線である。
運転席。
あっという間に江ノ島駅。
さあ、ここからは目指す江の島まで徒歩で数分である(この項続く)。
江の島探訪記(中篇)
観光案内所で江の島マップを貰う。
これは分かりやすい。
江の島弁天橋を目指す。
江の島が視界に入ってくる。
橋の東側を渡ろうとしたが、東側は浜(これを「片瀬海岸東浜」と呼ぶ。なぜか「江の島海岸」ではない)が見えないので、一度、橋のたもとまで戻り、再び西側から江の島に渡ることにする。
橋から降りて、浜を歩く。
江の島の雰囲気、全開である。
しかし、浜から江の島に上陸するには、下の写真のようによじ登らなければならない。
階段がないのである。観光地であるにもかかわらず、不親切極まりない。おいらも大きな綱に左足を乗せて、江の島によじ登る。
しかし、なぜ階段が設置されていないのかは夕方になって分かる。
これには、びっくりだよ~。
江の島は、日本の「モン・サン・ミシェル(世界三大名所の一つ。仏西海岸、修道院のある島)」なのだと知らされるのである(正解は明日のこの欄で。この項続く)。
江の島探訪記(後篇)
参道(仲見世通り)を登る。土曜日だけあって、人、人、人。
参道を登り切ったところにある瑞心門。
江の島は小高い丘というか、山である。その中腹に位置する八坂神社。
ここまで階段を歩いて登るのだが、脚が弱い人のために有料エスカレーターがある。これをなぜか「エスカー」と呼ぶ。
八坂神社と並んで、「江の島神社(辺津宮)」と「奉安殿」(写真下)もある。
奉安殿には裸弁財天が祭られている。この弁天様は「日本三大弁財天」の一つである(後の二つは、安芸の「宮島」と近江の「竹生島」弁財天)。
この弁財天はふくよかでお顔もすこぶるよろしい。無論、琵琶を持つだけで、無粋な着物など身にまとっていない。上品な色気が漂い、ご利益がありそうである。おいらは弁天様が好きなのである。残念ながら、弁天様の撮影は禁止。
江の島の中央にあるのが展望台(「江の島シーキャンドル」)。
展望台がある場所は見晴らしがよく、太平洋が望める。
海さんの絵を観に行くために切り上げて参道を下る。参道は美味しそうなお店が軒を連ねている。
さて、前回述べた日本のモン・サン・ミシェルの話し。
帰路は、橋の下が海なのである。つまり、行きは干潮で歩いて江の島まで行くことができるが、帰りは満潮となるので歩いては帰れない、つまり、橋を渡るしかないのである。
だから、階段など造らないのである。そういうことだったのだ。
暮れゆく景色の中に富士山を観ながらおいらは帰路についたのである。
なお、江の島には猫が多かったのぅ(あの猫男が江の島に出没したとうのもうなづける)。
それと、見事にアベックばかりであった。江の島は関東の身近なデートコースなのじゃのぅ(この項終わり)。
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