目の前にある現実

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　とりあえず、目の前にある現実を見る。日本はクロアチアと戦って、0-0の引き分け。勝つ可能性のあったゲームだった。でも、勝てなかった。負ける可能性もあった。でも、とりあえず負けなかった。8年前、日本はやはりワールドカップのグループリーグで戦い、0-1で敗れている。8年たって、0-0の引き分け。リベンジを果たすことはできなかった。チャンスは作れている。互角には戦えている。それが8年間の収穫である。チャンスは作れているが、チャンスに決めることができない。互角には戦えているものの、クロアチアに対して圧倒的な優位さを持っているわけではない。それが、目の前の現実。それ以上でもないし、それ以下でもない。

　オーストラリア戦に比べれば、今日の日本代表は、だいぶ良くなった。何度となくチャンスも作れていた。でも、決めきれない。日本代表の決定力不足なんて、今に始まったことじゃなくて。8年前だって決定力不足だったし、12年前だって決定力不足だった。問題なのは、それが少しも改善されていないこと。8年の歳月を得て、チャンスは作れるようになった。でも、8年経っても、チャンスをものにすることはできない。

　やはり走らないことには、サッカーは始まらない。ヒデがボールを持って、「さあ、これから攻撃だ」というときに、前線に走っている選手が誰もいない。灼熱のピッチの上で90分走り続けることは、選手にとって過酷なことはよくわかる。クロアチアの選手も足が止まっていた。だが、ヒデだけは最後まで走っていた。最後まで諦めず、勝利を信じていた。ピッチにいる11人全員が、ヒデと同じように走り続け、勝利を信じていたら。結果は違ったものになっていたかもしれない。

　次回の対ブラジル戦。とにかく、走ろう。最後まで諦めず、どんなに苦しくても、「これが日本のサッカーなんだ」と誇れるサッカーを見せてくれ。

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