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◆悩みを解消する方法◆



どんなに完璧なボディラインに恵まれた女性でも、
「どうして、あと五ミリ、ウエストが細くならないのか」
と悩んでいます。
普通の女性も、
「どうして、あと五センチ、ウエストが細くならないのか」
と悩んでいます。
もはやウエストを気にしない域に到達している人も、
「どうして、あと五センチ、椅子が広くないのか」
と悩んでいます。

愛する人がいる人は、そのことで悩み、愛する人がいない人は、そのことで悩みます。
愛されていない人は、そのことで悩み、愛されている人は、そのことで悩みが生じます。
愛する人が多い人は、そのことで悩み、多くの人に愛される人は、そのことでトラブルが生じます。

私も例外ではありません。
ただ、私の悩みは、たいしたものではありません。
私を相手にしてくれる人がいない、私の知性と容貌が正当に評価されない、お金が無い、仕事が無い、人望もない、体を病んでいる、心も病んでいる、寝たきりになったときに看護してくれそうな人がいない、仕事で暴力団とトラブっている、自分には何の価値もなく、誰からも必要とされていない、といった些細な悩みです。



◆悩みを解消する方法を考察してみました。

1. 執着を捨てる

誰もが悩む原因の一つは、「悩みを欲している」ということです。
仏教でも、キリスト教でも、最後は「執着を捨てれば良いのだ」と教えている(と思う)が、欲望や欲求、願望、希望などと、現実との落差を感じたときに悩みは生じてしまうのです。

愛知県によい禅寺がありそうです。
(ただし、訪ねた結果、悩みを相談される立場になるおそれもあります)
{よしよしさん、ごめんなさい!}


2. 先入観を捨てる

そもそも「悩む」という観念があるからです。
(注1:観念=哲学で、ある対象を指示する意識の表れ)
(注2:観念=仏教で、仏法の真理を考え想うこと)
(注3:観念=一般的に、あきらめること)
人間以外の生物には観念がないため、悩みはありません。
現に、私は人間以外から悩みの相談を受けたことがありません。

よく、「悩みが無い」と言う人に向かって、「お前は悩みがなくて羨ましい」と言うことがありますが、これは羨むふりをして、相手をバカにしているのです。
ちょうど金持ちが、「昔、貧乏で食べる物にも困っていた時が一番幸せだった」と述懐するのと同じです。

この「悩みを持たないと人間ではない」という先入観を捨てるのが悩みをなくす方法です。
人間になろうとするのを、やめてもいいでしょう。


3. 同じ悩みを持った人を探す

悩みは純粋に個人のものだと思われていますが、そうではありません。
よく知られているように、自分と同じ悩みを他人も持っていると、悩みは軽減されるものです。

性病に一人で感染するより、みんなで感染した方が、誰が感染元か分からなくなるので気が楽です。

他人がどうであろうと、事態は変わらないはずなのに、他にも多くの人が同じ悩みを持っていることを知ると、気が楽になるのです。


4. 無人島に行く

上記3と矛盾するようですが、悩みは他人がいるために生じることがあります。
悩みの根底には他人に比べて劣っているという意識があります。
無人島に独りだけになったら、
「太っている」
「顔がわるい」
「気が弱い」
「人付き合いが苦手だ」
といった普通に抱くような悩みもほとんど生じないでしょう。
少なくとも、「性病をうつされるかも知れない」といった悩みからは確実に開放されるでしょう。


5. 余裕のない生活をする

余裕がないときは、悩みは生じません。
戦場の地雷原の真っ只中にいたり、試験終了まであと一分という時、悩みは生じません。
悩むためには、悩むだけの余裕が必要です。
衣食足りた後で初めて悩みが発生するのです。
悩みから開放されるためには、毎日戦場に身を投じる、試験を受け続ける、毎日の食べ物を得るために猪と戦うなど、余裕を一掃する生活を送るのがよいでしょう。


6. 別の悩みを持つ

よく知られているように、悩みは、より大きい悩みに取って代わられるものです。
例えば、自然災害におけるインフラ整備に不満を抱いている人が、一週間で三キロ太っていたことを知ると、肥満の悩みが発生し、それと共に社会変革の悩みは終息します。
さらに、鏡を見たときに肌が荒れていると肌荒れの悩みが発生し、肥満の悩みは解消します。
その肌荒れの悩みも、他人に「息がくさい」と言われたら、悩みは、肌荒れから口臭へと移動します。
このように、何もしなくても、別の悩みが発生すれば、元の悩みは自然に軽減されてしまいます。


7. 特に何もしない

悩みはデキモノと同じで、あまり弄らず放っておくのが一番よい。
悩みは些細なことが原因で生じるものが多くあります。

好きな人がちょっと気のないメールを送ってきただけで、何か気に障ることをしたのではないかと悩み、食事中、好きな人にじっと見つめられるだけで、あごにソースが着いているのではないかと悩み、「あなたはラクダに似ている」といわれたら、不細工なのだと悩んだりします。

また、欲しい物を買ってもらえないとか、行きたい所に連れて行ってくれないとかが原因で、しばしば「他人は理解してくれない」という悩みが生じます。

男の九十五パーセントは、どこかに「どうしても自分に自信が持てない」という悩みを持っているものですが、これも原因は、女にモテたことが一度も無く、あらゆる順位で三位以内に入ったことが無く、野球もサッカーもレギュラーになれず、勉強や仕事で褒められた経験が無く、知性にも性格にも見るべきものは無く、金も地位も根性も体力も無い、という、何でも無いことがきっかけになっています。

また、信じていた人が自分の部屋を盗聴していたというだけで、「つきあう人間の選択を間違えていた」と悩んでみたり、命を狙われているといって「警察は何もしてくれない」といった、些末な悩みを持つことがあります。



このように、悩みには何らかの原因があるものですが、実際には、その原因が除去されることによって悩みが無くなるということは稀です。
実は悩みは大抵、自然に消滅します。
むしろ、悩みと格闘していると、かえって悩みが拡大されてしまうのです。
(何のアドバイスにもなっていないが、私にアドバイスを期待することの有効性については以前に述べた)


悩んだときに、どうするかを周囲の人に訊いたところ、
1. 酒を飲んだ
2. やけ食いした
3. 買い物をした
4. 遊んで気を紛らわせた
このように、彼および彼女たちは悩みから立ち直るために、普段通りの事をしているだけなのです。
(たまには「仕事をした」という社会人や、「勉強した」という学生がいても良さそうなものだ)

いずれにしても、悩みから心を逸らす出来事を持つのが得策だということは確かです。

実際、例えば「何事にも金がものを言う」社会に絶望し、「人間は一体何のために生きるのか」と深刻に悩む人でも、十億円の遺産を見知らぬ親戚から突然、遺贈されたら悩みは消えるでしょう。

悩みが無くなった時に備えて、充分な食事と睡眠をとって体力をつけておくのが良いでしょう。



〈おしまいに〉
今回の内容は、私のフリーページ内の『幸福論』の焼き直しとの指摘には中りません。
私は「以前に書いたことを覚えていられない」「責任感が欠如している」という悩みに対して、「過去を振り返らない」という解消法を実践しているからです。





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