質問力

「質問力」を読みました。 殿堂入り!

<著者>
斎藤 孝
明大教授。 教育学、身体論、コミュニケーション技法専攻。
「声に出して読みたい日本語」で一大ブームを起こす。
その後も「子供たちはなぜキレるのか」「読書力」など話題作を著す。

<内容>
質問力は技術であり、鍛えることで素晴らしい情報が引き出せることを説いている。 「コミュニケーションの秘訣は質問力にある」

1. 質問力を鍛えるには

楽しいコミュニケーションにはお互いの経験世界を混ぜ合わせること。

いい質問のためのいくつかの座標軸
1) 具体・抽象の軸と本質的・非本質的の軸を組み合わせる。 具体的で本質的な質問を心がける。
2) 自分が聞きたいこと・聞きたくないことの軸と相手が話したい答えたいことと話したくない答えたくないことの軸を組み合わせる。 自分が聞きたくて相手が話したい質問は「ストライクゾーン」自分は聞きたくないが相手が話したい質問は「気配りゾーン」 自分が聞きたくて相手は話したくない質問は「子供の質問ゾーン」
3) 現在の文脈に添っているかいないかの軸と相手の経験世界の文脈に添っているかいないかの軸を組み合わせる。 
両方の文脈に添っているのが「ストライクゾーン」だが、時には現在の文脈と無関係に相手の経験世界にそっている質問をする気配りが必要。
4) 専門・素朴と本質・非本質の量軸を組み合わせる。
5) 自分が知りたい・知りたくない軸と読者・聴衆が知りたい知りたくないの軸を組み合わせる。

コミュニケーションの秘訣 「添う技」と「ずらす技」
1) 添う技
うなづきとあいづち。 言い換え。 少し前に話されたことを引用する。(メモを取ること)
おうむ返し。 特に専門用語は自分が慣れる意味でも効果的。
自分と相手の共通点を探す。
事前の調査で広がる「添う技」
ポイント・キーワードを相手の話の中に沢山見つける。
一般的なことを具体的なことに結びつける。

2) ずらす技
相手の話を整理する。 自分は分かっていても読者・聴衆のために整理する。
「具体的にいうとどうなんですか」という質問はあらゆる場面で有効。
本質的・抽象的な話と具体的な話の間を行き来する。
自分の経験世界にもっていく。

クリエーティブな質問
最終目標は相手をインスパイアする質問
相手について調べたことをベースに突っ込んで行く質問
テーマ性を持った質問

<感想>
今こうやって整理してみてこの本のよさが分かった。
全体がハイレベルな「質問の達人」の実例で構成されているので、それぞれの事例にとらわれて読んだときは「技」自体が頭の中で整理できなかった。

上記のポイントを意識しながら戦略的な会話をして行くと、コミュニケーションはずいぶんとレベルが上がつて行くのではないだろうか。

とは言いつつ、沢山取り上げられている素晴らしい質問・回答の事例自体読んでいて楽しい。

<勝手にレーティング>
納得度:4.5
オリジナリティ:4.5
実用度:4.5
アマゾン:3.5
合計:17

アマゾンの評価が低い。 私の評価ではぎりぎりではなく楽々「殿堂入り」


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